私の運営するホームページ

掲示板

Twitter

無料ブログはココログ

« 2005年9月 | トップページ | 2005年11月 »

2005/10/31

In Concert, Zurich, October 28, 1979/Chick Corea and Gary Burton

1182
いつの頃だったか忘れたけれど、学生時代に朝のNHKでこの2人の演奏を短かったですが聴いたことがあります。そのころはこれがジャズか、とは分からなかったのだけれども、チック・コリアのピアノとゲイリー・バートンのヴァイブラホンでスゴいまとまりの良い、しかもクールな演奏をやってのけていたのに驚きを感じたことがあります。その後だいぶ経ってから、この2人のCDを手に入れました。音がぶつかり合う楽器編成で、ここまでやっているのは見事かもしれません。


In Concert, Zurich, October 28, 1979/Chick Corea(P) and Gary Burton(Vib)(ECM 1182/83) - Recorded October 28, 1979 - 1. Senor Mouse 2. Bud Powell 3. Crystal Silence 4. Tweak 5. Falling Grace 6. Mirror, Mirror 7. Song To Gayle 8. Endless Trouble, Endless Pleasure

チック・コリアの曲が6曲、スティーヴ・スワロウ作が2曲(5、8曲目)の構成。基本的に音がぶつかり合うピアノとヴァイブラホンのデュオなのに、ライヴでも緻密なデュオの演奏です。1曲目からスパニッシュ的に非常に熱い演奏(ただし温度感は低いかも)が繰り広げられています。ややバップ的ですが、スマートな印象的なメロディを持っている2曲目、静かなバラードで後半やや盛り上がりのある3曲目、アップテンポでスリリングに進行する4曲目、メランコリックな美しいメロディの5曲目、ワルツ的展開でやや温かみのある6曲目、静かで切なげなバラードから盛り上がっていく7曲目、たたみかけるようなフレーズでせまる8曲目。CD化に際し、「I'm Your Pal/Hullo, Bolinas」「Love Castle」の2曲がカットされているのが残念。

Manhattan Afternoon/Ceder Walton Trio

1082
Criss Crossレーベル順番聴き5日目。また今日でこのレーベルはひと区切り。このレーベルにして久々のベテランのアルバム、しかもピアノ・トリオでの作品。やっぱりベテランの作品はオーソドックスとは言え、歴史を耐えて残ってきただけあって、メロディやリズムが、まるで大排気量の車に乗っているように安定していて、聴いていて安心感があります。そしてシダー・ウォルトン、やっぱり都会的か田舎的かというと、都会的で洗練されているように感じるのは私だけでしょうか。ちょっと間違えるとBGMに使ってしまいそうですが、じっくり聴くだけのものを持っていると思います。それでいて古くはない。名盤というところまではいかないかもしれませんが、なかなかやるなあ、と思います。


Manhattan Afternoon/Ceder Walton(P) Trio(Criss Cross 1082)(輸入盤) - Recorded December 26, 1992. David Williams(B), Billy Higgins(Ds) - 1. There Is No Grater Love 2. St. Thomas 3. Skylark 4. The Newest Blues 5. When Love Is New 6. I Mean You 7. Afternoon In Paris 8. The Theme

(05/10/23)全8曲中Ceder Walton作は2曲(4-5曲目)。ベテランのピアノ・トリオ作。オーソドックスながら右手のメロディと左手のコンピングのバランスが見事。メロディアスなピアノをまずミディアム・アップテンポのスタンダードで堪能することができる1曲目、有名な曲を軽快にカリプソとアップテンポの4ビートのリズムで展開していく心地良い2曲目、ちょっと崩しながらも美しいメロディをミディアムで朗々と奏でる3曲目、ブルースと言うにはスウィンギーでけっこう洗練されている4曲目、都会的で優しくホンワカしたバラードの5曲目、セロニアス・モンクの曲をテーマを借りて彼ら流にアレンジしつつ演奏する6曲目、テーマのメロディと流暢なピアノソロに心奪われる7曲目、マイルス・デイヴィスの「テーマ」をトリオで演奏する8曲目。

2005/10/30

80/81/Pat Metheny

1180
80/81/Pat Metheny(G)(ECM 1180/81) - Recorded May 26-29, 1980. Charlie Haden(B), Jack DeJohnette(Ds), Dewey Redman(Ts), Mike Brecker(Ts) - 1. Two Folk Songs. 1st, 2nd 2. 80/81 3. The Bat 4. Turn Around 5. Open 6. Pretty Scattered 7. Every Day (I Thank You) 8. Goin' Ahead

パット・メセニーが本気で取り組んだ彼風味のジャズアルバム。2人のテナー・サックスも面白い。ほとんどが彼のオリジナル。前半がパット流の元気なフォーク・ジャズ、ドラム・ソロを挟んで後半がチャーリー・ヘイデン作の20分にも及ぶ1曲目、やはり彼のジャズの世界をソロでもサウンドでも表現しているタイトル曲の2曲目、メロディの印象的なバラードの3曲目、ギター・トリオでオーネット・コールマン作の有名な4曲目、メンバーが交互にフリー・インプロヴィゼーションを展開し、盛り上がっていく14分台の5曲目、比較的自由度の高い「ジャズ」の演奏が聴ける6曲目、叙情味あふれるメロディアスかつドラマチックな13分台の7曲目、アコースティックギターの多重録音で優しくフォークソングのように語りかけてくる8曲目。(02年9月19日発売)

After Dark/Don Braden Septet

1081
Criss Cross順番聴き4日目。このレーベルでは6人編成(セクステット)まではよく見かけるのだけれど、セプテット(7人編成)はほとんどなかったと思います。しかもCD1枚分の録音はほとんど1日で終えてしまっていて、このあたりお金のないマイナーレーベルだな、と思わせますが、’50年代のプレスティッジその他のレーベルも皆このような録音形態だったので、あまり驚くには当たらないかもしれません。しかも7人が揃うのは全曲ではないですし、このあたりアレンジが間に合わなかったか予算の関係かわかりませんが、結果としてトータルで聴いてみて、分厚いホーンアレンジの曲とシンプルな編成の曲とのバランスが良くなったような気もします。


After Dark/Don Braden(Ts, Fl) Septet(Criss Cross 1081)(輸入盤) - Recorded January 5, 1993. Scott Wendholt(Tp, Flh), Steve Wilson(As), Noah Bless(Tb), Darrell Grant(P), Christian McBride(B), Carl Allen(Ds) - 1. After Dark 2. Night 3. You And The Night And The Music 4. Creepin' 5. R.E.M. 6. Stars Fell On Alabama 7. Monk's Dream 8. Dawn 9. The Hang

(05/10/23)Don Braden作は全9曲中5曲(1-2、5、8-9曲目)。曲により4管編成で音が分厚いです。複雑な色合いのテーマからアドリブへとなだれ込んでいき、ホーンが複数出る後半となるミディアム・アップテンポのタイトル曲の1曲目、スローなバラードで洗練された都会の夜のような2曲目、ピアノレスで各ホーン楽器が自由に交替で、あるいは絡んでアドリブを展開していく3曲目、ポップなスティーヴィー・ワンダー作ですが不思議なハーモニーもある4曲目、アップテンポでサウンドもリズムもカッコ良く突っ走る5曲目、ワン・ホーンでしっとりとバラードを吹く6曲目、セロニアス・モンクの曲を何とピアノレス・トリオでの7曲目、ワルツで浮遊感のあるハーモニーが印象的な8曲目、テーマの分厚いハーモニーが心地良い9曲目。

2005/10/29

Bitter Funeral Beer/Bengt Berger

1179
Bitter Funeral Beer/Bengt Berger(Ds, Xylophne, Music By Bengt Berger Based On Funeral Music From The Lo-Birifor, Sisaala And Ewe Peoples Of Ghana)(ECM 1179)(輸入盤) - Recorded January 1981. Anita Livistrand(Vo, Bells, Per), Tommy Adolfsson(Tp, Per), Thomas Mera Gartz(Vln, Ts, Ds), Tord Bengtsson(Vln, G), Don Cherry(Pocket Tp), Matthias Hellden(Cello, Per), Ulf Wallander(Ss, Ts), Sigge Krantz(G, B, Per), Jorgen Adolfsson(Vln, Ss, As), Christer Bothen(Ts), Bosse Skoglund(Ds, Per), Thomas Mera Gartz(Ds, Per), Christer Bothen(Bcl, Ts, Bells), Kjell Westiling(Ss, Bcl) - 1. Bitter Funeral Beer 2. Blekete 3. Chetu 4. Tongsi 5. Darafo

(02/06/06)アフリカはガーナの葬式の歌に基づく音楽、とのことで、ワールド・ミュージックそのもの、ややジャズのエッセンス、といったところ。ドン・チェリーの参加が目をひきます。1曲目は、厳かなメロディをバックにその雰囲気に合わせたジャズのインプロヴィゼーションの集合体、といった感じで進んでいきます。2曲目は打楽器奏者ばかりのメンバーによるアフリカン・ドラムの繰り返し叩きこまれるビートによるインプロヴィゼーション。4曲目はそれに重なるミュージック。3曲目はまたガーナらしい雰囲気のエキゾチックなサウンドにトランペットやエレキギターなどの西洋楽器が混ざっていきます。5曲目は何と22分台のアフリカンビートのワールド・ミュージックが続いていきます。ソロの面白さならばこの曲か。

