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2005/08/31

Gateway2/John Abercrombie, Dave Holland, Jack DeJohnette

1105
Gateway2/John Abercrombie(G), Dave Holland(B), Jack DeJohnette(Ds、P)(ECM 1105) - Recorded July 1977. - 1. Opening 2. Reminiscence 3. Sing Song 4. Nexus 5. Blue

このメンバーでは2作目で、1曲目が3人の共作、他の曲はそれぞれのオリジナル。ギタートリオの空間の広がりと奥行きが楽しめます。1曲目は16分にも及ぶインプロヴィゼーション。静かなところからワンコードのまま、徐々に盛り上がっていき、その盛り上がり加減もなかなか絶妙かも。ラストはドラムソロをはさんで再び静かに。2曲目はデイヴ・ホランド作の静かでしっとりした、映画音楽のような曲。3曲目では、アバークロンビー作のギターがクローズアップされて浮遊感のあるフレーズが楽しめます。4曲目はデイヴ・ホランド作のロック調のマイナーなやはり浮遊感のあるギターが空間を切り裂き、漂う曲。5曲目はディジョネット作の、彼のピアノも聴ける叙情的な哀愁感のあるバラード になっています。

Introducing Tom Williams/Tom Williams Quintet

1064
Criss Crossレーベル順番聴き5日目で、また明日から他の方に行きます。トム・ウィリアムスの初リーダー作なんですが、サイドマンとしてはこのレーベルの他のアルバムにも参加していたことがあって、若手としてはけっこう貫禄度はあるほうなんじゃないかと思います。昨日紹介したアルバムと録音日が近く、メンバーもダブっている(ケニー・バロンとケニー・ワシントン)ので、けっこうお手軽に作ったんではないかと思えるふしもありますけれど、やっぱりジャズはジャズ。1日あればアルバム1枚分でクォリティの高いものを作成できてしまいます。このレーベル、クリスマスのシーズンにアメリカに渡って、一気にまとめて何枚分もの録音をしていくことが多いのです。


Introducing Tom Williams/Tom Williams(Tp) Quintet(Criss Cross 1064)(輸入盤) - Recorded December 27, 1991. Javon Jackson(Ts), Kenny Barron(P), Peter Washington(B), Kenny Washington(Ds) - 1. Thursday The Twelfth 2. The End Of A Love Affair 3. The Pursuit Of Happiness 4. There Goes My Heart Peace 6. Windmill 7. Let's Wait, ...And See 8. Aggression

(05/08/28)Tom Williamsの作曲は8曲中4曲(1、3、7-8曲目)。メロディアスにもメカニカルにもいける人で、デビュー作にしてはちょっと貫禄もあり。ここもケニー・バロンが参加。変わったリズムのテーマからアップテンポの4ビートで勢いよくフレーズが飛び出してくる1曲目、ゴキゲンで本格的なラテンタッチでおなじみのメロディを演奏する2曲目、ややゆったりとしたワルツを展開していて、フレーズは少しメカニカルな部分もある3曲目、陽気なリズムにメロディで、明るい雰囲気を振りまく4曲目、ワンホーンで朗々とメロディを奏でるバラードの5曲目、ケニー・ドーハムの曲をアップテンポでやはり明るく進んでいく6曲目、やや勢いがあって都会的な雰囲気のボッサの7曲目、やはりややアップテンポで本流に近いジャズの8曲目。

2005/08/30

Hubris/Richard Beirach

1104
Hubris/Richard Beirach(P)(ECM 1104) - Recorded June 1977. - 1. Sunday Song 2. Leaving 3. Koan 4. Osiris 5. Future Memory 6. Hubris 7. Rectilinear 8. The Pearl 9. Invisible Corridor/Sunday Song - Monday

彼のはじめてのピアノ・ソロ・アルバムで、全曲オリジナル。ジャズ・ピアニストのアルバムと言わなければ、分からないかもしれないと思いつつ。非常に洗練された鋭いメロディとただ者ではない和音で、ただ綺麗なだけではなく、ピアノの音世界の深遠を垣間見ることができます。例えば1、2曲目など、他のアルバムでも何度も聴けますが、やはりここでのヴァージョンも印象的。小品だけれど静かな緊張感があふれる3、7曲目、フリー・インプロヴィゼーションとクラシックの中間のような4曲目、牧歌的な印象もある変幻自在な5曲目、研ぎ澄まされたタイトル曲の6曲目、美しいメロディの8曲目。そして、フリー・インプロヴィゼーション的展開を見せテーマに戻る9曲目。なぜかガラスの城を連想 してしまいます。

Momentum/Ralph Lalama Quartet

1063
Criss Crossレーベル順番聴き4日目。今日紹介するラルフ・ララマという名前もあまりジャズマンらしくなくて、ジャケットに写っている写真も、白人のおっさんのビジネスマンという感じでちょっと損をしているようです。でも、演奏は最近ありがちなメカニカルな感じではあまりなくて、メロディアスにするするとフレーズが出てきて、デクスター・ゴードンやソニー・ロリンズの曲を演奏することから分かるように、どちらかというと大らかなタイプです。けっこう聴いていて楽しくなってしまう感じ。ワン・ホーン・クァルテット編成なのもその実力のほどがうかがえます。他ではあまり聞かない名前だけれど、このレーベルからは何枚かリーダー作が出ていて、やはりこのレーベル、目の付け所がいいなあ、と思います。


Momentum/Ralph Lalama(Ts) Quartet(Criss Cross 1063)(輸入盤) - Recorded December 22, 1991. Kenny Barron(P), Dennis Irwin(B), Kenny Washington(Ds) - 1. Da-Lama's De-Lemma 2. Rainbow People 3. The Breakthrough 4. Kids Know 5. Detour Ahead 6. Wonderful, Wonderful 7. Beautiful Moons Ago 8. Pal Joey

(05/08/28)Ralph Lalamaの作曲は8曲中2曲(1、8曲目)で、ジャズメン・オリジナルやスタンダードが中心。ケニー・バロンの参加が光ります。哀愁とラテンまじりの基本が4ビートの変化に富みつつ各パートを聴かせる1曲目、デクスター・ゴードン作で包み込むような、それでいて大らかな感じのサックスの2曲目、ハンク・モブレー作のアップテンポでドラムスとの掛け合いもスリリングな3曲目、ソニー・ロリンズ作のワルツをこれまた歌心あふれる感じで演奏する4曲目、しっとりとメロディを奏で上げていく12分台のバラードの5曲目、テンポやリズムの変化が面白いややアップテンポで明るい6曲目、軽めのボッサの上をメロディアスに繰り広げられる7曲目、アップテンポで唯一メカニカルな印象のあるカッコ良い感じの8曲目。

2005/08/29

Deer Wan/Kenny Wheeler

1102
Deer Wan/Kenny Wheeler(Tp, Flh)(ECM 1102) - Recorded July 1977. Jan Garbarek(Ts, Ss), John Abercrombie(G), Dave Holland(B), Jack DeJohnette(Ds) Ralph Towner(G) - 1. Peace For Five 2. 3/4 In The Afternoon 3. Sumother Song 4. Deer Wan

全曲ケニー・ホイーラーの作曲。今考えると、すごいメンバーでの録音です。演奏もかなりいい感じ。1曲目は出だしが3拍子でゆったりとメロディアスに入ってきて、ベースソロが入った後にアップテンポの、しかし少し冷めたジャズ的なサウンドが出てきます。ヤン・ガルバレクもジャズ的なバリバリのソロ。ドラマチックな展開でノリも良い16分台の大曲。2曲目のみにラルフ・タウナーも参加していて、叙情的で水彩画のような世界を演出するのに一役かっています。トランペットも良い感じです。3曲目はしっとりしたテーマを持ち、中間部とエンディングでアップテンポにもなる緩急自在の展開の11分台の曲。4曲目のタイトル曲はソロの入るパートによってサウンドの色彩感覚が変化していくような、10分台の曲。

New York Summit/Steve Wilson Quintet

1062
Criss Crossレーベル順番聴き3日目。スティーヴ・ウィルソンのCriss Cross1作目です。ただ、彼のオリジナルも少なくて、4曲目はトランペットのワン・ホーンの曲だったりして、彼があまり前面に出ているという感じもしないので、名義だけリーダーなのかな、という感じも少々します。ただ、大半を占めるジャズメン・オリジナルにはデューク・エリントンやエディー・ハリスその他下記に書いてあるミュージシャンの作品を取り上げていて、興味深い選曲ではあります。昔ちょっと恥ずかしかった経験があり、このオールラウンド・プレイヤー的なSteve WilsonとM-Base系のSteve Williamsonを混同していたことが(笑)。それでアルバムコメントをミスっているのですが、それをどこに書いたのか、まだ見つかっていません。


New York Summit/Steve Wilson(As) Quintet(Criss Cross 1062)(輸入盤) - Recorded December 19, 1991. Tom Williams(Tp), Mulgrew Miller(P), James Genus(B), Carl Allen(Ds) - 1. Reava's Waltz 2. Freedom Sound 3. A.T.C. 4. Ask Me Now 5. Last Resort 6. I Got It Bad 7. Ujima 8. Put On A Happy Face 9. Damned If I Knew

(05/08/28)Steve Wilsonの作曲は7曲目のみで、ジャズメン・オリジナルが多い。オーソドックスなフレーズもいけますが、たまに予想を裏切るようなフレーズも。けっこうジャズっぽい味のあるテッド・カーソン作のワルツの1曲目、ジョー・サンプル作のややメロディアスでどっしり感もあったりする2曲目、テーマの細かいキメがビシバシキマッて心地良いややアップテンポの3曲目、トランペットのワン・ホーンでセロニアス・モンク作の落ち着いたバラードの4曲目、ロン・カーター作の陽気でちょっとマニアックな5曲目、しっとり系の静かなバラードの6曲目、モーダルな感じで油絵のようなこってり感のある7曲目、唯一スタンダードで明るい4ビートを聴かせる8曲目、ボビー・ティモンズ作のアップテンポでジャズのノリを聴かせる9曲目。

2005/08/28

Tales Of Another/Gary Peacock/Keith Jarrett/Jack DeJohnette

1101
Tales Of Another/Gary Peacock(B)/Keith Jarrett(P)/Jack DeJohnette(Ds)(ECM 1101) - Recorded February 1977. - 1. Vigette 2. Tone Field 3. Major Major 4. Trilogy 1 5. Trilogy 2 6. Trilogy 3

このメンバーの組み合わせは、その後、超がつくほど有名になります。ここでは全曲ゲイリー・ピーコックのオリジナル。ただし、モチーフは少しだけで自然発生的に育ったサウンドのような気がして、彼ら独特の絡み合いが心地良い。結果、いつものキース・ジャレット・トリオ。通して聴いて完成するドラマという感じです。静かにわきあがってきて、哀愁を感じながらも淡々と進んでいく1曲目、メロディが紡ぎ出されてきて、寄り添いながらそれぞれの会話が続いていくフリーっぽい2曲目、一定の色調の中を舞い飛んでいくピアノやベースといった感じの3曲目、ゆったりしたテーマと哀愁を伴った中間部が印象的な4曲目、意外にもテンポの良い4ビートも飛び出してくる5曲目、やはり急速調で突き進んでいく6曲目。

Moods Volume 2/Philip Catherine Trio

1061
Criss Crossレーベル順番聴き2日目。とは言うものの、昨日紹介したアルバムと同じ録音年月日で、曲の雰囲気も、ダブっているテイク違いの曲も入っていたりして、本来ならば2枚組として出すべきアルバムではないのかな、と思います。ただ、テイク違いダブりは2曲のみで、雰囲気は似ていてヨーロッパ的なサウンドとはいえ、よく聴くと1枚目からの流れでも聴け、独立したアルバムとしても聴けます。ただ、アメリカ人ばかり録音するこのレーベルとしてはやはりサウンドからしても異色という感じはしますが、たまにはこういう世界があってもいいんじゃないかな、とは思います。


Moods Volume 2/Philip Catherine(G) Trio(Criss Cross 1061)(輸入盤) - Recorded May 19 and 20, 1992. Tom Harrell(Flh, Tp), Hein Van De Geyn(B), Michel Herr(Key on 1, 4) - 1. Mingus In The Sky 2. The Carousel 3. Entrance Des Princes 4. Galerie Des Princes 5. Two Faced Lover 6. Twenty Bar Tune 7. December 26th Variation 2 8. Pink Lady 9. The Waltz 10. A Time For Love

(05/08/22)Philip Catherine作は全10曲中4曲。録音はVol.1と同じ日。チャールズ・ミンガスに捧げられたものか、印象的なメロディで落ち着いたバラードの1曲目、淡い浮遊感をともなうけれど中盤はアップテンポのラテンになって、再び静かにある2曲目、4曲目の導入部となる静かで内省的な小品の4曲目、哀愁のある、心に刺さってくるメロディを持ってオリジナルのドラマチックな盛り上がりを見せる4曲目、不思議なリズム感覚を持ったややテンポの良い5曲目、同じようなメロディのテーマが続いてやや硬派なサウンドの6曲目、Vol.1の4曲目の別テイクのような7曲目、やはりアコースティック・ギターの繊細な哀愁を見せる8曲目、ちょっと妖しげなバランスのワルツの9曲目、Vol.1と同じ曲(別テイク)がラストの10曲目。

2005/08/27

Sun Bear Concerts/Keith Jarrett

1100
Sun Bear Concerts/Keith Jarrett(P)(ECM 1100) - Disc1 Kyoto November 5, 1976. 1. Part 1 2. Part 2 Disc2 Osaka November 8, 1976. 1. Part 1 2. Part 2 Disc3 Nagoya November 12, 1976. 1. Part 2 2. Part 2 Disc4 Tokyo November 14, 1976. 1. Part 1 2. Part 2 Disc5 Sapporo November 18, 1976. 1. Part 1 2. Part 2 Disc6 1. Encore From Sapporo 2. Encore From Tokyo 3. Encore From Nagoya

キース・ジャレットの日本公演でのライヴ。LP時代は10枚組、CDでも6枚組、しかもソロピアノによる完全即興演奏という前代未聞のアルバム。ここでは5会場での演奏が収録されていますが、好不調の波があるライヴという状況で、会場ごとに全然違う内容の演奏が残されていて、そのどれもが一定水準以上の素晴らしい演奏というのが驚きです。場面によって、静寂、優しさ、きらめき、哀しみ、情熱などが、次から次へと彼の手からメロディに変換されて紡ぎ出されていきます。それにしても表情が豊か。1-5枚目までは各会場での演奏で、それぞれ70分台の長尺もの。6枚目はアンコールをまとめたもので4-10分台の短めの曲。1枚だけ取り出して聴いても良いですが、1回は全部通して聴きたいアルバム。

Moods Volume 1/Philip Catherine Trio

1060
Criss Crossレーベル、また順番聴き1日目。今回のアルバムはCriss Crossレーベルにしては変わっていて、ベルギーのギタリスト(初めてのアルバムではないですが)で、主に変則トリオで4ビートジャズらしからぬジャズをやっています。このレーベルというとギンギンの4ビートの濃い演奏が多いのですが、ここではいかにもヨーロッパという感じのサウンド。リーダーのフィリップ・カテリーンもバップのギタリストというよりは、エレキ・ギターとアコースティック・ギターをうまく使い分けて、何となくジャンゴ・ラインハルトを現代風にしたような感じもあります。本来ならばVol.1とVol.2を同時に紹介してしまえば良いのでしょうが、そうするとネタ切れになってしまうため、Vol.2はまた明日。


Moods Volume 1/Philip Catherine(G) Trio(Criss Cross 1060)(輸入盤) - Recorded May 19 and 20, 1992. Tom Harrell(Flh, Tp), Hein Van De Geyn(B), Michel Herr(Key on 1, 5, 7) - 1. Cote Jardin 2. The Man I Love 3. Moods 4. December 26th Variation 1 5. Romance 6. Fridge Blues 6. Cote Cours 8. Angel Wings 9. A Time For Love

(05/08/22)Philip Catherine作は全9曲中5曲。他のメンバーの曲も。編成も変則的ですが、ジャズというよりはムードミュージック的な内省的なインプロヴィゼーションが多め。スパニッシュな感じで、映画音楽のようにゆったりしたと思ったら時々盛り上がる12分台の1曲目、ガーシュイン作を前半バラード、後半4ビートで奏で上げる2曲目、哀愁もあり、静かな小品のタイトル曲の3曲目、しっとりとした繊細な世界から中盤でラテン風に盛り上がる4曲目、Tom Harrell作のメランコリックなバラードの5曲目、8分の6拍子で淡い感触のあるブルースサウンドの6曲目、静かにキーボードをバックに奏でる小品の7曲目、アコースティック・ギターの多重録音で味わい深く聴かせる8曲目、テンポのないゆったりしたメロディを聴かせる9曲目。

2005/08/26

Water Colors/Pat Metheny

1097
Water Colors/Pat Metheny(G)(ECM 1097) - Recorded February 1977. Lyle Mays(P), Eberhard Weber(B), Dan Gottlieb(Ds) - 1. Watercolors 2. Icefire 3. Oasis 4. Lakes 5. River Quay 6. Suite: 1 Florida Greeing Song 2 Legend Of The Fountain 7. Sea Song

全曲パット・メセニーのオリジナルで、様々なサウンドが混在するアルバム。1曲目はノリが良く、初期のパット・メセニー・グループのようなサウンドでせまってきます。サウンドの色彩も豊かで、まさに水彩画的。ギター1本(15弦ハープギター?)でその冷めた幻想的な世界を表現している2曲目、しっとりと視覚的にせまってきて不思議な静寂を示すサウンドの3曲目、リズミカルでテンポ良く陽気に聴かせてくれる4曲目、やはりメロディアスにポップな雰囲気が伝わってくる5曲目、ドラムスとのダイナミックかつ繊細なデュオを展開する6曲目のパート1、ソロギターで美しく表現している同パート2、静かで表情の豊かな海をサウンドで視覚的に表現している、叙情的で時間が過ぎ去っていくような10分台の7曲目。(02年9月19日発売)

Timelines/John Abercrombie/Andy LaVerne

Johntime
ジョン・アバークロンビー共演作5日目。いちおう彼の作品紹介は今日でひと区切り。Steeple Chaseからはアンディ・ラヴァーンとの共演作が4枚も出ていて、このアルバムが3枚目。けっこう評判が良かったのでしょうか。2人ともけっこう繊細なタイプなので、相性としても非常にいいものを持っています。わりとハードなフレーズを弾く時もやっぱり繊細なタイプなのね、と思わせるサウンドなのがいいですね。まあ、ギターとピアノのデュオなので、あまりこういうのが好みではない、という方もいらっしゃるでしょうが。それでも、1曲目は「アンダー・カレント」(ビル・ヴァンス&ジム・ホール)を強く意識しているようで、面白いです。


Timelines/John Abercrombie(G)/Andy LaVerne(P)(Steeple Chase)(輸入盤) - Recorded September 2002. - 1. My Funny Valentine 2. Darn That Dream 3. You Go To My Head 4. Skating In Central Park 5. Inner Voice 6. Stairway To The Stars 7. I'm Getting Sentimental Over You 8. All Across The City 9. Change Meeting 10. Turn Out The Stars 11. Adagio

(05/08/16)このデュオでは3作目。アンディ・ラヴァーンの曲が3曲ありますが、スタンダードが中心。繊細な2人なので、なかなかのサウンド。ややスピーディーな、ビル・エヴァンスとジム・ホールの向こうを行くようで、似ているサウンドの1曲目、優しく語りかけてくるバラードでの2曲目、明るめで4ビート系のノリで楽しめる3曲目、やはり明るくソフトなワルツの4曲目、オリジナルながらスタンダードのようなメロディでいいテンポの5曲目、じっくりと味わい深く聴かせるバラードの6曲目、ノリが良く、ちょっとフレーズに浮遊感のある7曲目、ジム・ホール作のしっとり感のある8曲目、ややアップテンポで哀愁と明るさが同居する9曲目、ビル・エヴァンス作でコロコロとフレーズが転がる10曲目、静かなバラードで幕を閉じる11曲目。

2005/08/25

Grazing Dreams/Collin Walcott

1096
Grazing Dreams/Collin Walcott(Sitar, Tabla)(ECM 1096)(輸入盤) - Recorded February 1977. John Abercrombie(G), Don Cherry(Tp, Wood Fl, etc), Palle Danielsson(B), Dom Um Romao(Per) - 1. Changeless Faith - 1-1. Song Of The Morrow 1-2. Gold Sun 1-3. The Swarm 1-4. Mountain Morning 2. Jewel Ornament 3. Grazing Dreams 4. Samba Tala 5. Moon Lake