Boss Organ/Melvin Rhyne Quartet

1080
Criss Crossレーベル順番聴き3日目。メルヴィン・ラインとピーター・バーンスタインの共演は何度目かになりますが、この2人の相性はけっこう良くて、そこに全曲ではありませんけれど、初期の頃のジョシュア・レッドマンが参加しているという構図、なかなかそそられるものがあります。本来オルガンジャズって私があまり得意としない分野なのですが、こういうメンバーでやられると、あまりコテコテという感じもせずにすんなりと聴けてしまいます。クァルテットという編成もこのアルバムの選曲には良く、ジョシュアの当時からの個性と存在感はなかなかのものがあるなあ、と感じました。


Boss Organ/Melvin Rhyne(Org) Quartet(Criss Cross 1080)(輸入盤) - Recorded January 6, 1993. Joshua Redman(Ts), Peter Bernstein(G), Kenny Washington(Ds) - 1. Hattush's Blues 2. Full House 3. You And I 4. Born To Be Blue 5. Shades Of Light 6. All God's Chillun Got Rhythm 7. Bear's Tune 8. Jeannine

(05/10/22)Melvin Rhyne作は1曲目のみ。他はスタンダード、ポップス、ジャズメン・オリジナルなど。興味深いメンバーです。非常にゆったりとした渋めのブルースでまさにオルガンを感じさせる1曲目、ウェス・モンゴメリー作の有名な曲を渋めにアーシーな感じで聴ける2曲目、スティーヴィー・ワンダーの曲をミディアム・アップテンポで楽しく料理している3曲目、オルガンでじっくりとバラードをやると渋くて独特な感じのする4曲目、ちょっと不思議なサウンドを感じるヒューバート・ロウズ作のやや陽性なナンバーの5曲目、アップテンポで各メンバーバリバリと演奏しまくる迫力のある6曲目、ちょっとラテンっぽい味付けが印象的な哀愁漂うサウンドの7曲目、デューク・ピアソン作の洗練されたカッコ良い曲を割とスマートに料理する8曲目。

2005/10/28

Codona 2/Collin Walcott, Don Cherry, Nana Vasconcelos

1177
Codona 2/Collin Walcott(Sitar, Tabla, etc), Don Cherry(Tp, etc), Nana Vasconcelos(Per, etc)(ECM 1177)(輸入盤) - Recorded May 1980. - 1. Que Faser 2. Godumaduma 3. Malinye 4. Drip-dry 5. Walking On Eggs 6. Again And Again, Again

(02/09/09)このメンバーでの2作目。無国籍的なワールド・ミュージックという感じは相変わらず。ナナ・ヴァスコンセロス作のワン・ノートで陽気にかつ淡々と進んでいく、トランペットとバックの対比が面白い1曲目、アフリカのトラディショナルだという、弦楽器のようなものでリズムが繰り返される小品の2曲目、ドン・チェリー作の素朴な味のあるメロディで大地を思わせるような、12分台の3曲目。この曲は中盤でヴォイスも入り後半パーカッション主体になり、スリリングで野性的(?)な進行。オーネット・コールマン作だけれどもパーカッシヴで原初的な4曲目、コリン・ウォルコット作の跳ねるような曲調の5曲目、同じく彼の作品でスペイシーで幽玄な雰囲気を持つ、想像力をかきたてるような静かな6曲目。

The Scheme Of Things/Scott Wendholt Quintet

1078
Criss Crossレーベル順番聴き2日目。Scott Wendholtなんて名前、ここではじめて聞きましたけれど、やっぱりこのレーベルで何枚かアルバムを出しているだけあって、なかなか今っぽくてやり手ではあります。ホーンの相棒にヴィンセント・ハーリング、ピアノにケヴィン・ヘイズとなると、全部の曲ではないにしても、その現代化路線をさらに推し進めたようなサウンドを聴くことができて、リーダーは日本ではまあ無名ながらも実力派だし、今のサウンドを堪能できました。5曲目のピアノレス・トリオでの「ラヴ・フォー・セール」については、ミュートで吹き倒していますが、これはどちらかと言うと懐かしい感触のサウンドでしたが。


The Scheme Of Things/Scott Wendholt(Tp, Flh) Quintet(Criss Cross 1078)(輸入盤) - Recorded January 3, 1993. Vincent Herring(As, Ss), Kevin Hays(P), Dwayne Burno(B), Billy Drummond(Ds) - 1. Cross Road 2. A Short Season 3. Birdlike 4. Soul Eyes 5. Love For Sale 6. As Night Falls 7. Garden View 8. You Don't Know What Love Is

(05/10/22)全8曲中Scott Wendholt作は4曲(1-2、6-7曲目)。今の作曲をする人でトランペットも今っぽいフレーズ。楽器のせいかフロントの音域が高めで勝負か。8分の6拍子と4分の4拍子の部分がある、都会的な雰囲気を醸し出している1曲目、淡い感じでちょっと浮遊感のある、でもソロはなかなか自己主張するボッサの2曲目、フレディー・ハバード作のアップテンポで勢いのある4ビートとソロの3曲目、マル・ウォルドロン作のしっとり感の強いバラードをワンホーンで演奏する4曲目、ピアノレス・トリオでミュートを効かせ、抑え気味のまま続く5曲目、多少浮遊気味ながら夢見心地のするメロディの6曲目、8分の6拍子でやや温かみがあって盛り上がる感じの7曲目、アップテンポでソロもけっこう飛ばしまくる8曲目。

2005/10/27

The Celestial Hawk/Keith Jarrett

1175
The Celestial Hawk/Keith Jarrett(P)(ECM 1175) - Recorded March 1980. Syracuse Symphony, Christopher Keene(Cond) - 1. First Movement 2. Second Movement 3. Third Movement

キース・ジャレット自ら作・編曲した曲をオーケストラと競演した作品。「オーケストラ、パーカッションとピアノのための」というサブタイトル。何とカーネギー・ホールにての録音です。表現形式としてはいわゆるクラシックのアルバムで、ピアノはおそらく書き譜だと思います。オーケストラのサウンドは分かりにくくはないけれど、現代的な響きを持って聴く人にせまってきます。1曲目はドラマチックな展開の合間にピアノの滑らかな音の連なりを聴くことができます。あまりゴンゴンとくる感じではありません。でも、メインはオーケストラのような気も。2、3曲目は当然の事ながら少し色合いが変わりますが、むしろ全体を1つの曲として流れで聴いていくような雰囲気があります。形式はどうあれ、やはりクラシック。

New York Calling/Eric Alexander Quintet

1077
Criss Crossレーベル順番聴き1日目。エリック・アレキサンダーもCriss Cross出身で、その後彼はどんどん有名になっていきましたが、その彼の(たぶん)初リーダー作。この時点でもう非凡な(と言ってもジョシュア・レッドマンあたりと比べるとどうか、という問題はありますが)高音域の多い、饒舌でメカニカルでメロディアスなフレーズで存在感を見せつけています。惜しいのはオリジナルがブルースを含めて2曲しかなかったことですが、けっこうスタンダードなどもその存在感で印象深く聴けました。やはり彼の人気は分かるような気がします。ベテランのリチャード・ワイアンズをピアノに据えて、ホーンの相棒にジョン・スワナを持ってくることの人選の良さもあったと思います。


New York Calling/Eric Alexander(Ts) Quintet(Criss Cross 1077)(輸入盤) - Recorded December 20, 1992. John Swana(Tp, Flh), Richard Wyands(P), Peter Washington(B), Kenny Washington(Ds) - 1. One For M 2. Here's That Rainy Day 3. The Moving Blues 4. Then I'll Be Tired Of You 5. Swedish Schnapps 6. Wives And Lovers 7. Skylark 8. In The Still Of The Night

(05/10/22)Eric Alexanderの作曲は1、3曲目のみ。彼の初登場作にして初リーダー作。高音中心のやや硬質なソロですが、いい感じ。今っぽい作りにして都会的に、しかもアップテンポで攻める1曲目に彼の特徴というか、良さを感じます。一転ミディアムでけっこうメロディアス、かつメカニカルなスタンダードの2曲目、気楽な感じでジャムっているような、ラフさがいいブルースの3曲目、バラードをワンホーンでメロディアスかつ饒舌に奏でていく4曲目、ちょっとアップテンポでなかなか陽気にせまってくる、それでいて彼のペースは崩さない5曲目、出だしからジャーンとでてきてその中をメロディが泳いでいく感じの6曲目、しっとり加減もなかなかのワン・ホーンでのバラードの7曲目、アップテンポの上をバリバリと吹いていく8曲目。

2005/10/26

G.I. Gurdjieff/Sacred Hymns/Keith Jarrett

1174
G.I. Gurdjieff/Sacred Hymns/Keith Jarrett(P)(ECM 1174) - Recorded March 1980. - 1. Reading Of Sacred Books 2. Prayer And Despair 3. Religious Caremony 4. Hymn 5. Ortodox Hymn From Asia Minor 6. Hymn For Good Friday 7. Hymn 8. Hymn For Easter Thursday 9. Hymn To The Endless Creator 10. Hymn From A Great Temple 11. The Story Of The Resurrection Of Christ 12. Holy Affirming - Holy Denying - Holy Reconciling 13. Easter Night Procession 14. Easter Hymn 15. Meditation