(02/05/25)コリン・ウォルコットの作曲か、曲によっては参加メンバーとの共作。1曲目は組曲形式になっていて、「不変の信仰」とでも訳すのでしょうか。トランペットの抑制されたメロディが続くパート1、パーカッションサウンドをベースにエキゾチックな味わいのメロディで進行していくパート2、静寂の中から効果音的なフレーズが浮かんでは消え、後半フレーズの繰り返しで盛り上がるパート3、インプロヴィゼーションでの小品のパート4。民族音楽のような素朴さのあるメロディの2曲目、印象的なメロディで洗練された感じのタイトル曲の3曲目、パーカッションのデュオでノリも良い小品の4曲目、メンバーでのフリー・インプロヴィゼーションにしてはドラマチックでメロディアスな5曲目。民族音楽色は意外に低めかも。

Upon A Time/John Abercrombie/George Marsh/Mel Graves

Johnupon
ジョン・アバークロンビー共演作4日目。’82年録音で、いちどLPで出たものをCD時代になってからもう1枚のLPの一部をカップリングして発売したものらしいです。10曲目までがジョン・アバークロンビーが参加しているアルバムで元のタイトルは「Drum Strum」。後半は「Marshland」。デュオで統一したアルバムですが、やっぱり10曲目までと11曲目以降が別物なので、ちょっと続けて聴くには気持ちの切り替えが必要かも。いずれにしてもインプロヴィゼーション度は高く、バリバリというわけではありませんけれど、演奏している人の2人のクレジットになっているものはフリー・インプロヴィゼーションととらえていいのかも。


Upon A Time/John Abercrombie(G, Mandolin, P)/George Marsh(Ds, Per, Thumb P)/Mel Graves(B)(New Albion Records)(輸入盤) - Recorded 1982. - 1. My Scottish Heart 2. Muchacha Dorada 3. Upon A Time 4. In The Woods 5. Demi-Saison 6. Baby Lucille 7. Vincent 8. Count 9. Chuck Man Rivers 10. Camel Walk 11. Play It Again 12. Moonfire 13. Gypsy Wand Song 14. McNabb The Crabb 15. Chelsea Bridge 16. Lullaby Of The Leaves

(05/08/15)1-10曲目がGeorge Marshとの時々多重録音もあるデュオで、10曲目まではどちらかまたは2人での作曲。後半11曲目以降はGeorge MarshとMel Gravesのデュオ。打楽器のデュオというのも珍しい。ゆったりとはじまったと思ったらスリリングな応酬になる1曲目、ちょっとラテン系の哀愁まじりで多重録音もある2曲目、映画音楽のように美しい場面もあるタイトル曲の3曲目、パーカッションがメインの、森の風景が見える4曲目、しっとりとしてポップス系のメロディのようでもある5曲目、スペイシーで明るめな、そして後半ロックっぽい6曲目、空間的なフリーで時おり激しい7曲目、4ビート浮遊系とも言える小品の8曲目、ギターで不安定なサウンドを出している9曲目、アルペジオで変拍子の静かな10曲目。

2005/08/24

Sound And Shadows/Ralph Towner Solstice

1095
Sound And Shadows/Ralph Towner(G, P, French Horn) Solstice(ECM 1095)(輸入盤) - Recorded February 1977. Jan Garbarek(Ss, Ts, Fl), Eberhard Weber(B, Cello), Jon Christensen(Ds) - 1. Distant Hills 2. Balance Beam 3. Along The Way 4. Arion 5. Song Of The Shadows

(02/05/25)全曲ラルフ・タウナーのオリジナル。それにしてもスゴいメンバーです。発せられる音がそれぞれ個性のかたまり で心に届いてくるような感じ。浮遊感覚を伴いながら哀愁を感じさせるメロディと各楽器のソロで聴かせてくる10分台の1曲目、サックスやギターなどが盛り上がりをみせてECM風なジャズらしい展開になる、緩急自在でやはり10分台の2曲目、サックスがメロディアスにせまり、ギターが繊細な表情を見せる3曲目、陰影を感じさせながらの複雑なマイナーのテーマが印象的で、繊細な音を綴っていく4曲目、影のダークなイメージピッタリのテーマやアドリブ(?)の部分を持つ、抑制された緊張感のあるフレーズが印象的な5曲目。情景が浮かんでくるようなサウンド になっています。

Alone Together/John Abercrombie/Frank Haunschild

Johnalone
ジョン・アバークロンビー共演作聴き3日目。これは割と最近の録音で、CDショップにも並んでいたかと思います。ギター2人のデュオのアルバムで、2人ともエレキ・ギターだったりアコースティック・ギターだったり、あるいは1人はエレキ、もう1人はアコースティックなど、いろいろな組み合わせでの演奏を聴くことができます。2人ともやっぱり内省的で繊細な感じがあるので、やや傾向は違うにしても、方向性は似たような感じがしました。私にとっては地味なんだけれどもけっこうハマる、というスルメ状態のギタリストです。そんなわけで、なかなか(私にとって)良いアルバムに出会ったと思っています。


Alone Together/John Abercrombie(G)/Frank Haunschild(G)(Acoustic Music)(輸入盤) - Recorded June 1, 2004. - 1. Alone Together 2. Italian Ocean Song 3. Ralph's Piano Waltz 4. Even Steven 5. Sabine's Guitar Bossa 6. Tramonto 7. How Deep Is The Ocean 8. Paramour 9. The Silence Of A Candle

(05/08/15)ギターでのデュオで、ジョン・アバークロンビー作は3曲(3-4、9曲目)。レーベルはアコースティック・ミュージックですがアコースティック・ギターだけでなくエレキ・ギターの演奏もあります。そのエレキで緊張感と哀愁のあるデュオを聴かせているタイトル曲の1曲目、爽やかな海からの風が吹いているような落ち着いた2曲目、時に繊細なフレーズで淡い陰影のあるワルツの3曲目、カントリーっぽいようなカラッとしたノリの良さのある4曲目、やはりノリの良い明るいボッサの5曲目、ラルフ・タウナー作で深遠な音使いのバラードの6曲目、スタンダードをメロディアスに、かつ4ビート的に料理する7曲目、静かにしっとり系のバラードをしみじみ聴かせる8曲目、コリン・ウォルコット作の哀愁のメロディがはっきりした9曲目。

2005/08/23

Dis/Jan Garbarek

1093
Dis/Jan Garbarek(Ts, Ss, Wood Fl)(ECM 1093)(輸入盤) - Recorded December 1976. Ralph Towner(G), Den Norske Messingsekstett(Brass), etc. - 1. Vandrere 2. Krusning 3. Viddene 4. Skygger 5. Yr 6. Dis

全曲ヤン・ガルバレクのオリジナル。曲によってはウインドハープ(1、3、6曲目)やブラスセクション(4曲目)も入りますが、ヤン・ガルバレクの乾いた(特にテナー)サックスと、ラルフ・タウナーの深いガットギターのサウンドとフレーズの妙味があります。曲の出だしではウインドハープをバックに淡々と、そしてメロディアスにインプロヴィゼーションを展開していく13分台の1曲目、朗々と歌うサックスに寄り添っていくギターの構図の2曲目、淡々と、中間部ではよりはっきりとした演奏が繰り広げられるエキゾチックな3曲目、これもややエキゾチックな感じで、ドラマチックな展開の10分台の4曲目、無国籍的な不思議な雰囲気を醸し出している5曲目、スペイシーな感じで邦楽にも通じていそうな、タイトル曲の6曲目。

Witchcraft/John Abercrombie/Don Thompson

Johnwitch
ジョン・アバークロンビーの共演作聴き2日目。今回はベーシストとのデュオで、7曲目以降が共演者のドン・トンプソンがベーシストからピアニストに変身。どちらもなかなかの腕前だと思います。やっぱりアバークロンビーのギターは夏聴くと涼しいなあ、と思います。録音自体は’86年のものなのでちょっと古いですけれど、彼としては奏法を確立してしまった後なので、安定したあのECMでも聴かれるような繊細なフレーズもけっこう出てきます。ここでのトーンは丸い感じ。曲自体がスリリングなものもありますが、デュオの形態なので、それなりに激しい部分もオブラートに包まれたような雰囲気を持っています。


Witchcraft/John Abercrombie(G)/Don Thompson(B, P)(Justin Time)(輸入盤) - Recorded June 24 and 25, 1986. - 1. Everything I Love 2. Sometime Ago 3. Witchcraft 4. My Foolish Heart 5. Fall Colours 6. I'm Getting Sentimental Over You 7. Peace 8. You'd Be So Nice To Come Home To 9. You Don't Know What Love Is

(05/08/15)主にギターとベースのデュオで、スタンダード中心。2人のオリジナルは5曲目。静かで聴きやすいサウンドです。1曲目からあのエレクトリック・ギターの音色とフレーズが4ビートに絡んで心地良い。繊細ながら大らかなアメリカの空を連想させるようなサウンドの2曲目、タイトル曲でやや内省的で抽象的な感じのインプロヴィゼーションが繰り広げられる3曲目、しっとり感が何ともいえない有名なバラードの4曲目、オリジナルなのにメロディアスで哀愁も混ざって聴こえる5曲目、やや淡い感じながらもメロディやアドリブをしっかり聴かせる6曲目、ここから後はピアノとのデュオで、しっとり感が強く、静かに聴かせる7曲目、やはりピアノと丁々発止のインタープレイのある8曲目、じっくり聴かせつつやや盛り上がる9曲目。

2005/08/22

Passengers/Gary Burton Quartet with Ebarhard Weber

1092
Passengers/Gary Burton Quartet(Vib) with Ebarhard Weber(B)(ECM 1092) - Recorded November 1976. Pat Metheny(G), Steve Swallow(B), Dan Gottlieb(Ds) - 1. Sea Journey 2. Nacada 3. The Whopper 4. B & G (Midwestern Nights Dream) 5. Yellow Fields 6. Claude And Betty

だんだんパット・メセニーがクローズアップされてきて、6曲のうち3曲はパットの曲が取り上げられています。ただしギター度はあまり高くない感じがします。また、スティーヴ・スワロウのベースがルートを弾きながら、エバーハルト・ウェーバーのベースがメロディを弾くという場面も出て くるので、少々変わったサウンドになっています。1曲目はチック・コリア作で、哀愁を感じながらも快調に飛ばして曲が進んでいきます。スローでメロディアスなしっとりしたナンバーの2曲目、浮遊感のあるテーマを奏でてテンポも良い感じの3曲目、パットの曲で有名な、やはり哀愁路線の4曲目、ウェーバー作のドラマチックな盛り上がりのある5曲目 。そしてスワロー作のスローで不思議な雰囲気のあるワルツの6曲目で幕を閉じます。