邦題「祈り~グルジェフの世界」。クラシック系のECM New Seriesが出はじめの頃なので、本当ならばそちらに入るようなアルバム。作曲者のG.I.グルジェフは、20世紀のロシアの神秘思想家という位置づけらしいのですが。 宗教色の強いタイトルの曲が15曲、荘厳な雰囲気でピアノでゆったりと奏でられていきます。曲のタイトルも「聖典」「祈祷」「儀式」「賛歌」「復活祭」「瞑想」などキリスト教のキーワードが随所にちりばめられています。現代の音楽なのにもっと古い時代の素朴な感触も。これは記譜された音楽ですが、キース・ジャレットの即興演奏のある部分と似ている、つまり、境目が見分けにくく、ほぼ同化している、とも言えます。こういう 宗教的要素の強いピアノも聴いていると落ち着きます。

2005/10/25

Solo Concert/Ralph Towner

1173
Solo Concert/Ralph Towner(G)(ECM 1173) - Recorded October 1979. - 1. Spirit Lake 2. Ralph's Piano Waltz 3. Train Of Thought 4. Zoetrope 5. Nardis 6. Chelsea Courtyard 7. Timeless

とてもギター・ソロとは思えない複雑なアルペジオやコードワークが見事。それをライヴでやってのけています。曲によって12弦ギターの変則チューニングとクラシックギターを交替で使用しているらしい。色彩感覚がすごく複雑で、しかもきれいなサウンド。その複雑なアルペジオが聴く人を幻影の彼方へと誘い込む1曲目、哀愁ただよう情感豊かなメロディが美しい2曲目、ところどころにタウナーのパッションの発露を聴くことができる3曲目、爽やかな草原の香りを感じる事ができる4曲目、有名な「ナーディス」が深い味わいをもって演奏される5曲目、素直に流れているのだけれどひとクセありそうな6曲目、場面によってスペイシーな印象のある感性度の高い7曲目。ちなみに2、7曲目はジョン・アバークロンビー作。(01年6月21日発売)

2005/10/24

Nude Ants/Keith Jarrett

1171
Nude Ants/Keith Jarrett(P, Per)(ECM 1171/72) - Recorded May 1979. Jan Garbarek(Ss, Ts), Palle Danielsson(B), Jon Christensen(Ds, Per) - 1. Chant Of The Soil 2. Innocence 3. Professional 4. Oasis 5. New Dance 6. Sunshine Song

邦題「サンシャイン・ソング」。ヨーロピアン・クァルテットのヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴで、全曲キース・ジャレットのオリジナル。CD2枚組で、長い曲が多いです。ブルージーでノリの良い、ビートが効いている17分台の1曲目、この1ヶ月前の録音の「パーソナル・マウンテンズ」でも演奏された、明るいメロディで親しみをもってせまってくる2曲目、エキゾチックな味を持ちながら浮遊感のある哀愁風味で、静かになったり盛り上がったりして進んでいく20分台の3曲目、30分もの長い演奏時間で、旋律が漂ってさまざまな表情に変化していく4曲目、タイトル通りダンサブルで明るい12分台の5曲目、美しいピアノやサックスがサウンドのドラマチックな展開と調和していく、邦題タイトル曲で12分台の6曲目。(02年9月19日発売)

2005/10/23

Folk Songs/Charlie Haden/Jan Garbarek/Egberto Gismonti

1170
新しいアルバムばかり追いかけていると、なかなか以前に聴いたアルバムコメントの手直し作業ができずにいます。先日、数ヶ月ぶりにECMのアルバムのコメント手直しを数枚やりました。なぜか私のところではいわゆるメインストリームの4ビートジャズが出てこないで、アラウンド・ジャズ的なアルバムばかりが出てきてしまいます(笑)。そこが今ひとつ、時流に乗れていない証拠なのかも。

今日紹介するアルバムも、実は4ビートなし、アメリカ、ノルウェイ、ブラジルのミュージシャンによる哀愁たっぷりの無国籍風の音楽(ジャズという言葉は使わない方がいいかも)です。どちらも’70年代末の録音。ただ、この3人の強力な哀愁のメロディやまったりした絡み合いというのも、なかなか他では聴けないんじゃないかとも思います。


Folk Songs/Charlie Haden(B)/Jan Garbarek(Ts, Ss)/Egberto Gismonti(G, P)(ECM 1170) - Recorded November 1979. - 1. Folk Song 2. Bodas De Prata 3. Cego Aderaldo 4. Veien 5. Equilibrista 6. For Turia

同じメンバーでの半年ぶり2作目。今回はエグベルト・ジスモンチ作が3作あるので、彼がメインか。からっとしたサックスと、粘り気のあるベースと、アルペジオ的なギターとピアノが、一種沈んだ、また叙情的なサウンドを奏でているのは印象に残ります。1曲目はトラディショナルを3人でアレンジしたものですが、沈潜した哀愁のメロディを軸に自由に絡み合ってゆったり進んでいく感じ。ピアノも含めてそこはかとない哀しみと優しさを感じる2曲目、素早いマイナーのパッセージとそのヴァリエーション、そして大らかな長調の場面が印象的な3曲目、サックスの淡々とした語りとギターの絡みが美しい4曲目、バックの演奏から浮かび上がるサックスのメロディの5曲目、いかにもチャーリー・ヘイデン作らしい哀愁いっぱいの6曲目。

2005/10/22

Aftenland/Jan Garbarek, Kjell Johnsen

1169
Aftenland/Jan Garbarek(Ts, Ss, Wood Fl), Kjell Johnsen(Pipe Organ)(ECM 1169)(輸入盤) - Recorded December 1979. - 1. Aftenland 2. Syn 3. Limje 4. Bue 5. Enigma 6. Kilden 7. Spill 8. Iskirken 9. Tegn

(99/01/16)パイプ・オルガン(ハモンドオルガンではありません)と管楽器のデュオ。他ではあまり聴くことができないだろうなあ、と思いつつ。全曲2人での作曲なので、完全即興演奏の可能性は高いです。ジャズ的かというと微妙なところですが、インプロヴィゼーションのエッセンスは感じることができます。曲によってサウンドに変化があり、時間とともにサウンドの表情の移ろいを聴いていくのも面白いかも。1曲目のタイトル曲では、オルガンの荘厳な雰囲気とともにサックスが深みのあるメロディで非常にゆったりと絡んでいきます。他の曲でもソプラノ・サックス、テナー・サックス、ウッド・フルートと楽器を持ちかえつつ、落ち着いた世界を表現しています。ごくたまに不安感を誘ったり、激しい部分も あります。

2005/10/21

Octet/Music For A Large Ensemble/Violin Phase/Steve Reich

1168
Octet/Music For A Large Ensemble/Violin Phase/Steve Reich(ECM (New Series) 1168)(輸入盤) - Recorded February 1980. Russ Hartenberger(Marimba), Glen Velez(Marimba), Gary Schall(Marimba), Richard Schwarz(Marimba), Bob Becker(Xylophones), David Van Tieghem(Xylophones), James Preiss(Vib), Nurit Tilles(P), Edmund Niemann(P), Larry Karush(P), Steve Reich(P), Jay Clayton(Vo), Elizabeth Arnold(Vo), Shem Guibbory(Vln), Robert Chausow(Vln), Ruth Siegler(Viola), Claire Bergmann(Viola), Chris Finckel(Cello), Michael Finckel(Cello), Lewis Paer(B), Judith Sugarman(B), Virgil Blackwell(Cl, Bcl, Fl, Piccolo), Richard Cohen(Cl), Mort Silver(Cl, Bcl, Fl, Piccolo), Ed Joffe(Ss), Vincent Gnojek(Ss), Douglas Hedwig(Tp), Marshall Farr(Tp), James Hamlin(Tp),

(02/08/04)スティーヴ・ライヒ作の現代音楽でミニマル・ミュージック。編成の異なる3曲を演奏していて、それぞれが15-17分ほど。1曲目は大編成による演奏で、同じフレーズの反復の中で、少しずつサウンドの表情が変わっていきます。2曲目はヴァイオリンの演奏で、多重録音。やはり反復された演奏が変化しながらひたすら続きます。3曲目は8人編成による演奏。執拗な反復により変化していく傾向は、やはり同じです。

2005/10/20

Full Force/Art Ensemble Of Chicago

1167
Full Force/Art Ensemble Of Chicago(ECM 1167) - Recorded January 1980. Lester Bowie(Tp, etc.), Joseph Jarman(Sax, etc.), Roscoe Mitchell(Sax, etc.), Malachi Favors Maghostus(B, etc.), Famoudou Don Moye(Per, etc.) - 1. Magg Zelma 2. Care Free 3. Charlie M 4. Old Time Southside Street Dance 5. Full Force

全曲メンバーそれぞれの、あるいは全員によるオリジナル。1曲目は何と19分台の曲。静かな場面から徐々に哀愁が漂いながら盛り上がりをみせ、フリーに突入する曲の展開で、動物の鳴き声を模するような場面もあり、様々なインストルメンツによる効果音的なサウンドが、このグループならではの表現力。ECMらしく、特に静かな場面でのパーカッションの音が深いです。曲としてよりも物語を聴いているような気分。アンサンブルとしてまとまっている小品の2曲目を経て、マイナー調のブルースを聴いているような渋めの4ビートの3曲目、アップテンポのテーマの次にサックスの咆哮やメロディがあらわれて勢いがかなりある4曲目、浮遊感があって自由な展開をする、タイトル曲でフリー・インプロヴィゼーションの5曲目。

2005/10/19

Shift In The Wind/Gary Peacock

1165
Shift In The Wind/Gary Peacock(B)(ECM 1165)(輸入盤) - Recorded February 1980. Art Lande(P), Eliot Gigmund(Ds) - 1. So Green 2. Fractions 3. Last First 4. Shift In The Wind 5. Centers 5. Caverns Beneath The Zoth 6. Valentine

7曲中、ゲイリー・ピーコック作が3曲、3人のインプロヴィゼーションが2曲。変わったメンバーの取り合わせですが、ここではやはりゲイリーを中心としたサウンドで、ピアノの個性もやや強め。アート・ランディ作の端正で静かなピアノのテーマと、自由なベースとの対比が面白い1曲目、表情を自在に変えていき、それでいて緻密な感じもあるフリーの2曲目、テーマが哀愁を帯びていて、静かな場面から各ソロの波を経ながらメロディアスに物語性のある進行の3曲目、ゲイリーの作曲ではあるけれどもフリー色がかなり強いタイトル曲の4曲目、インプロヴィゼーションでありながらカッチリ構築されているような5曲目、スペイシーで内省的な世界が展開し、中間部で盛り上がる6曲目、サウンドの対比は1曲目に似ている7曲目。

2005/10/18

Journal October/David Daring

1161
Journal October/David Daring(Cello, Voice, Per)(ECM 1161)(輸入盤) - Recorded October 1979. - 1. Slow Return 2. Bells And Gongs 3. Far Away Lights 4. Solo Cello 5. Minor Blue 6. Clouds 7. Solo Cello 8. Solo Cello And Voice 9. Journal October, Stuttgart

(99/07/10)多重録音も駆使したソロのアルバム。ジャズというよりはクラシックの曲を聴いているような荘厳な曲もありますが、曲によってイメージが違うので、後の彼のアルバムのようにもう少し統一性が欲しい気も。それでもヨーロッパの暗い森の中を連想させるサウンドはあるようです。全体的にジャズ度は希薄。確かにテクニック的には素晴らしいものがあるのですが。1曲目は12分の大作で、多重録音で表現。2曲目はその名の通りベルとゴングが鳴った非常に短い曲。4、7曲目はなるほど、チェロのソロの曲。5曲目は哀愁漂うメロディが印象的。曲名通りのイメージの6曲目、空間の中を漂っていくようなタイトル曲の9曲目。深い音場空間に身をまかせる、という聴き方が正しいのかも しれません。

Cream Of The Crescent/Herlin Riley

1272
Criss Crossレーベル新譜聴き5日目で最終日。このアルバム、このレーベルで何とウィントン・マルサリスが全曲とは言わないまでも、多くの曲に参加しているところがミソで、しかもメンバーを見ると彼のバンドのメンバーがそのまま参加しているようですね。こうなってくると事実上のリーダーは彼ではないのか、と疑いたくなるのも心情ですが、作曲はドラマーのハーリン・ライリーがほとんど手がけています。まあ、強い影響下にあるのは確かでしょうけれども、内容が良ければそれで良し、ということで。ラストの曲がニューオリンズタッチですが、ウィントンの最近の傾向のあまり懐古趣味に入り込むこともなく、演奏はそれなりに面白かったでした。


Cream Of The Crescent/Herlin Riley(Ds)(Criss Cross 1272)(輸入盤) - Recorded October 10, 2004. Wycliffe Gordon(Tb), Wynton Marsalis(Tp), Victor Goines(Ts, Ss, Cl), Eric Lewis(P), Reginald Veal(B) - 1. Bird Life 2. Ti Ci Li 3. Need Ja Help 4. Cream Of The Crescent 5. To Those We Love So Deaply 6. Profit Stop 7. Trouble In Treme 8. Dancing With Desire 9. Trombone Joe

(05/10/15)全9曲中Herlin Riley作は8曲、5曲目のみVictor Goines作。そのまんまウィントン・マルサリスのメンバーという感じ。ノリの良いラテン哀愁調の1曲目、キメの多いテンポの良い曲にホーンやピアノがかなり自由に舞い飛んでいる2曲目、ミディアムのちょっと土着っぽい感じでユーモラスなトランペットも聴ける3曲目、アップテンポでマイナー調、ノリの良さと押しの強さ(変拍子まじり?)のあるタイトル曲の4曲目、静かなドラミングをバックに切なくトロンボーンとピアノが歌うバラードの5曲目、やや速いテンポの懐かしいメロディとハーモニーから盛り上がる6曲目、ファンク的な8ビートで少しユーモアも交える7曲目、ラテンタッチでメロディアスに突き進んで行く8曲目、ラストはニューオリンズジャズで締めくくっている9曲目。

2005/10/17

Home/Steve Swallow

1160
Home/Steve Swallow(B)(ECM 1160) - Recorded September 1979. Sheila Jordan(Voice), Steve Kuhn(P), David Liebman(Sax), Lyle Mays(Synth), Bob Moses(Ds) - 1. Some Echoes 2. "She Was Young" 3. "Nowhere One..." 4. Colors 5. Home 6. In The Fall 7. "You Did't Think..." 8. Ice Cream 9. Echo 10. Midnight

ジャズと、ロバート・クリーリーの詩のコラボレーション。 曲はスティーヴ・スワロウ作。それぞれの曲に短い詩がついていて、シーラ・ジョーダンが歌っています。映画音楽のようなしっとりした曲にサックスがけっこう自由に絡んでいる1曲目、ジャジーなワルツで美しいピアノを聴ける2曲目、やはりしっとりした曲でほんのりとジャズ色がうれしい3曲目、テンポの良い曲にサックスが暴れまわって、ピアノがややアウトしている4曲目、スローなジャズで雰囲気の出ているタイトル曲の5曲目、浮遊感のあるバックにはっきりとしたサックスが響き渡る6曲目、スローでジャジーな曲調がうれしい7曲目、出だしでベースのソロが前面に出ていてノリの良い8曲目、軽いラテン調でせまる9曲目、ピアノがささやきかけてくる10曲目。

Conclave/Brian Lynch Latin Jazz Sextet

1271
Criss Crossレーベル新譜聴き4日目。今日はブライアン・リンチのリーダー作でラテン・ジャズです。とは言いつつ、フロントの2人はジャズ畑。でも、ラテン作も何枚目かになるので、ラテンに同化している感じは強いです。リズム陣は完全にラテン。ピアノも名前を見るとモロにラテン系かなと思わせるのですが、コンテンポラリージャズのフレージングもかなり出てくるので、それがサウンドの印象を都会的なラテンジャズに引っ張っている要因なのかなと思わせます。また、作・編曲もシャープでキメの多い曲が多く、洗練されている感じではあります。そんな中で2曲目のようにややスローなキューバン・ジャズ系の哀愁漂う曲があると、ホッとしたりしますが。


Conclave/Brian Lynch(Tp) Latin Jazz Sextet(Criss Cross 1271)(輸入盤) - Recorded October 14, 2004. Ralh Bowen(Ts), Luis Perdomo(P), Boris Kozlov(B on 1, 3-4, 7), Ruben Rodriguez(B on 2, 5-6, 8), Ernesto Simpson(Ds), Roberto Quintero(Per) - 1. Tom Harrell 2. La Sitiera 3. J.B's Dilemma 4. Across The Bridge 5. Liberated Brother 6. La Mulata Rumbera 7. Awe Shocks 8. Invitation

(05/10/15)全8曲中Brian Lynch作は1,3-4、7曲目。他はラテンの曲やスタンダード。ピアノも今風ラテンか。さすがにノリは良い。そのノリの良さでトム・ハレルに捧げるやや都会的なメロディとサウンドを持つ1曲目、キューバ・サウンドのようでスローな味わいと哀愁のあるメロディの2曲目、キメの多いテーマとマイナー系ですが元気に駆けめぐるソロの応酬が面白い感じの3曲目、複雑なベースラインとテーマを持っていて、迷宮的にかけ合わされていくような今っぽいサウンドの4曲目、ポップスのようなメロディを持っているラテンサウンドの5曲目、哀愁まじりでシャープかつリズムがキマるテーマがカッコ良い6曲目、やはり着々と前進しつつある感じのスリリングな7曲目、有名な曲をやや一歩引いた感じで仕上げる8曲目。

2005/10/16

Swimming With A Hole In My Body/Bill Connors

1158
Swimming With A Hole In My Body/Bill Connors(G)(ECM 1158) - Recorded August, 1979. - 1. Feet First 2. Wade 3. Sing And Swim 4. Frog Stroke 5. Surrender To The Water 6. Survive 7. With String Attached 8. Breath

邦題「水と感傷」。ビル・コナーズのソロアルバム。ジャケットのような深い緑色をあらわすかのようなギター・サウンドです。比較的静かな中をきっちりとメロディアスに演奏していく、ジャズとクラシックの中間にあるような1曲目。中間色の水彩画のような淡い味わいを持つ2曲目、内省的ではあるけれどもきれいなメロディやアルペジオの3曲目、彼ならではの演奏の中にもユーモラスな面を感じる4曲目、ギターのみの演奏ながら重厚かつドラマチックに感じる10分台の5曲目、やや緊張感を伴いながらサッと2分ほどで終わってしまう6曲目、淡々としながらも哀愁を漂わせている7曲目。ギターの伴奏を背景にせまりくる短調のギターのメロディは、やはりジャケットのイメージに近いかなと思う8曲目。(01年6月21日発売)