Echoes/John Abercrombie/Arther Blythe/Terri Lyne Carington/Anthony Cox/Mark Feldman/Gust Tsilis

Echoes
6月頃からたまっていた、ジョン・アバークロンビーの共演アルバムを聴いていかなければ、と思います。この暑いシーズンですから、涼しめのギターサウンドはピッタリではないかと思います。今日紹介するアルバムは久々のいただきものCDで、Amazonなどをチェックしましたがないようでした。だから日本では入手が難しいのではないかと思います。メンバーを見ると、なかなかのメンバーの参加。基本的にはクァルテットの演奏ですけれど、3曲にサックスまたはヴァイオリンが参加。できればもっと賑やかにたくさんの曲に参加して欲しかったですが、クァルテットの演奏もけっこういいです。


Echoes/John Abercrombie(G)/Arther Blythe(Sax on 1, 4)/Terri Lyne Carington(Ds)/Anthony Cox(B)/Mark Feldman(Vin on 7)/Gust Tsilis(Vib)(Alessa Records)(輸入盤) - Recorded June 2 and 3, 1996. - 1. Mr. Syms 2. Minor League 3. Sweet Dulcinea 4. Echoes 5. Skylark 6. You Don't Know What Love Is 7. Fee Fi Fo Fum 8. The Moon And You 9. Beautiful Love 10. Whare Are You

(05/08/15)基本的にスタンダードやジャズメン・オリジナル集で、Arther BlytheとMark Feldmanを除くクァルテット編成が基本。なかなかスゴいメンバーです。ミディアムで淡々としつつも情念の盛り上がりを感じるサックスの1曲目、アップテンポの4ビートでスリリングなソロのある2曲目、ケニー・ホイーラー作をクールに演出する3曲目、スペイシーで自由な雰囲気のまま前に進んでいく感じのタイトル曲の4曲目、軽妙でスタンダードらしからぬタッチの5曲目、ゆるいロック・ビートの上をメロディが乗っかっているような6曲目、ヴァイオリンの魅惑的な音色がいい感じの7曲目、浮遊感をちょっとともなうボッサ感覚の渋めな8曲目、ドラムスが全開でかなり自由なスタンダードを繰り広げる9曲目、スローなバラードで幕を閉じる10曲目。

2005/08/21

Staircase/Keith Jarrett

1090
Staircase/Keith Jarrett(P)(ECM 1090/91) - Recorded May 1976. - Disc1 Staircase 1. Part1 2. Part2 3. Part3 Hourglass 4. Part1 5. Part2 Disc2 Sundial 1. Part1 2. Part2 3. Part3 Sand 4. Part1 5. Part2 6. Part3

フランスで突如インスピレーションが生じてそのまま一気にスタジオで録音された作品との事。曲のタイトルが4つあって、それぞれパート2-3ほどの即興演奏による組曲。タイトルと内容の関連性は不明ですが、一応はあるような感じ。「ステアケイス(階段)」はジャケット写真のような、欧州にあるような屋外の階段のイメージで、そこで移り変わっていく季節を連想させます。「砂どけい」はリズミカルに迫ってくるパート1ときれいなメロディのパート2の対比が面白い。さらさらと流れ落ちる砂。「日どけい」はゆっくりと時を刻みつづけている部分と、嵐が来襲してくる中ほどの部分と。「砂」は天候によって表情を変えていく砂漠の風景、といったところでしょうか。心に訴えかけてくる色彩感覚の豊かなアルバム。(01年8月22日発売)

All Of You/ピエール・ステファン・ミッシェル・トリオ

Pierreall
このアルバムは澤野工房のものにしてはけっこう元気満点のアルバムで、ヨーロッパのタッチを持たせつつ、スマートにゴリゴリと(?)盛り上がってしまう曲が多いのが特徴です。けっこう独特な味のあるトリオなので、試聴してみたらいかがでしょうか。1曲目のタイトル曲も繊細に始まるように見えて、ピアノの独特なフレーズがウネウネと続いていきます。このピアニスト、キース・ジャレットの影響があるのではないか、と思わせますが。これからピアノ・トリオを聴き始める人よりは、ある程度聴いてきた人の方が楽しめるのではないかと思われます。レーベル2枚目なので、より好きな方向に録音できたのでしょうか。


All Of You/ピエール・ステファン・ミッシェル(B)・トリオ(澤野工房)
All Of You/Pierre-Stephane Michel(B) Trio(Atelier Sawano AS049) - Recorded March 14-16, 2005. Bruno Ruder(P), Frederic Delestre(Ds) - 1. All Of You 2. Oleo 3. 14 Quai De La Quarantaine 4. The Best Thing For You Is Me 5. O Grande Amor 6. Me Heart Stood Still 7. Like Sonny 8. Mister Two 9. Tangerine 10. One

ピエール・ステファン・ミッシェルの澤野での2作目で、彼の作曲は3曲(3、8、10曲目)。スタンダードが中心。かなり元気なトリオです。ピアノがアメーバのようにフレーズがウネウネと続いていくのが印象的なタイトル曲の1曲目、パワフルでスピーディーなフレーズの2曲目、フレンチの香りが濃厚な、それでいて盛り上がる3曲目、ピアノのフレーズのズラしとつながりが独特な感触を持つ4曲目、ジョビン作の渋いけれども跳ねるような感じもするボッサの5曲目、スタンダードながら入り組んだフレーズでかなり激しい場面もある6曲目、淡い浮遊感のあるテーマと力強いアドリブの対比の7曲目、ちょっと哀愁も混ざるオリジナルの8曲目、やはり続くピアノのフレーズが印象的な9曲目、しっとり感と哀愁の強いボッサの10曲目。(05年8月5日発売)

2005/08/20

Dancia Das Cabecas/Egberto Gismonti

1089
Dancia Das Cabecas/Egberto Gismonti(G, P, Wood Fl, Vo)(ECM 1089) - Recorded November 1976. Nana Vasconcelos(Per. Voice) - 1. Part 1 Qaurto Mundo 1, Danca Das Caberas, Aguas Luminosas, Calebracao De Nupcias, Porta Encantada, Quarto Mundo 2 2. Part 2 Tango, Bambuzal, Fe Cega Faca Amolada, Danca Solitaria

邦題は「輝く水」。パート1とパート2に分けられていて、組曲の構成。大部分はエグベルト・ジスモンチの作曲です。2人ともブラジルの出身で、その土着的な(?)サウンドが印象的。メロディで迫ってくるようなタイプではないので、ちょっと地味ですが、一気に演奏された曲は非常にドラマティックに感じられ、特にパーカッションがサウンドに生きています。インプロヴィゼーション度も高いです。鳥の鳴き声などやウッド・フルートでサウンドでブラジルの風景が描き出されたと思ったら、急速調のギターとパーカッションでスリリングな展開の部分も。特にギターでの、非西欧的な音の連なりが心の中に入りこんできます。また、ピアノの場面でも流れて行くようなフレーズの連なりで叙情性を感じることができます。

2005/08/19

Satu/Edward Vesala

1088
Satu/Edward Vesala(Ds)(ECM 1088)(輸入盤) - Recorded October 1976. Tomasz Stanko(Tp), Palle Mikkelborg(Tp, Flh), Tomasz Szukalski(Ss, Ts), Juhani Aaltonen(Fl, Afl, Ts, Ss), Knut Riisnaes(Fl, Ts), Rolf Malm(Bcl), Torjorn Sunde(Tb), Terje Rypdal(G), Palle Danielsson(B), String Section - 1. Satu 2. Ballade For San 3. Star Flight 4. Komba 5. Together

(00/12/09)曲によって編成は変わりますが、当時のECMとしては比較的大編成による録音。1曲目は14分台の大曲で、まずメロディーがあってそこに様々な楽器が絡むように寄り添い、雅楽の擬似的雰囲気を持っているような曲。もちろんフリーのような要素もあるようです。2曲目は明るめなテーマと、緩やかにややフリーっぽく流れる部分とを合わせ持っています。日本的情緒(?)を感じさせるようなペンタトニック主体のテーマ部分とやや激しい中間部を持つ3曲目。哀愁の漂ってくるようなテーマを持つ4曲目も、テーマはメロディ主体でリズムや他楽器の方が寄り添っていくような感じです。そしてスリルあるアドリブの部分。エキゾチックなフルートで、これもメロディ追従的にやや盛り上がりを見せる5曲目。

2005/08/18

The Survivor's Suite/Keith Jarrett

1085
The Survivor's Suite/Keith Jarrett(P, Ss, etc.)(ECM 1085) - Recorded April 1976. Dewey Redman(Ts, Per), Charlie Haden(B), Paul Motian(Ds, Per) - 1. The Survivor's Suite, Beginning 2. The Survivor's Suite, Conclusion

邦題「残氓」。インパルスに何枚も作品を残したアメリカン・クァルテットですが、なぜかECMにも作品を残しています。レーベルカラーを出しながらもこってりした雰囲気。曲は27分台の1曲目「発端」と21分台の「結末」の2曲のみ。キース・ジャレットの作曲。1曲目は、最初は笛やサックスの音が出てきて民族音楽色の強い静かな場面。キースのピアノが出てくるのは8分目あたりからで、こってりした中に土着性と哀愁の場面、あるいは逆に洗練されている場面が、盛り上がったり静かになったり、ドラマチックに展開していきます。2曲目はいきなり激しいフリーではじまり、5分目からサウンドがまとまって印象の強いメロディが浮かび上がります。15分から静かな場面になリ、やはりまた哀愁の世界へ。そしてラストで大団円。(02年9月19日発売)

2005/08/17

The Following Morning/Eberhard Weber

1084
The Following Morning/Eberhard Weber(B)(ECM 1084)(輸入盤) - Recorded August 1976. Rainer Bruninghaus(P), Members of Philharmonic Orchestra, Oslo(Cello, French Horn and Oboe) - 1. T. On A White Horse 2. Moana 1 3. The Following Morning 4. Moana 2

(02/05/25)全曲エバーハルド・ウェーバーの作曲。ベースとピアノ、それにオーケストラの一部メンバーが参加していて、1曲目から、あの独特なエレクトリックを通したベース音が響いてきます。どの曲も10分前後。しっとり系のメロディで心の中に響いてくるような1曲目は、ピアノが、あるいはベースがメロディを奏でながら時おり見せるフレンチホルンやオーボエの表情が良い感じ。淡色系のイメージのサウンドで少しずつ表情を変えながら進行していく2曲目、重厚にたゆたう場面もあって哀愁度の高いメロディが時々刻み込まれていき、ゆったりと流れていく12分台のタイトル曲の3曲目。この曲と4曲目では普通のベース音も。4曲目では静かなサウンドをバックに、時にベースソロが漂い、ときに跳ねていく感じです。

2005/08/16

After The Rain/Terje Rypdal

1083
After The Rain/Terje Rypdal(G, P, Ss, Fl, etc)(ECM 1083) - Recorded August 1976. Inger Lise Rypdal(Vo) - 1. Autumn Breeze 2. Air 3. Now And Then 4. Wind 5. After The Rain 6. Kjare Maren 7. Little Bell 8. Vintage Year 9. Mutler 10. Like A Chile, Like A Song

彼の多重録音によるアルバム。曲によってインゲ・リセ・リピダル(Vo)も参加。全体的に静かな曲です。1曲目からその荘厳な雰囲気は伝わってきます。やはり厳かなキーボードをバックに繰り広げられる泣きのギターの2曲目、生ギターによるしっとりとしたメロディの3曲目、幽玄なフルート・ソロの小品の4曲目、薄いもやのかかった空間の中をギターによってその存在感を感じさせるような、タイトル曲の5曲目、ピアノとエレキギターとの語り合いの6曲目、エレキピアノとフルートの小品の7曲目、ピアノの上をエレキギターが空間を静かに刻んでいくような8曲目、ギターがとつとつと語りかけてくる9曲目。そしてノルウェー流というか、彼流の空間表現ともとれる10曲目。ヒーリングに近いものを感じます。(01年6月21日発売)

2005/08/15

Rubisa Patrol/Art Lande

1081
Rubisa Patrol/Art Lande(P)(ECM 1081) - Recorded May 1976. Mark Isham(Tp, Flh, Ss), Bill Douglass(B, Fl, Bamboo Fl), Glenn Cronkhite(Ds, Per) - 1. Celestial Guests - Many Chinas 2. Jaimi's Birthday Song 3. Romany 4. Bulgarian Folk Tune 5. Corinthian Melodies 6. For Nancy 7. Kaimi's Birthday Song 8. A Monk In His Simple Room

2曲を除いてオリジナルで、全8曲中4曲がアート・ランディの曲。曲によってはいわゆる普通のクァルテット編成の曲もありますが、透明感の強いアルバムです。1曲目の中国民謡でビル・ダグラスはフルートも吹いて冒頭いきなり長いソロをとり、メドレーでマーク・アイシャムのゆったりとした硬質感のある曲に入っていきます。フルートとピアノのデュオで柔らかく聴かせる2曲目、硬く哀愁のあるメロディが聴くものの心にせまってくる3曲目、ブルガリア民謡のテンポが良い小品の4曲目、しっとりしたフレーズで語りかけてくるような5曲目、メロディアスでドラマチックに進んでいく6曲目、フルートとピアノでの淡々としつつインプロヴィゼーション色の強い7曲目、印象的なメロディで映画音楽的に包み込んでくる8曲目。

The Legend/Melvin Rhyne Trio

1059
Criss Crossレーベル順番聴き5日目で、またちょっと明日から他の方へ行きます。今日のメルヴィン・ライン、意外に歳をとっているな、と思って調べてみたら、ウェス・モンゴメリーのリヴァーサイド・レーベル時代にクレジットがあるではありませんか。けっこうなベテランなんですね。それに若手2人が絡んでいく格好です。ギターのピーター・バーンスタインですが、白人だけれどもブラインドで聴いているとどっちか分からないくらい黒い部分もあるかも。(世間では白人のグラント・グリーンと呼ばれているそうですが)あまりブルージーではありませんけれど、フレーズがけっこういいです。実は私の一番苦手なジャズってオルガンジャズなんですが、このアルバムを聴いて、何とか克服できたような気がします。


The Legend/Melvin Rhyne(Org) Trio(Criss Cross 1059)(輸入盤) - Recorded December 30, 1991. Peter Bernstein(G), Kenny Washington(Ds), Brian Lynch(Tp on 8), Don Braden(Ts on 8) - 1. Licks A-Plenty 2. Serenata 3. Stompin' At The Savoy 4. The Trick Bag 5. Old Folks 6. Next Time You See Me 7. Groovin' High 8. Blues For Wes

(05/08/07)Melvin Rhyneの作曲は唯一クインテットでの8曲目のみ。他はトリオでの演奏。黒っぽいゴキゲンなオルガンを聴くことができます。サイドのギターも適材適所か。1曲目からそのイケイケの雰囲気は伝わってきますが、やっぱりこれがオルガンサウンドか、という感じ。逆に2曲目のようにバラードの曲でもけっこう渋めの味わいがあります。有名な曲を4ビートで軽めにメロディアスに料理している3曲目、ウェス・モンゴメリー作のスピーディな展開がスリルのある4曲目、有名なスタンダードで、抑制の効いたオルガンのバラードが心地良い5曲目、ブルース的な展開が黒っぽい感じを増強させる6曲目、エネルギッシュにアップテンポでウネりまくっている有名な7曲目、ホーンを入れてゴリゴリとブルースを演じている8曲目。

2005/08/14

Sargasso Sea/John Abercrombie/Ralph Towner

1080
Sargasso Sea/John Abercrombie(G)/Ralph Towner(G, P)(ECM 1080) - Recorded May 1976. - 1. Fable 2. Avenue 3. Sargasso Sea 4. Over And Gone 5. Elbow Room 6. Staircase 7. Romantic Descension 8. Parasol

渋いギタリスト2人の演奏で、全曲彼らのどちらか、あるいは2人でのオリジナル。やはり空間を大事にしたアルバムです。エレクトリック/フォークのジョン・アバークロンビーと、12弦/ガットのラルフ・タウナーのそれぞれの個性も注目です。渋くて深みのある演奏が繰り広げられていく1曲目、浮遊感覚があってややスリリングなやり取りが聴かれる2曲目、インプロヴィゼーションで作られたと思われる、空間的で緊張感のあるタイトル曲の3曲目、しっとりと静かに紡ぎ出されていく4曲目、過激なエコーの効いたエレキギターとの音のぶつかり合いが面白い5曲目、スピーディーながら冷めたところもあるスリリングな6曲目、語り合う感じで哀愁漂う7曲目、ピアノも交えてドラマチックにフレーズが綴られていく8曲目。

Common Ground/Mike LeDonne Trio

1058
Criss Crossレーベル順番聴き4日目。マイク・ルドンのリーダー作も、これでこのレーベルでは3枚目だと思いました。ただ、全面的にトリオでの作品は初めてだと思うので、けっこう楽しめます。いつもはビル・エヴァンス派のピアニストがけっこう耳に入ってくるのですが、マイク・ルドンはそんなのとは無縁な男っぽいピアノを弾く人です。もちろんバラードでは優しいフレーズやサウンドを奏でることはできますが。ただ、このピアニストは絶対イチ押し、というところまではいかないところがちょっともどかしいところかな。けっこういいピアニストではあるんですけれども。ただ、このアルバム、それなりには楽しめました。実はこの頃のこのレーベルってホーン入りが多くて、ピアノ・トリオの作品が少ないんですよね。


Common Ground/Mike LeDonne(P) Trio(Criss Cross 1058)(輸入盤) - Recorded December 31, 1990. Dennis Irwin(B), Kenny Washington(Ds) - 1. Jingles 2. Tonight I Shall Sleep 3. Doujie 4. Sir Rah 5. Gee Baby Ain't I Good To You 6. Machado 7. The Rev 8. A Chance Of Heart 9. Told You So

(05/08/07)Mike LeDonne作は全9曲中4曲(3、6、8-9曲目)。なかなか現代的なバップ・ピアノを見せてくれます。ウェス・モンゴメリー作の勢いのあるフレーズでアップテンポを飛ばしまくっている1曲目、デューク・エリントン作の優しいフレーズが続くけどそれなりに盛り上がるミディアムの2曲目、やはりモンゴメリー作の弾んだ感じの4ビートで進んでいく3曲目、スタンダードのようにメロディアスと思ったらアップテンポで、それでも軽やかな4曲目、ミディアムながらそのダルいフレーズが何とも雰囲気のある5曲目、やや男っぽいラテンノリでサウンドが心地良い6曲目、ミルト・ジャクソン作のソウル風味のある4ビートの7曲目、落ち着いたしっとり感のあるバラードの8曲目、ミディアムでやっぱり男っぽいサウンドを展開する9曲目。

2005/08/13

Pictures/Jack DeJohnette

1079
Pictures/Jack DeJohnette(Ds, P, Org)(ECM 1079) - Recorded February 1976. John Abercrombie(G) - 1. Picture 1 2. Picture 2 3. Picture 3 4. Picture 4 5. Picture 5 6. Picture 6

構築されたものがもともとあったのか、フリー・インプロヴィゼーションなのかどうか判断はつきませんが、1枚のアルバムがトータルサウンド的な作りになっているようです。 多重録音の部分もあります。3曲目のみジョン・アバークロンビーとの共作で、それ以外はジャック・ディジョネットのオリジナル。ドラムスのビートの上にかぶさるオルガンサウンドの図式の1曲目、淡々としたテンポのあるドラムスのみで8分弱を勝負している2曲目、ギターとのノリの良い自由なやり取りの3曲目、波間を漂うような静かな掛け合いの4曲目、アコースティック・ギターが渋い味わいを持つ5曲目、しっとりしたピアノを中心に叙情的に、かつ淡々と進んでいく6曲目。ジョン・アバークロンビーは3-5曲目に参加 しています。

Native Colours/Billy Drummond Quintet

1057
Criss Crossレーベル順番聴き3日目。今日はドラマーがリーダーのアルバムです。こういうアルバムって、ドラムスとして前面に出てくるか、トータルのサウンドで行くか、分かれるところなんだけれども、ややドラムスが前面にきています。ビリー・ドラモンドの曲がないのが少々残念。ただ、リニー・ロスネスの曲が3曲あるところを見ると、Blue Noteと契約している彼女のアルバムを本当は作りたかったのではないか、との勘ぐりもありますが(笑)。それでも、9曲目のオーネット・コールマンの曲はピアノレスだし、最初から最後までドラムスが目立ちっぱなしなので、こういう部分で十分目立っているのだ、とも思います。