Returning/Alex Sipiagin

1270
Criss Cross新譜聴き3日目。分かりやすいメロディが出てくることもありますが、それを取り巻くサウンドが複雑なメロディやハーモニー、リズム、ソロなどで、4ビートの部分がいっさいないことからも、かなり独特な雰囲気を持っています。パット・メセニー・グループのドラマーのアントニオ・サンチェスがまず非ジャズ的であって、それに他のメンバーも追随していく感じ。ジャズでパット・メセニー・グループをやってみると、こんな感じかな、ちょっと違うかな、というようなイメージかも。それでもギターのアダム・ロジャースは、メカニカルな独自路線を行きますが、リーダー作よりはソフトな感触。面白いと思う人と、ナンダこれ、と思う人とはっきり分かれるのでは、と思います。私はこの路線、好きですが。


Returning/Alex Sipiagin(Tp, Flh)(Criss Cross 1270)(輸入盤) - Recorded October 11, 2004. Seamus Blake(Ts), Adam Rogers(G), Scott Colley(B), Antonio Sanchez(Ds) - 1. Returning 2. Extra Change 3. Miniature 4. Pictures 5. Snova(Choba) 6. Son Of Thirteen 7. Turn Out The Stars

(05/10/15)Alex Sipiaginの作曲は全7曲中1-4曲目。5-6曲目にパット・メセニーの、7曲目にビル・エヴァンスの曲。なかなか個性的なメンバーとサウンドで、Antonio Sanchezはパット・メセニー・グループのドラマー。変拍子で意外に渋くて淡い感触を持っているタイトル曲にしてはちょっと地味な1曲目、不思議な浮遊感を持ったテーマとアドリブで静かなバラードから中間部で盛り上がる2曲目、ちょっと無機質で淡色系のサウンドを持っている、起伏とフリーな雰囲気もある3曲目、砂上の楼閣のような微妙なバランス感覚の上に成り立っている繊細な4曲目、メロディがすんなり耳に入ってきてボッサ色のある5曲目、ややアップテンポのラテンリズムの部分が中心の6曲目、有名な曲を幻想的な味付けで表現している7曲目。

2005/10/15

Jack DeJohnette New Directions In Europe

1157
Jack DeJohnette(Ds, P) New Directions In Europe(ECM 1157) - Recorded June 9, 1979. John Abercrombie(G), Lester Bowie(Tp), Eddie Gomez(B) - 1. Salsa For Eddie G. 2. Where Or Wayne 3. Bayou Fever 4. Multo Spiliagio

スイスでのライヴ録音。以前出た「ニュー・ダイレクションズ」と2曲 (2-3曲目)重なっています。4曲目が4人のフリー・インプロヴィゼーションの他は、全てジャック・ディジョネットの作曲。出だしで長いドラム・ソロがあって、その後に印象的なテーマ(5拍子?)、ラテンタッチのアドリブ部分と続き、哀愁を感じつつノリの良い8分の7拍子の16分台の1曲目。哀愁のあるテーマで、ロックビート的な部分、静かな部分を経て、メンバーがソロをとりながらラストでまとまる12分台の2曲目、厳かな長めのピアノではじまり、やはり切なげなメロディが展開していき、時々盛り上がりながらマイナーのまま淡々と進んでいく18分台の3曲目、かなりスピーディーなインプロヴィゼーションがスリリングに展開していく4曲目。

Grant Stewart + 4

1269
Criss Crossレーベル新譜聴き2日目。今日のグラント・スチュワート、ややメロディアスながらもメカニカルな面を残していると思っていましたが、ここで共演しているジョー・コーン(G)がバリバリのオーソドックスなバッパーなので、それに引きずられるような感じでバップしているのがけっこう楽しいです。そして、ピアノにはあのビル・チャーラップのクレジットもあります。グラントのオリジナルがなくてスタンダードとジャズメン・オリジナルが中心ですが、全体的に懐かしい方面のモダン・ジャズに振れているところなど、けっこういい雰囲気なんじゃないかと思います。もちろん、サックスもバリバリ吹いています。


Grant Stewart(Ts) + 4(Criss Cross 1269)(輸入盤) - Recorded October 7, 2004. Joe Cohn(G), Bill Charlap(P), Paul Gill(B), Willie Jones 3rd(Ds) - 1. You 'N' Me 2. Yesterdays 3. Cohn On The Cob 4. Limehouse Blues 5. The Folks Who Live On The Hill 6. Sabia 7. Lonely Town 8. You Leave Me Breathless

(05/10/10)Grant Stewartの曲はなく、スタンダードが多め。興味深いメンバーです。ジョー・コーンはアル・コーンの息子で、オーソドックスなギター。バップで明るい速いメロディのテーマのアル・コーン作の1曲目で、ややメカニカルながらも明るい雰囲気のサックスを聴かせます。ミディアムでメロディに味わいの感じるサウンドを醸し出す2曲目、ジョー・コーン作のやや浮遊感のあるテーマながらソロでは渋さも残す3曲目、ブルースと言うにはサーカスにいるような雰囲気のテーマでソロはアップテンポでスリリングな4曲目、朗々と歌い上げていくバラードの5曲目、A.C.ジョビン作のボッサでそこはかとない哀愁のある6曲目、サックスを含め、ソロの雰囲気がでている7曲目。アップテンポのやや明るい曲の8曲目で幕を閉じます。

2005/10/14

Around 6/Kenny Wheeler

1156
Around 6/Kenny Wheeler(Tp, Flh)(ECM 1156)(輸入盤) - Recorded August 1979. Evan Parker(Ss, Ts), Eje Thelin(Tb), Tom Van Der Geld(Vib), J.F. Jenny-Clark(B), Edward Vesala(Ds) - 1. Mai We Go Round 2. Solo One 3. May Ride 4. Follow Down 5. Riverrun 6. Lost Woltz

(99/03/12)全曲ケニー・ホイーラーの作曲。3管セクステットなのですが、通常の3管ハーモニーより、もっと透明で冷めた世界がそこに広がります。アンサンブルとしてきれいな部分も。やや憂いを帯びた表情での透明感のあるホイーラーのソロと、フリーなサックスのソロが展開されていく10分台の1曲目、ホイーラーのソロのみによる研ぎ澄まされたメロディの2曲目、8分の6拍子のシンプルな曲でやや浮遊感を伴いながら各ソロパートがメロディを展開していく3曲目、緊張感のある妖しげなハーモニーのテーマの後に、中間部でフリーに突入する11分台の4曲目、テーマはゆったり、寒色系の展開ながらECM流の自由なジャズをしている5曲目、哀愁を感じる3管のテーマのある3拍子系の6曲目。

Obligation/Conrad Herwig

1268
Criss Crossレーベルで久々に新譜が出たので、また紹介していきます。まず、コンラッド・ハーヴィックのアルバムですが。この人メカニカルにバリバリと吹く印象があって、相棒にシーマス・ブレイク、ギターにこのレーベルでは珍しくマーク・ホイットフィールドで、この3人でどうなっちゃうんだろう、という気もしましたが、オルガンジャズになっていて、ちょっとルーズな感じに引き戻してうまくバランスが取れているような気がします。それでも、個々のソロなどを見ていると、場面によって吹きまくり、弾きまくりになっていて、聴いていて楽しい部分ではあります。もちろん、抑え気味にバラードやスローの曲もあって、全曲オリジナルにしてはバランスがうまく考えられている感じです。


Obligation/Conrad Herwig(Tb)(Criss Cross 1268)(輸入盤) - Recorded October 9, 2004. Seamus Blake(Ts, Ss), Mark Whitfield(G), Kyle Koehler(Org), Gene Jackson(Ds) - 1. Forget About Me 2. Solid Ground 3. Lazy Bones 4. Lua Flora 5. Obligation 6. Tell Me A Riddle 7. The Blue Shore Of Silence

(05/10/10)全曲Conrad Herwigの作曲。珍しくオルガンを加えたクインテットなのでいつも彼とは反対にややルーズな感じか。ギターのMark Whitfieldの参加も珍しい。ジャズロックのようなノリでちょっと渋めに、それでいてホーンのソロはバリバリと吹いて、後半はブローイング大会もある1曲目、ハーモニーやメロディが淡色系のワルツで、リラックスつつ盛り上がるソロの2曲目、曲名どおりレイジーな感じでマイナーなブルースの3曲目、アコースティック・ギターが基調でしっとりと哀愁深く奏で上げていくバラード、後半ボッサの4曲目、トロンボーンとドラムスのデュオをはさんで速いパッセージでソロが応酬するタイトル曲の5曲目、ちょっと早めの4ビートでオーソドックスな6曲目、淡いメロディでややスローな演奏の7曲目。

2005/10/13

American Garage/Pat Metheny Group

1155
American Garage/Pat Metheny Group(G)(ECM 1155) - Recorded June 1979. Lyle Mays(P), Mark Egan(B), Dan Gottlieb(Ds) - 1. (Cross The) Heartland 2. Airstream 3. The Search 4. American Garage 5. The Epic