Native Colours/Billy Drummond(Ds) Quintet(Criss Cross 1057)(輸入盤) - Recorded March 15, 1991. Steve Wilson(As, Ss), Steve Nelson(Vib), Renee Rosnes(P), Ray Drummond(Ds) - 1. 8/4 Beat 2. Native Colours 3. San Francisco Holiday - Worry Later 4. Waltz For Sweetie 5. One For Walton 6. Lexicon 7. Ruby, My Dear 8. Yesterday's Gardenias 9. Happy House

(05/08/07)Billy Drummondの作曲はなく、Renee Rosnesの曲が3曲(2、5-6曲目)。でも、ドラムスが前面に出る場面が多いのはリーダー作だから。ボビー・ハッチャーソン作のアップテンポでスマートかつスピーディーな1曲目、やや浮遊感をともなう都会的なボッサで、ラストにドラムスが目立つタイトル曲の2曲目、セロニアス・モンク作だけれどもいくぶん洗練されていて、ここもドラムソロが出る3曲目、8分の6拍子で哀愁漂うメロディながら盛り上がる場面もある4曲目、軽妙なメロディとアドリブで楽しめる5曲目、アップテンポで目まぐるしい雰囲気の6曲目、またモンク作でややしっとりめの展開をするバラードの7曲目、ややアップテンポで明るめなメロディアスな8曲目、オーネット・コールマン作のドラムスが活躍する9曲目。

2005/08/12

The Plot/Enrico Rava

1078
The Plot/Enrico Rava(Tp)(ECM 1078)(輸入盤) - Recorded August 1976. John Abercrombie(G), Palle Danielsson(B), Jon Christensen(Ds) - 1. Tribe 2. On The Red Side Of This Street 3. Amici 4. Dr. Ra And Mr. Va 5. Foto Di Famigila 6. The Plot

(99/01/16)このメンバーでは2枚目のアルバム。全曲エンリコ・ラヴァのオリジナルないしは共作。彼の哀愁を帯びたトランペットはもちろん前面に出ていますが、ギター度も高いです。サウンド的には適度な浮遊感覚。ストレートで親しみやすいメロディとやや過激なバックとのアンサンブルが面白く、中間部では過激路線に入って行く1曲目、静かでスペイシーな、哀愁が漂うメロディの2曲目、自由度が高くてテンポの良いラテンタッチのバックの上をマイペースで吹いているトランペット、そしてギターも弾きまくる3曲目、3拍子系のエキゾチックに盛り上がる4曲目、渋くて哀愁度も高いギターとのデュオの5曲目、流れるように進んでいき、中ほどからドラマチックに盛り上がっていく15分台のタイトル曲の6曲目。

Sam I Am/Sam Newsome Quintet

1056
Criss Crossレーベル順番聴き2日目。けっこうテナー・サックスのリーダー作ってこの当時は多いですね。さて、このサム・ニューサム、基本的にはもっと大らかなサウンドの人(もちろん現代のミュージシャンなので都会的な面も持ち合わせていますが)だと思うのですが、相棒のスティーヴ・ネルソンとマルグリュー・ミラーがモロに都会的で、言わばメカニカルな感じなので、相性としてはどうだったのかな、と思わせます。3曲目など、出だしがニュー・オリンズ(セカンド・ライン?)のサックス・トリオで始まったと思ったら、途中からヴァイブラホンやピアノが都会的に入ってきて雰囲気が変わってしまったという感じ。でも、全体的には割と面白かったかな、と思いますが。


Sam I Am/Sam Newsome(Ts) Quintet(Criss Cross 1056)(輸入盤) - Recorded November 27, 1990. Steve Nelson(Vib), Mulgrew Miller(P), James Genus(B), Billy Drummond(Ds) - 1. Intimacy Of The Blues 2. In The View Of Trane 3. Indiana 4. I Thought About You 5. Rent-up House 6. Brooklyn Nights 7. Upper Manhattan Medical Group

(05/08/06)Sam Newsomeの作曲は全7曲中2曲(2、6曲目)。1ホーンなので露出度は高いですが、基本的にはあまり高音に偏らずに大らかなフレーズのサックスを吹く人だと思います。その大らかなサックスで、むしろヴァイブラホンやピアノとの対比が面白いブルース進行の1曲目、8分の6拍子で、タイトルや曲のサウンドからしてジョン・コルトレーンに捧げているんだろうなあ、と思わせるような盛り上がる2曲目、ニューオリンズ的な楽しく明るいノリと思ったら現代的に盛り上がっていく3曲目、じっくりと、そしてしっかりと歌い上げていくバラードの4曲目、なかなか似合っているソニー・ロリンズ作の5曲目、ボッサ的で現代的な浮遊感のあるテーマの6曲目、フレーズが迷走しつつも続けて聴くと曲の体裁をなしている7曲目。

2005/08/11

Nan Madol/Edward Vesala

1077
Nan Madol/Edward Vesala(Ds, Per, Harp, Fl)(ECM 1077)(輸入盤) - Recorded April 25 and 26, 1974. Elisabeth Leistola(Harp), Kaj Backlund(Tp), Juhani Aaltonen(Sax, Fl, Bells, Voice), Seppo Paakkunainen(Ss, Fl), Pentti Lahti(Ss, Bcl), Charlie Mariano(As, Fl, Nagaswaram), Juhani Poutanen(Vln, Avlin, Voice, Bells), Sakari Kukko(Fl), Mircea Stan(Tb), Teppo Hauta-aho(B, Voice) - 1. Nan Madol 2. Love For Living 3. Call From The Sea 4. The Way Of... 5. Areous Vlor Ta 6. The Wind

(02/05/25)エドワード・ヴェサラのドラムスはパルシヴでパーカッシヴな感じなのですが、ここでは作曲やアレンジの方にも重きをおいているようなサウンドの曲が多いです。タイトル曲の1曲目は重厚な音が漂っていくような、6人で音を出しているわりにはシンフォニックなイメージのある曲。彼が楽器をハープ(これもなかなか)に持ちかえてサックスとのデュオを繰り広げる2曲目、多重録音と思われるパーカッションソロの3曲目、そして彼のパルシヴなドラムスとドラマチックでフリーな展開が聴ける12分台の4曲目、オリエンタルな香りのあるメロディからフリーブローイングになだれこむ9人編成での12分台の5曲目、厳かなオーケストレーションと効果音で、まさにヨーロッパの暗い「風」を意識するような6曲目。

John Swana And Friends/John Swana

1055
Criss Crossレーベルの順番聴きをまたはじめます。今日のJohn Swanaですが、メカニカルにもメロディアスにも吹ける人ですけれど、ハードバップへの憧れというか、そんなことをフレーズから感じさせる人のようです。同じ楽器のトム・ハレルと区別がつきにくいのですが、やっぱりスワナの方がバップ系の色が強いのかな、と思わせます。メカニカルといえば、サックスはメロディアスと両刀使いの人ですが、この中でいちばんメカニカルなフレーズを弾いていたのは何とマルグリュー・ミラーでした(笑)。ライナーによれば2曲目がトム・ハレルの、5曲目がビリー・ピアースの、7曲目がジョン・スワナの1管でのクァルテットだそうです。


John Swana And Friends/John Swana(Tp, Flh)(Criss Cross 1055)(輸入盤) - Recorded December 15, 1991. Tom Harrell(Tp, Flh), Billy Pierce(Ts), Mulgrew Miller(P), Ira Coleman(B), Billy Drummond(Ds) - 1. Oleo 2. Before You 3. Darn That Dream 4. Out Of My Dreams 5. You Don't Know What Love Is 6. Straight, No Chaser 7. I Didn't Know What Time Is Was 8. The Pendulum At Falcon's Lair

(05/08/06)John Swanaの作曲はなしで、スタンダードやジャズメン・オリジナルが中心の変則3管(トランペットが2人)編成。バラード系統ではメンバーの1管でクァルテットの演奏も。1曲目は有名ですが、今っぽいハーモニーのアレンジが心地良い感じのテーマをリハーモナイズを強くした感じで、個性が出ているアップテンポの曲。トム・ハレル作の比較的シンプルにノレながらフレーズが入り組んでいるラテンタッチの2曲目、しっとり感の強いバラードで歌い上げる3曲目、アップテンポで強烈なリハーモナイズのテーマの4曲目、切ない哀愁を引きずっているバラードの5曲目、複雑なテーマをこなしつつ自由度の高いアドリブの6曲目、Swanaの独壇場となったややスローな7曲目、アップテンポで盛り上がった演奏の8曲目。

2005/08/10

Mountainscapes/Barre Phillips

1076
Mountainscapes/Barre Phillips(B)(ECM 1076) - Recorded March 1976. John Surman(Bs, Ss, Bcl, Synth), Dieter Feichtner(Synth), Stu Martin(Ds, Synth), John Abercrombie(G) - 1. Mountainscape 1 2. Mountainscape 2 3. Mountainscape 3 4. Mountainscape 4 5. Mountainscape 5 6. Mountainscape 6 7. Mountainscape 7 8. Mountainscape 8

曲名がマウンテン・スケープ1~8なので、組曲形式なのでしょうか。シンセサイザーを本格的に使用しているアルバムとしてはけっこう古い方で、うまく全体のサウンドにマッチしています。1曲目はさっそくジャズロックとインプロヴィゼーションの雰囲気をダイレクトに伝えます。シンセサイザーをバックにサックスが彩りを添える2-3曲目、ベースが比較的前面に出ていてサックスとの相性も良いゆったりした4曲目、スペーシーなワン・コードの曲の上をアグレッシヴにサックスが歌う5曲目、民族音楽的のようでもあり幻想的な6曲目、シーケンサーとベースで演奏される叙情世界の7曲目。ジョン・アバークロンビーは8曲目に参加していて、ある意味でビートが効いたフリーに近いサウンドの中をサックスと自由に飛び回ります。(99年10月1日発売)

ディープ・イン・ア・ドリーム/ヘレン・メリル

Merrilldeep
いやー、まいったまいった。ヘレン・メリルのアルバムが今頃初CD化なんてありえないなあ、と思っていたのだけれど、このアルバム、実は’95年に「フィーリング・イズ・ミューチュアル」(EmArcy)というタイトルで、同内容でCDが発売されているんですね。今回のアルバムはヘレン・メリルが原盤権を買い取って発売されたものをCD化した、とあります。つまり、今回のアルバムの方が後ということに。このアルバムの発売、ジャズ雑誌にはいっさい書いてなかったので、CDジャーナルで発見したときは小躍りして喜んでいたのですが。でも、世間にはこういうことってけっこうありますよね。タイトル違いでジャケ写も違えば分からない。こういう場合は自己責任で、自分にジャズの知識がなかったことを恥じて、終わりにしましょう。でも悔しい(笑)。
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ディープ・イン・ア・ドリーム/ヘレン・メリル(Vo)(Art Union)
Deep In A Dream/Helen Merrill(Vo)(Art Union) - Recorded 1967. Thad Jones(Cor), Jim Hall(G), Dick Katz(P), Ron Carter(B), Pete Laroca(Ds), Arnie Wise(Ds) - 1. You're My Thrill 2. It Don't Mean A Thing 3. Here's That Rainy Day 4. Baltimore Oriole 5. Don't Explain 6. What Is This Thing Called Love? 7. The Winter Of My Discontent 8. Day Dream 9. Deep In A Dream

CDは以前「フィーリング・イズ・ミューチュアル」(EmArcy)で出ています。メンバーがスゴく、曲もスタンダード集なのですが、やっぱり少し地味という印象も。1曲目からしっとりとした味わいで淡々とバラードが進んでいきますが、やっぱり求心力がもう少し欲しいかな、という感じも。エリントンの曲も、ややアップテンポながら、なんとなく軽妙さがある2曲目、ピアノのみをバックにゆっくりゆったりと歌っていくバラードの3曲目、やや哀愁があって軽いやり取りが印象的な4曲目、彼女の有名な持ち曲だけれどちょっと違ったアプローチの5曲目、ちょっと引っかかりのあるアップテンポの6曲目、やはりバラードで強みを発揮すると思う7曲目、味わいのあるバラードが続く8曲目、ギターの伴奏だけでしっとりと歌っている9曲目。(05年7月21日発売)

2005/08/09

Dansere/Jan Garbarek/Bobo Stenson Quartet

1075
Dansere/Jan Garbarek(Sax)/Bobo Stenson(P) Quartet(ECM 1075)(輸入盤) - Recorded November 1975. Palle Danielsson(B), Jon Christensen(Ds) - 1. Dancere 2. Svevende 3. Bris 4. Skrik & Hyl 5. Lokk (Etter Thorvald Tronsgard) 6. Til Vennene

(02/05/04)このメンバーによる2作目。ほとんどの曲はヤン・ガルバレクのオリジナル。曲名も全曲北欧の言語圏のタイトルのようで、やはり北欧の温度感の低いサウンドが伝わってきます。1曲目はタイトル曲で、何と15分台の曲。ソロにコラボレーションにと、淡々と、しかし静かではあってもドラマチックで、情念が内面で燃え上がるように語りかけてきます。スペイシーなフリーのビートの上を哀愁漂うサックスが舞っているような印象の2曲目、4ビートではないのですが、けっこう盛り上がって彼ら流にジャズしている3曲目、わずか1分30秒でのサックスの多重録音による4曲目、静かに静かに演奏が繰り広げられる、これのみオリジナルでない5曲目、研ぎ澄まされた繊細なサウンドを聴くことができる6曲目。

かもめ/カーリン・クローグ

Karinseagull
カーリン・クローグとジョン・サーマンのコラボレーション作で、何度も2人は共演しているので、またもや実験的なアルバムなのでは、と思いました。聴いてみると意外にオーソドックスで華やかなビッグバンド作品。もちろん北欧色の強い曲、やや実験的なアレンジを施してある曲もありましたが。スタンダードが多いのかと思ったら、半分強はオリジナルだった、ということも意外でしたが、それなりにメロディアスでアレンジもいい感じ。オーソドックスなジャズファンにとってみれば数曲聴いていて違和感がある曲があるかもしれませんが、あえてオススメなアルバムとしてあげてみようか、とも思います。ビッグ・バンドのアレンジや各パートのソロも印象的。


かもめ/カーリン・クローグ(Vo)(Fab)
Seagull//Karin Krog(Vo)(Fab) - Recorded January 2005. John Surman(Bs, Ss, Cond), Bergen Big Band: Olav Dale(As, Fl, Afl, Cl), Oystein Sobstad(As, Fl, Afl), Ole Jakob Hystad(Ts, Cl, Bs), Zoltan Vincze(Ts), Jan Kare Hystad(Bs, Bcl, Fl, Ts), Marvin Winter(Tp, Flh), Svein Henrik Giske(Tp, Flh), Are Ovesen(Tp, Flh), Reid Gilje(Tp, Flh), Oyvind Hage(Tb), Sindre Dalhaug(Tb), Pal Roseth(Tb), Kjell Erik Huson(Btb), Dag Arnesen(P), Ole Thomsen(G), Magne Thormodsaeter(B), Frank Jakobsen(Ds), Stein Inge Braekhus(Per), Iver Kolve(Vib) - 1. Sweet Talker 2. La Calada 3. Lament 4. My Shining Hour 5. The Seagull 6. Northern Sun 7. Don't Get Around Much Anymore 8. Jubilee 9. Canto Mai 10. Don't Just Sing 11. Angel Eyes 12. You'd Better Love Me

ビッグ・バンドをバックに歌っているアルバム。カーリン・クローグ作あるいは共作は全12曲中7曲(1-2、5-6、8-10曲目)と、意外にオリジナルが多いです。聴きやすいのでほぼスタンダード集かと思いましたが。逆にちょっと実験的な感じがするのは10-11曲目。相変わらず気だるそうな歌い方がいい。ビッグ・バンドは比較的オーソドックスに盛り上げてくれますが、華やかで独自のハーモニーもある感じ。タイトル曲の5曲目は北欧系の幻想的な感じで、さすが2人の共作という特徴が出ています。8曲目も北欧色の強いバラードで、中盤は4ビートで盛り上がります。2、6曲目はオリジナルなのにメロディアスかつ哀愁漂うラテンタッチの曲で、印象的。しっとり系の3曲目も、なかなか。元気系なのは4、9曲目。(05年7月27日発売)

2005/08/08

Bright Size Life/Pat Metheny

1073
Bright Size Life/Pat Metheny(G)(ECM 1073) - Recorded December 1975. Jaco Pastorius(B), Bob Moses(Ds) - 1. Bright Size Life 2. Sirabhorn 3. Unity Village 4. Missouri Uncompromised 5. Midwestern Nights Dream 6. Unquity Road 7. Omaha Celebration 8. Round Trip/Broadway Blues

8曲目以外はパット・メセニーの曲。ギター度は当然のことながら高いです。ジャコパストリアスの参加にも注目で、彼のフレットレス・ベースも縦横無尽に泳ぎ回ります。ノリの良い、明るい印象的なテーマを持つ1曲目、水彩画を見ているようなハーモニーとメロディに導かれていくスローテンポの2曲目、ギターの多重録音で味わい深く聴かせる3曲目、かなり勢いがあってジャズっぽいノリもけっこうイケる4曲目、時々紡ぎ出されるメロディが淡々と曲の中にある哀愁を語っていく5曲目、元気があるのだけれど曲調のマイナーさ加減とそのメロディが調和をもたらしている6曲目、8ビート的なノリで軽快に進んでいく7曲目、オーネット・コールマン作で4ビートの形をとりながらけっこう自由度の高い8曲目。(02年9月19日発売)

2005/08/07

Dreams So Real/Gary Burton Quintet

1072
Dreams So Real/Gary Burton Quintet(Vib)(ECM 1072) - Recorded December 1975. Mick Goodrick(G), Pat Metheny(G), Steve Swallow(B), Bob Moses(Per) - 1. Dreams So Real 2. Ictus/Syndrome 3. Jesus Maria 4. Vox Humana 5. Doctor 6. Intermission Music

カーラ・ブレイの作品集。ホンワカした、それでいて温度感があまり高くないグループのサウンドと、カーラ・ブレイの曲のメロディアスさがうまくマッチしています。そのホンワカムードとメロディアスという要素でゆったりとはじまる1曲目、テーマがけっこうハードで面白く、ややフリー的な展開からノリの良い4ビートに移ってのギターソロやヴァイブラホンのソロが面白い、2曲メドレーでの10分台の2曲目、ヴァイブラホンのみでしっとりと静かに語りかけてくる3曲目、メロディもノリも、ソロまでもがポップス的で陽気な4曲目、スピーディなメロディ展開なのだけど浮遊間を伴う不思議なメロディの5曲目、メロディアスさと複雑さが入り混じったような曲調で聴かせてくれる、やや哀愁路線の6曲目。ギター度は少し上がったかも。

ア・ビッチン・ブリュー/フュージョン・フォー・マイルス・ギター・トリビュート

Fusionmiles
このCDを聴いていたら、子供が、「お父さん、これってロック?」と聴いてきたので「そうかもね」と答えておきました。マイルス・デイヴィスへのトリビュート企画ですけれども、各自マイペースで好きなように曲を料理している、という感じが強いです。バンドのメンバーは、ヴィニー・カリウタ(Ds)、アルフォンソ・ジョンソン(B)、ラリー・ゴールディングス(Org)、そしてデイヴ・リーブマン(Sax)(1、6、9-10曲目)。そしてギタリストは1曲ごとにゲストが登場して、曲順にジミー・ヘリング、ジェフ・リッチマン、エリック・ジョンソン、マイク・スターン、ビル・フリゼール、ビル・コナーズ、パット・マルティーノ、ウォレン・ヘインズ、スティーヴ・キモック、ビレリ・ラグレーン。なかなかスゴいメンバー。ロック~ハード・フュージョン路線が好きなギター小僧にはたまらない企画なんじゃないかな。


ア・ビッチン・ブリュー/フュージョン・フォー・マイルス・ギター・トリビュート(Tone Center)
A Bitchin' Brew/Fusion For Miles A Guitar Tribute(Tone Center) - Released 2005. The Band: Vinnie Colauta(Ds), Alphonso Johnson(B), Larry Goldings(Key), Dave Liebman(Sax), Jimmy Herring(G), Jeff Richman(G), Eric Johnson(G), Mike Stern(G), Bill Frisell(G), Bill Connors(G), Pat Martino(G), Warren Haynes(G), Steve Kimmock(G), Bireli Lagrene(G) - 1. Black Satin 2. Splatch 3. Jean Pierre 4. So What 5. Nefertiti 6. Eighty One 7. Serpents Tooth 8. It's About That Time 9. Back Seat Betty 10. Spanish Key