全曲パット・メセニーとライル・メイズの合作。比較的初期の大らかな明るいパット・メセニー・グループを聴くのにはいいかも。しっかり彼ら流のフュージョングループしています。1曲目は全体的に明るいノリが良く、爽やかで印象的ですが、中間部のベースのソロも味わいがあります。広がりのあるテーマを持っていてアメリカの大地や空を感じることができるような2曲目、やはり彼らのグループらしいメロディがつまっていて、繊細なライルのピアノも美しい3曲目、ロックのテイストもあふれていて、ビートの効いたノリの良さで勝負しているタイトル曲の4曲目、サウンドの変化していく具合が何ともカッコ良くて、ある時はシャープ、ある時はソフトな印象のある12分台の5曲目。ECMのレーベルカラーとは異なる感触。(02年9月19日発売)

2005/10/12

Old And New Dreams/Don Cherry/Dewey Redman/Charlie Haden/Ed Blackwell

1154
Old And New Dreams/Don Cherry(Tp, P)/Dewey Redman(Ts, Musette)/Charlie Haden(B)/Ed Blackwell(Ds)(ECM 1154) - Recorded August 1979. - 1. Lonely Woman 2. Togo 3. Guinea 4. Open Or Close 5. Orbit Of La-Ba 6. Song For The Whales

オーネット・コールマン・グループ出身の4人による演奏なので、スゴい顔ぶれ。オーネットの曲が2曲と、メンバーが1曲ずつ提供しています。オーネット系ではありますが、ECMの中では久しぶりにジャズらしいジャズに出会った気が 。1曲目がいきなり12分台の「ロンリー・ウーマン」で、モーダルで暗いグループの雰囲気が出ています。キーワードはチャーリー・ヘイデンのもったりしたベースか。ガーナのトラディショナルが元ネタの、哀愁のテーマとアフリカンなドラミングが印象的な2曲目、素朴なホーンのフレーズが心にしみる3曲目、オーネット色満載の、アップテンポでの4ビートの4曲目、ミュゼット(楽器)がエキゾチックな響きをもたらす5曲目、ベースその他の楽器で鯨の鳴き声を模しているメッセージ色の強い6曲目。

2005/10/11

Old Friends, New Friends/Ralph Towner

1153
Old Friends, New Friends/Ralph Towner(G, P, French Horn)(ECM 1153)(輸入盤) - Recorded July 1979. Kenny Wheeler(Tp, Flh), Eddie Gomez(B), Michael DiPasqua(Ds, Per), David Darling(Cello) - 1. New Moon 2. Yesterday And Long Ago 3. Celeste 4. Special Delivery 5. Kupala 6. Beneath An Evening Sky

全曲ラルフ・タウナーのオリジナル。チェロとトランペットと、ナイロン弦(あるいは12弦)のアコースティック・ギターが響く、ちょっと変わったアンサンプル。ゆったりと流れるような演奏が多く何とも心地よい感じです。 薄暮のミステリアスさを残しつつたゆたうように進んでいく、トランペットが鋭くて哀愁も漂う1曲目、メロディとギターのアルペジオが綾織のように絡みながら複雑な色合いをなす2曲目、ピアノの響きやトランペットのメロディが美しいバラードの3曲目、やや急速調なフレーズの部分もあって、ラテン的な哀愁を感じるちょっと賑やかな4曲目、エキゾチックさを残しつつ、妖しげな光を放つ浮遊感のあるサウンドの5曲目、映画音楽のような荘厳な出だしを持ち、しっとりとギターが奏でていく6曲目。

2005/10/10

Special Edition/Jack DeJohnette

1152
Special Edition/Jack DeJohnette(Ds, P, Melodica)(ECM 1152) - Recorded March 1979. David Murrey(Ts, Bcl), Arthur Blythe(As), Peter Warren(B, Cello) - 1. One For Eric 2. Zoot Suite 3. Central Park West 4. India 5. Journey To The Twin Planet

その後メンバーを変えながら長く活動する事になるスペシャル・エディションのファースト・アルバム。当時のメンバーはそうそうたるメンバーです。 5曲中3曲はジャック・ディジョネットのオリジナル。1曲目は出だしのバス・クラリネットでのエキゾチックなソロがスリリングな、けっこう明るくて分かりやすいテーマが印象的。そして広いスペースの中をやや過激に舞い踊るホーンのソロ。ユーモラスで個性的なテーマを持つ、ちょっと引っ掛かりを持つリズムで中途に静かな場面のある11分台の2曲目。3曲目と4曲目はジョン・コルトレーンの曲。美しいハーモニーの3曲目、そしてちょっと軽めでエキゾチックな「インディア」の4曲目。そして静かな場面やアグレッシヴな場面があって、ドラマチックに展開していく5曲目。

2005/10/09

Magico/Charlie Haden, Jan Garbarek, Egberto Gismonti

1151
新しいアルバムばかり追いかけていると、なかなか以前に聴いたアルバムコメントの手直し作業ができずにいます。先日、数ヶ月ぶりにECMのアルバムのコメント手直しを数枚やりました。なぜか私のところではいわゆるメインストリームの4ビートジャズが出てこないで、アラウンド・ジャズ的なアルバムばかりが出てきてしまいます(笑)。そこが今ひとつ、時流に乗れていない証拠なのかも。

今日紹介するアルバムも、実は4ビートなし、アメリカ、ノルウェイ、ブラジルのミュージシャンによる哀愁たっぷりの無国籍風の音楽(ジャズという言葉は使わない方がいいかも)です。どちらも’70年代末の録音。ただ、この3人の強力な哀愁のメロディやまったりした絡み合いというのも、なかなか他では聴けないんじゃないかとも思います。


Magico/Charlie Haden(B), Jan Garbarek(Sax), Egberto Gismonti(G, P)(ECM 1151) - Recorded June 1979. - 1. Bailarina 2. Magico 3. Silence 4. Spor 5. Palhaco

アメリカ、ノルウェイ、ブラジルのミュージシャンによる、無国籍的というか多国籍的というか、そんな感じのアルバム。面白い組み合わせ。ここではエグベルト・ジスモンチの独特なギターとピアノが全体の雰囲気に彩りを添えています。 1曲目以外はメンバーそれぞれのオリジナル。1曲目は ブラジルの作曲家の手になるものだと思いますが、しっとりとして、サックスのゆったりとした明るく、時に影が射し込む情景が変わったり、ギターとベースで音の森の中に迷い込むような、ドラマチックな14分台の 1曲目、幻想的でたゆたうようなメロディとサウンドで進んでいくタイトル曲の2曲目、へイデン作の寂寥感が漂う静かなバラードの3曲目、ガルバレク作でもやはり浮遊感のある4曲目、素朴で爽やかなメロディで包みこむ5曲目。

2005/10/08

Eyes Of The Heart/Keith Jarrett

1150
Eyes Of The Heart/Keith Jarrett(P, Ss, etc.)(ECM 1150) - Recorded May 1976. Dewey Redman(Ts, Per), Charlie Haden(B), Paul Motian(Ds, Per) - 1. Eyes Of The Heart (Part One) 2. Eyes Of The Heart (Part 2) 3. Encore (a-b-c)

邦題「心の瞳」。全曲キース・ジャレットの作曲、そしてライヴ録音。このメンバーではECMでは2作目。1曲目(17分)はパーカッションではじまり、前半は素朴で牧歌的なサックスの音が徐々に他のパートと絡み合い、後半で叙情的な哀愁を帯びたピアノが浮かび上がって暗めの色調で盛り上がっていく構図。2曲目(15分)も前から続くようにピアノではじまり、出口を探すような短調のフレーズが続く前半部分、サックスその他の楽器が加わってきて山場があり、物語を完結に導いていくようなドラマチックな後半部分。3曲目(18分)は3つの曲がつながっているようで、8ビートのジャズロック調ではじまり、明るめな自由なビートから速い4ビートになる中間部、情感漂う穏やかなソロピアノと続いていきます。(02年9月19日発売)

2005/10/07

Journal Violone 2/Barre Phillips

1149
Journal Violone 2/Barre Phillips(B)(ECM 1149)(輸入盤) - Recorded June 1979. John Surman(Ss, Bs, Bcl, Synth), Aina Kemanis(Voice) - 1. Part 1 2. Part 2 3. Part 3 4. Part 4 5. Part 5 (To Aquirax Aida) 6. Part 6

(02/07/27)ベース、ホーンとヴォイスという変わった編成のアルバムで、全曲バール・フィリップスの作曲。ドラムスはいないのですが、何となくビート感を感じるような、軽快に舞い飛ぶようなフレーズの明るい1曲目、浮遊感のあるスペイシーなテーマが印象的で、語りかけてくるような演奏の2曲目、静かさを基調としながらも、自由度の高いインプロヴィゼーションが繰り広げられる3曲目、移動しながら持続するヴォイス、シンセサイザーをバックにホーンが絡んでいくという構図の4曲目、このアルバムの中ではテンポも速めで緊張感のある5曲目、ホーンやヴォイスがメロディアスに走り回って、後半ベースも出てくるややドラマチックな11分台の6曲目。ヴォイスがカギで、エコーが深めに効いていて、いい空間です。

2005/10/06

Upon Reflecttion/John Surman

1148
Upon Reflecttion/John Surman(Ss, Bs, Bcl, Synth)(ECM 1148)(輸入盤) - Recorded May 1979. - 1. Edges Of Illusion 2. Filigree 3. Caithness To Kerry 4. Beyond A Shadow 5. Prelude And Rustic Dance 6. The Lamplighter 7. Following Behind 8. Constellation

(02/02/09)ジョン・サーマンのECMでの最初のアルバムで、曲によりシンセサイザーも交えた一人多重録音という形態。ジャズというよりはヒーリング系を連想。そのちょっと古めかしいシンセサイザーですが、その音を効果的に哀愁をたたえて使っているのが10分台の1曲目。この曲が彼の今後の方向性を示しているように思えます。繰り返されるリフの上を漂うホーンの浮遊感が印象的な2曲目、ひたすらソプラノサックス1本でメロディが奏でられている3曲目、やや不安定な和音の進行の上を右に左にとソロが進んでいく4曲目、アンサンブルがきれいでメロディアスな5曲目、シンセサイザー浮遊系やや哀愁路線の6曲目、エコーを効かした小品の7曲目、やはりシンセサイザーの上を飛び交う8曲目。

2005/10/05

Saudages/Nana Vasconcelos

1147
Saudages/Nana Vasconcelos(Per, Voice, G, etc)(ECM 1147)(輸入盤) - Recorded march 1979. Egberto Gismonti(G), Members of Radio Synphony Orchestra, Stuttgart. - 1. O Berimbau 2. Vozes(Saudages) 3. Ondas (Na Ohlos De Petronila) 4. Cego Aderldo 5. Dado

(01/01/14)ナナ・ヴァスコンセロスのソロにオーケストラがところによって絡んでくるアルバム。ストリングス・アレンジはエグベルト・ジスモンチ(曲も1曲参加とともに提供(4曲目))とのこと。1曲目は18分台の大曲ですが、ビリンバウ(パーカッション)の出だしから、ストリングスが加わって、パーカッションの響きも美しい展開。中盤部のパーカッションの静かな洪水とストリングスが交互にせまります。2曲目は多重録音(ディレイ?)によって浮遊感覚のあるヴォイスと背後に流れるストリングス。3曲目はパーカッションの多重録音の上にヴォイスやゴングがかぶさり、まさに彼独自の世界が展開。4曲目はジスモンチのギターと、パーカッションの語り合いによる10分台の曲。5曲目はおそらくビリンバウのみで勝負しています。

2005/10/04

First Meeting/Miroslav Vitous

1145
First Meeting/Miroslav Vitous(B)(ECM 1145) - Recorded May 1979. John Surman(Ss, Bcl), Kenny Kirkland(P), Jon Christensen(Ds) - 1. Silver Lake 2. Beautiful Place To 3. Trees 4. Recycle 5. First Meeting 6. Concerto In Three Parts 7. You Make So Happy

5曲目が4人によるインプロヴィゼーションの他は、全曲ミロスラフ・ヴィトウスのオリジナル。ケニー・カークランドが意外な人選 ですが、非常に美しいピアノ。全体のサウンドもECMの基本路線でいっています。牧歌的にはじまったと思ったら、不思議な冷めた色合いで徐々に盛り上がり、ベースのアルコも印象的な10分台の1曲目、ゆったりとしたメロディのバラードでの美しい2曲目、きらめくようなピアノの伴奏の上を漂うサックス、語り合うベースの3曲目、各メンバーの緊張感あるやり取りが心地良い、ややハードな10分台の4曲目、フリーにしてはけっこうまとまっているタイトル曲の5曲目、アルコ中心のベース・ソロの曲でスゴいテクニックの6曲目、やや蒼い感じで個々に、場面によってまとまって展開する6曲目。

ポシビリティーズ/ハービー・ハンコック

Herbieposs
ハーピー・ハンコックのアルバムが久々に出たと思ったら、1曲ごとにヴォーカルを変えて、中にはかなりの有名人もいるポップ色の強いアルバムでした。それでも各曲には彼のピアノの見せ場や伴奏などがあるし、そういう意味では彼のピアノが地味かもしれませんが、彼らしくて楽しめるアルバム。ポップでガンガンいくという感じではなくて、ちょっとひとひねりして、渋めなところも見せているという感じです。これだけのミュージシャンを集めるのも大変だしコストもかかると思うのですが、聴き手はあまりそういうことは心配しなくていいのかも(笑)。ジャズ色はないけれど、私は音楽としてけっこう楽しめました。何たってカルロス・サンタナはギターを弾いているし、スティーヴィー・ワンダーもハーモニカですが参加、ポール・サイモンやスティングのヴォーカルをここで聴けるとは。


ポシビリティーズ/ハービー・ハンコック(P)(WEA)
Possibilities/Herbie Hancock(P)(WEA) - Released 2005. 1. John Mayer(G, Vo), Michael Bearden(Key), Willie Weeks(B), Steve Jordan(Ds) 2. Carlos Santana(G), Angelique Kidjo(Vo), Michael Bearden(Key), Chester Thompson(Org), Dennis Chambers(Ds), Raul Rekow(Per), Karl Perazzo(Per), Benny Rietveld(B) 3. Christina Aguilera(Vo), Michael Bearden(Key), Bashiri Johnson(Per), Nathan East(B), Teddy Cambell(Ds) 4. Paul Simon(Vo), Pino Paladino(B), Steve Jordan(Ds), Cyro Baptista(Per), Jamey Haddad(Per), Gina Gershon(Jew's Harp) 5. Annie Lennox(Vo), Steve Lewinson(B), Pete Lewinson(Ds), Tony Raney(G) 6. Sting(Vo), Michael Bearden(Key), Lionel Loueke(G), John Patitucci(B), Cyro Baptista(Per), Steve Jordan(Ds) 7. Jonny Lang(Vo, G), Joss Stone(Vo), Greg Phillimganes(Key), John Robinson(Ds), James Harrah(G), Reggie McBride(B) 8. Damien Rice(Vo), Lisa Hannigan(Vo), Tomo(Ds), Vyvienne Long(Cello), Shane Fitzsimons(B) 9. Raul Midon(Vo, G), Stevie Wonder(Harmonica), Greg Philinganes(Key) 10. Trey Andastasio(G, Vo), John Patutucci(B), Cyro Baptista(Per), Steve Jordan(Ds), Jennifer Hartswick(Vo) - 1. Stitched Up 2. Safiatou 3. A Song For You 4. I Do It For Your Love 5. Hush, Hush, Hush 6. Sister Moon 7. When Love Comes To Town 8. Don't Explain 9. I Just Called To Say I Love You 10. Gelo Na Montanha

全曲ヴォーカル・アルバムで、ジャズ色はなくてポップ色が強いアルバム。参加している歌手も強力で、ジョン・メイヤー、クリスティーナ・モレイラ、ポール・サイモン、アニー・レイノックス、スティング、ジョニー・ラング&ジョス・ストーン、ダミアン・ライス&リサ・ハニガン、ラウル・ミドン、トレイ・アナスタシオと、1曲ごとに違います。2曲目のラテンタッチでカルロス・サンタナのギターとアンジェリーク・キジョーのヴォーカルも印象的。オリジナルあり、参加したヴォーカリストの曲あり、カヴァー曲ありで、そこにハービー・ハンコックのピアノが効果的に絡む構図。どの曲も魅力的で、押しの強い曲としっとり系がうまく調合。渋めで控えめかなという印象も。デニス・チェンバースが2曲目に、ジョン・パティトゥイッチが6、10曲目に参加。(05年9月28日発売)

2005/10/03

Descendre/Terje Rypdal

1144
Descendre/Terje Rypdal(G, Key, Fl)(ECM 1144) - Recorded March 1979. Palle Mikkelborg(Tp, Flh, Key), Jon Christensen(Ds, Per) - 1. Avskjed 2. Circles 3. Descendre 4. Innseiling 5. Men Of Mystery 6. Speil

(00/09/10)全曲テリエ・リピダルのオリジナル。全体を通してキーボード(またはピアノ)がサウンドを支配しています。ギターは控え目ながらいつものリピダル節。1曲目は流れるキーボードをバックに、たゆたうトランペットとギター。往年のプログレッシヴロックのようなエッセンス。2曲目もキーボードがバックでドラムスとギターがインプロヴィゼーションを展開する11分台の大作。3曲目はピアノがバックで淡々と進むタイトル曲。途中の部分はビートが効いている4曲目、静かながらもややアグレッシヴな演奏が見られる5曲目。6曲目については泣きの入るギターを聴くことができ、やっぱりプログレッシヴロックのようなサウンドか。どの曲も似た印象かもしれませんが、これでこそECMのサウンドの流れかも。(01年7月25日発売)

アウトサイド・バイ・ザ・スウィング/山中千尋

Chihiroout
山中千尋がVerveに移籍したということで、どんなアルバムを出すのかな、と楽しみにしていました。ブラインドで聴いてみたとすると、女性のピアノではないんではないかと思うくらい、シャープで時にごつごつした感じもあったりします。でもやっぱり女性だな、という部分もあって、5曲目のバラードあたりはけっこういい感じ。澤野工房のときからファンではありましたが、ヴァーヴに移籍するくらいだから、やっぱり個性的で素晴らしいピアノだと思います。9曲目のアップテンポのラグタイムのソロ・ピアノあたりは上原ひろみを意識してのことなのかどうなのか分かりませんが。適度に辛口で迫ってくるので、個人的にはかなり好み。聴いてもらいたいなあ、と思えるピアノトリオです。