ギタリストは1曲ごとにゲストが登場して、なかなかズゴい顔ぶれ。ロック畑もいればフュージョン畑もいるという格好。マイルス・デイヴィスの原曲にこだわらずにとにかく自分達の演奏(ギター)を楽しんでしまおう、というのが趣旨のようです。全体的にはハード・フュージョンからロックにかけてのサウンド。特に4曲目のマイク・スターンの「So What」はそんな感じだけれども、他のギタリストに比べれば4ビートだし、柔らかいサウンドでけっこうジャズ寄りな演奏。5曲目のビル・フリゼールの「ネフェルティティ」も、彼流のマイペースの演奏だけれども、いつもの彼よりはややハードな面を見せているか。7曲目のパット・マルティーノや10曲目のビレリ・ラグレーンの参加なども目玉かも。デイヴ・リーヴマンは1、6、9-10曲目に参加。(05年7月21日発売)

2005/08/06

Balladyna/Tomasz Stanko

1071
Balladyna/Tomasz Stanko(Tp)(ECM 1071)(輸入盤) - Recorded December 1975. Tomasz Szukalski(Ts, Ss), Dave Holland(B), Edward Vesala(Ds) - 1. First Song 2. Tale 3. Num 4. Duet 5. Balladyna 6. Last Song 7. Nenaliina

(02/05/25)ほとんどがトーマス・スタンコのオリジナルまたは共作。哀愁路線のサウンドかと思いきや、ホーンのユニゾンのテーマを経て、けっこうハードにブローイングしたフリー寄りの1曲目でビックリ。2曲目はサックスを除くトリオでの、比較的静かながら緊張感のあるフリー・インプロヴィゼーション。エドワード・ヴェサラ作のゆったりとした混沌の中に2管のメロディが自由に漂う3曲目、タイトル通り、トランペットとベースが寄り添いながら歩んでいくデュエットの4曲目、ゆっくりとしたベース・ドラムスの上をやや哀愁を伴いながらホーンがさまよっていくタイトル曲の5曲目、落ち着きながらもドラムスが叩きまくって盛り上がっていく6曲目、ドラムスがポイントとなりながらも、静かに寄せては返していく波のようなサウンドの7曲目。

ノクターン~ピアノ・バラード/木住野佳子

Yoshikonoct
ジャズのピアニストがクラシックを演奏することって、キース・ジャレットの例もあってあまり珍しくはなくなってきたけれど、クラシックに精通している人の耳ではどういう風に聴こえるのかということが興味があります。まあ、私みたいにジャズ側の人間からすれば、木住野佳子のピアノ演奏に興味があるのであって、それがジャズであってもクラシックであってもどうでも良いことなのですが。明るさや哀愁などの濃淡は曲ごとにあるにせよ、聴きやすい、そして比較的しっとりとした曲が集められているので、個人的にはBGMとして利用することにします。でも収録時間29分は少々短いような感じもしますが。


ノクターン~ピアノ・バラード/木住野佳子(P)(GRP)
Nocturne -Piano Ballade- /Yoshiko Kishino(P)(GRP) - Recorded April 8 and May 31, 2005. - 1. Nocturne No.20 (Frederic Chopin) 2. Clair De Lune - Suite Bergamasque (Claude Debussy) 3. 2 Arabesques No.1 (Claude Debussy) 4. 3 Gymnopedies No.1 (Erik Satie) 5. Je Te Veux (Erik Satie) 6. Traumerei - Kinderscenen (Robert Schumann) 7. Nocturne No.20 - CM Version (Frederic Chopin)

ソロ・ピアノ集で、しかもクラシックの演奏。収録時間は30分弱と短めで、ジャズ風に弾くのではなくて、おそらく譜面どおりに弾いています。ただ、ショパン、ドビュッシー、サティ、シューマンなど、しっとりくるような親しみやすい曲が多いため、クラシックのファンでなくてもすんなり聴け、BGMにも良いかも。ジャズ・ピアニストはたいていクラシックの素養があるため、割と良い感じで聴けましたが、クラシック側からするとどうなんだろうかと思うことも、少しあります。7曲目を除いてベーゼンドルファーのインペリアルというピアノを用いているのですが、その響きがなかなか良い雰囲気で聴けます。曲としてはどの曲も彼女に合っていますが、個人的にはサティの4曲目あたりが嬉しいところ。7曲目は1曲目のCMヴァージョンです。(05年7月21日発売)

2005/08/05

Arbour Zena/Keith Jarrett

1070
Arbour Zena/Keith Jarrett(P)(ECM 1070) - Recorded October 1975. Jan Garbarek(Ts. Ss), Charlie Haden(B), Mambers Of Radio Symphony Orchestra - 1. Runes 2. Solar March 3. Mirrors

邦題「ブルー・モーメント」。全曲キース・ジャレットのオリジナル。オーケストラとの共演ですが、1-2曲目参加のチャーリー・ヘイデンの粘り気のあるベースがジャズそのもので、面白い効果を出しています。1曲目は、かなりクラシックの味付けの、ゆったりした静かな曲調を持っている15分台の曲。中間部にはソロ・ピアノの部分もあって、後半部のサックスも含めて、しっとり感は高め。2曲目も前半はやや温かみはあるけれどもゆったりとした流れの曲で、ベースがメロディを奏でている雰囲気がありますが、後半盛り上がって哀愁度が増してきます。3曲目は27分台の曲で、クラシックを基調にピアノとサックスが絡んでくる曲調。緩やかではありますが、ドラマチックな展開をしていきます。溶けこむピアノと寄り添うサックス。

2005/08/04

Gnu High/Kenny Wheeler/Keith Jarrett, Dave Holland, Jack DeJohnette

1069
Gnu High/Kenny Wheeler(Flh)/Keith Jarrett(P), Dave Holland(B), Jack DeJohnette(Ds)(ECM 1069) - Recorded June 1975. - 1. Heyoke 2. Smatter 3. Gnu Suite

全曲ケニー・ホイーラーのオリジナルなので、彼のリーダー・アルバムと考えて良いと思いますが、ここでは、あまり自己のグループ以外共演しないキース・ジャレットがピアノで参加している点が興味をひきます。彼のピアノはアルバムを通してけっこう印象的。また、ホイーラーもエッジの効いた音やフレーズを出しています。1曲目は少々冷めた色調でスタートしますが、ホーン、ピアノ、ベースと、それぞれの楽器が、あるいはそのサウンドがドラマチックに表情を変えていく21分台の曲で、中間部にソロ・ピアノの部分もあります。2曲目は温度感はそのままに盛り上がります。3曲目もやはり曲調やリズムが緩急自在に変化していく12分台の曲。そのサウンドのドラマ性から、通して聴きたい統一感のあるアルバム。

2005/08/03

Odyssey/Terje Rypdal

1067
Odyssey/Terje Rypdal(G, Ss, etc.)(ECM 1067/68) - Recorded August 1975. Torbjorn Sunde(Tb), Brynjulf Blix(Prg), Sveinung Hovensjo(B), Svein Christiansen(Ds) - 1. Darkness Falls 2. Midnite 3. Adagio 4. Better Off Without You 5. Over Birkerot 6. Fare Well 7. Ballade

全曲テリエ・リピダルのオリジナル。当時のプログレッシヴ・ロックあるいはマイルス・バンド等の音を吸収しつつ、静かな場面では すでに彼独自の世界が出来あがっています。出だしからスペイシーにメロディとイメージが広がっていく1曲目、繰り返されるベースのフレーズを基に自由度の高いソロがドラマチックに展開する16分台の2曲目、オルガンをバックにゆったりと聴かせる13分台の3曲目、静かな中にギターのゆっくりとしたソロが浮かびあがる4曲目、ヘビーなロックノリで進んでいく5曲目、やはり浮遊感があり非常にゆったりとした曲調の、11分台の6曲目、この中では柔らかいメロディアスな曲調で締めくくる7曲目。 彼自身の個性はECMレーベルだからこそかも。LP時代からCDになって1曲カットされています。

2005/08/02

Yellow Fields/Eberhard Weber

1066
Yellow Fields/Eberhard Weber(B)(ECM 1066)(輸入盤) - Recorded September 1975. Charlie Mariano(Ss, Shenai, Nagaswaram), Rainer Bruninghaus(Key), Jon Christensen(Ds) - 1. Touch 2. Sand-Glass 3. Yellow Fields 4. Left Lane

(02/07/14)全曲エバーハルド・ウェーバーの作曲で、長めの曲が多いです。全体のサウンドはまとまりが良い感じ。1曲目は流れるようなエキゾチックなメロディの曲で、不思議な浮遊感覚をもたらします。それをドラムスがあおりたてるような構図。2曲目はやはり淡々と流れて行くような15分台の曲で、キーボードのサウンドとチャーリー・マリアーノのホーンが印象的。中盤戦で徐々に盛り上がっていき、再び淡々とした風景に。タイトル曲の10分台の3曲目は、メロディアスなテーマやインプロヴィゼーションで、静かな部分とテンションの高い部分がドラマチックに構成されています。ややロック的か。13分台の4曲目は、テーマその他のホーンと、中間部のピアノ・ソロが美しく印象的ながら、やはり緩急自在でドラマチック。

2005/08/01

The Koln Concert/Keith Jarrett

1064
The Koln Concert/Keith Jarrett(P)(ECM 1064/65) - Recorded Jaunary 24, 1975. - 1. Koln, January 24, 1975 Part 1 2. Koln, January 24, 1975 Part 2a 3. Koln, January 24, 1975 Part 2b 4. Koln, January 24, 1975 2c

LP時代は2枚組だったのがCDでは1枚になっています。ソロピアノ作品としては言わば代表作になるかもしれません。当時このアルバムで女子大生までジャズファンを広げたとか、これはジャズではないとか、いろいろ話題になったアルバム。完全即興演奏とは思えない、きれいなメロディや美しいフレーズが随所にちりばめられ、それが自然発生的にあらわれては消えていきます。8ビートのフォーク調の場面もありますが、以前 のアルバムに比べて洗練されて聴きやすくなっている感じ。ほとんどトンガッた部分はなく、夢の中を漂っているような気分。とにかく感性に訴えかけてくる分かりやすいメロディの部分が多いです。キース・ジャレットのソロ・ピアノで1枚を、というと、多くの人が推薦するアルバム。(01年8月22日発売)

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