アウトサイド・バイ・ザ・スウィング/山中千尋(P)(Verve)
Outside By The Swing/Chihiro Yamanaka(P)(Verve) - Recorded May 13-15, 2005. Robert Hurst(B), Jeff "Tain" Watts(Ds) - 1. Outside By The Swing 2. I Will Wait 3. Impulse 4. He's Got The Whole World In His Hands 5. Teared Diary (Attends Ou Va-T'en) 6. Yagibushi 7. Cleopatra's Dream 8. Matsuribayashi/Happy-Go-Lucky Local 9. 2:30 Rag 10. Living Without Friday 11. Angel Eyes 12. All The Things You Are 13. Candy

ロバート・ハースト(B)、ジェフ・”テイン”・ワッツ(Ds)とのトリオ。山中千尋の作曲は全13曲中4曲(1-2、9-10曲目)。Verve移籍第一弾。強力なバックに負けずに迫力ある、ジャジー満点な演奏。現代的な重みのある小品の1曲目で幕を開け、ミディアムのオーソドックスな雰囲気のジャズの2曲目、マイナーなアップテンポでシャープな切れ味を見せる3曲目、トラディショナルを8ビートのゴキゲンな演奏での4曲目、しっとりとした哀愁のバラードの5曲目、再演曲の「八木節」をハードにノリ良く料理していく6曲目、有名曲をメロディ中心のアップテンポでせまる7曲目、中島みゆきとデューク・エリントンをつなげてしまった8曲目、ラグタイムのソロ・ピアノの9曲目、再演曲でやはりシャープな印象の10曲目、スタンダードを渋く攻める11-12曲目、メロディカ(多重録音?)が印象的な13曲目。(05年9月7日発売)

2005/10/02

Divine Love/Leo Smith

1143
Divine Love/Leo Smith(Tp, Flh, Per, etc)(ECM 1143)(輸入盤) - Recorded September 1978. Dwight Andrews(Afl, Bcl, Ts, etc), Bobby Naughton(Vib, etc), Charlie Haden(B), Lester Bowie(Tp), Kenny Wheeler(Tp) - 1. Divine Love 2. Tastalun 3. Spirituals: The Language Of Love

(99/03/30)全曲レオ・スミスのオリジナル。21分台のタイトル曲の1曲目は基本メンバーの3人での演奏。けっこうスペイシーで牧歌的な感じです。インプロヴィゼーションというよりは、個々に気ままにサウンドを発しているという雰囲気でもあり、音やメロディの断片に聞こえる気もします。ただし、ECMらしさはあるかも。2曲目はケニー・ホイーラーとレスター・ボウイと3人でのトランペットのインプロヴィゼーション合戦といったところですが、やはりそれぞれが音を発している雰囲気。それにしてもスゴい顔合わせです。3曲目はチャーリー・ヘイデンが参加した15分台の曲。ややドラマチックながら、こちらも空間的なインプロヴィゼーションが淡々と続いていきます。 あっさり系なので、やや聴く人を選ぶかも。

ソングX:20thアニバーサリー/パット・メセニー、オーネット・コールマン

Patsongx
20年前に録音、発売されたアルバムを今回リミックスとリマスターまでして、しかも6曲も追加されて再発されたアルバム。ワーナーがジャズ部門をやめたので、今回ノンサッチに移籍をしたパット・メセニーですが、やはり20年前にECMからゲフィンに当時移籍した時に最初に作ったのがこのアルバム。それに手を加えて、またもや一番先に再発したので、よほど本人にとっては思い入れの深いアルバムなんでしょうね。前から彼のオーネット・コールマンからの影響は、本人も公言していたし、見え隠れしていたのですが、まさか本人と共演してオーネットのペースのサウンドでアルバムを作ってしまうとは、と思ってました。完全フリージャズを含むので聴く人を選ぶと思いますが、個人的にはこういうサウンド、けっこう好きな部類です。


ソングX:20thアニバーサリー/パット・メセニー(G)、オーネット・コールマン(As、Vln)(Nonesuch)
Song X: Twentieth Anniversary/Pat Metheny(G)/Onette Coleman(As, Vln)(Nonesuch) - Recorded December 13-14, 1985. Charlie Haden(B), Jack DeJohnette(Ds), Denardo Coleman(Ds, Per) - 1. Police People 2. All Of Us 3. The Good Life 4. Word From Bird 5. Compute 6. The Veil 7. Song X 8. Mob Job 9. Endangered Species 10. Video Games 11. Kathelin Gray 12. Trigonometry 13. Song X Duo 14. Long Time No See

全曲オーネット・コールマンの作曲またはパット・メセニーとの共作(インプロヴィゼーション)。彼から影響を受けたというメセニーの、 本人との初めての共演盤で、チャーリー・ヘイデンも参加。しかし、スゴいメンバー。オーネットの演奏を知らない人には、これらの曲が少々きつい可能性も?個人的には好きですが。今回、リミックス&リマスターで1-6曲目を追加して発売。完全フリーもある程度あって、アメーバのようなノリやサウンドは明らかにオーネット側の演奏ですが、パット側のギターフレーズが完全に同調して感じるのは、やはり影響が大きかったからでしょうか。今回追加された曲も、特に優劣はなくて、単に当時のLPの収録時間の問題だったと思われます。フレーズを勝手なように吹き(弾き)つつ、突き進みます。(05年9月28日発売)

2005/10/01

Thelounious Monk Quartet With John Coltrane At Carnegie Hall

Monkjohn
非常に貴重な音源で、演奏も素晴らしく、音も当時としてはけっこう良いのですが、注意点があります。国内盤はセキュアCD(CCCD)という、先月から始まった新しいタイプのCCCDになっています。店頭で判別しづらく、間違って買ってしまった人も多いと思います。以前のCCCDとは違って、音源部分にエラーの混入はないようで、私は国内盤もテスト用に入手してかけてみましたが、パソコンに入れなければほとんど違いは分かりません。でもCCCDなんて買わずに済ました方が精神的に良いに決まっています。輸入盤もショップの店頭で見かけるのはCCCD。私はAmazon(日本)でCD-DAのUS盤を、国内盤より高いにもかかわらず、わざわざ購入しました。ジャズなんてコピーする人は少ないのに買い手を犯人扱いする、そしてわけの分からないソフトを強制的にパソコンに入れてしまうCCCDは、害悪以外の何モノでもないと思っています。

ジョン・コルトレーンの’57年という時期に、曲によってシーツ・オブ・サウンド(フレーズが次から次へと繰り出す感じの奏法)でモンクとバンドを組んでいた、というだけで魅力的。この時期他のミュージシャンで類似のサウンドはなかったでした。できればUS盤のCD-DAを買うことをオススメします。


Thelounious Monk(P) Quartet With John Coltrane(Ts) At Carnegie Hall(Blue Note)(USA輸入盤) - Recorded November 29, 1957. Ahmed Abdul-Malik(B), Shadow Wilson(Ds) - 1. Monks's Mood 2. Evidence 3. Crepuscule With Nellie 4. Nutty 5. Epistrophy 6. Bye-ya 7. Sweet And Lovely 8. Blue Monk 9. Epistrophy(Incomplete)

(05/10/01)7曲目を除き、セロニアス・モンクの作曲ないしは共作。本人が本人の曲を演奏しているので、あの独特なピアノは健在です。存在しないと言われていたライヴ音源の発掘で、音もけっこう良い。ピアノでのっそりとソロがはじまったと思ったら、途中からサックスも入ってゆったりとした自由な曲調の1曲目、独特なノリと浮遊感覚で、モンクならではの曲調とシーツ・オブ・サウンドのサックスが心地良い2曲目、マイペースで音を綴っていく感じの3曲目、サックスを縦横無尽に吹きまくる5曲目、なかなかスリリングなメロディの曲調で攻める5、9曲目、サックスの手を緩めることなく音が次々に出てくる6曲目、唯一のスタンダードだけれども、彼らのペースになってしまう7曲目、愉快なテーマから引き込まれてしまう8曲目。

Elm/Richard Beirach

1142
Elm/Richard Beirach(P)(ECM 1142) - Recorded May 1979. George Mraz(B), Jack DeJohnette(Ds) - 1. Sea Priestess 2. Pendulum 3. Ki 4. Snow Leopard 5. Elm

全曲リッチー・バイラークのオリジナル。リズムがジョージ・ムラーツとジャック・ディジョネットになって、ややダイナミックになった感じはします。ただし、ピアノのエッジの効いた冷めた美しさは、当然ながら健在 で、やはりこのピアノでなければ、と思わせる部分はあります。 温度感もこのメンバーにしてはけっこう低め。1曲目は11分台の大曲ですが、美しい情景が流れるように現れては消えて行きます。2曲目は緊張感があってトリオとしてはジャズっぽいノリの仕上り。3曲目は耽美的で哀愁もそこはかとなく漂っています。3人がハードに応酬してドラマチックな4曲目は12分台の大作で、ピアノも強力でドラムには全然負けていません。これも彼の一面なのは確か。そして哀愁いっぱいのおなじみの5曲目で、幕を閉じます。

« 2005年9月 | トップページ | 2005年11月 »

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

Amazon検索

HMV検索

  • HMV検索
    検索する
2017年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

メールアドレス

友人が運営しているサイト