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2005/03/31

Wisteria/Jimmy Raney Trio

1019
Criss Crossレーベル順番聴き4日目で、連続は今日まで。あとはまた日を改めて。今日のメンバーはなかなかスゴいですが、往年のギター・トリオのフォーマットということで、他のアルバムとは録音バランスが違っていてベースが大きめに入っています。ジョージ・ムラーツのベースの音色やフレーズも、他の、米国系のベーシストとはかなり違うので、そういうところも印象付ける要素にはなっているのかな、と思います。ベース・ソロの露出度も高め。ただ、ちょっとその録音バランスが自分とちょっと相性が良くなかった部分もあって、気になりました。あるいは3者の音がぶつかり合っているような気配がしたからかも。曲や演奏自体はけっこう良いのですが。


Wisteria/Jimmy Raney(G) Trio(Criss Cross 1019)(輸入盤) - Recorded Recorded December 30, 1985 and December 5, 1990. Tommy Flanagan(P), George Mraz(B) - 1. Hassan's Dream 2. Wisteria 3. Ovals 4. Out Of The Past 5. I Could Write A Book 6. Everything I Love 7. All The Things You Are

(05/03/26)Jimmy Raneyの作曲は3曲目のみ。あとは2曲目以外はスタンダードやジャズメン・オリジナル。トリオ編成ですが、メンバーがスゴいです。ベースがけっこう前面に出ている感じ。ベニー・ゴルソン作の哀愁漂うマイナー・チューンが心に残る1曲目、George Mraz作の、叙情感漂う静かなバラードがタイトル曲になっていて、ベースソロもあって渋好みの2曲目、ややアップテンポで流麗なメロディで進行していく3曲目、ベニー・ゴルソン作の、映画音楽にでもできそうなメランコリックな雰囲気を持っている4曲目、明るくて、ドラムスはいないけれどリズミカルに感じるノリの良い5曲目、やはりメロディアスでウキウキするようなサウンドのスタンダードの6曲目、これのみ’90年録音でソロ・ギターでの演奏の7曲目。なかなか。

2005/03/30

Moon Alley/Tom Harrell Quintet

1018
Criss Crossレーベル順番聴き3日目。以前紹介したケニー・ギャレットに続き、レーベル初期の時代には珍しく若手が中心の録音。それでもケニー・バロンがベテランの要として入っていますけれど。若手がリーダー作のアルバムだと’80年代はオリジナルがどうしても多くなるのですが、私はスタンダードよりはオリジナルを聴きたい方なので、こういうアルバムは嬉しいですね。でも、ミュージシャンや曲名でひきつけるものがないと、若手というのはセールス面ではけっこう大変なんじゃないかな、とも思いますが。

ただ、このレーベル、今まで250枚以上アルバムを出していますが、廃盤や未CD化といったことは、実はまだ1ケタなんですね。最近チェット・ベイカーの3枚が廃盤になってしまったのはちょっと残念ですけれど、ECMと並んで出した作品を大切にするレーベルのひとつだと思っています。Hatologyあたりは3千枚限定プレスが多いので、もう廃盤だらけで、集めるのを断念した記憶があります。


Moon Alley/Tom Harrell(Tp, Flh) Quintet(Criss Cross 1018)(輸入盤) - Recorded December 22, 1985. Kenny Garrett(As, Fl), Kenny Barron(P), Ray Drummond(B), Ralph Peterson(Ds) - 1. Blues In Six 2. Change Of Pace 3. Rapture 4. Twenty Bar Tune 5. Open Air 6. Moon Alley 7. Scrapple From The Apple 8. Rapture (Take 1)

(05/03/26)全8曲中6曲がTom Harrellの作曲。若手が中心のメンバーで、やはり新しめなサウンドか。1曲はミディアムのテンポでの6拍子のブルースで、ケニー・バロンのピアノもさすが。ケニー・ギャレット作の、フルートやフリューゲル・ホーンでのメロディが非常に美しいバラードの2曲目、アップテンポのラテンノリで、それでいてテーマの旋律がゆったりしていてソロに入るとスリリングな3曲目、フロント2管で印象的なテーマのあとにそれぞれの個性的なソロで勝負する4曲目、8分の6拍子でメロディアスに奏でていくややセンチメンタルな5曲目、ボッサ的で哀愁を感じるようなテーマから、ソロへと移っていく流れが印象的な6曲目、チャーリー・パーカー作を’80年代のフレーズで演奏するとどうなるか、といった感覚の7曲目。

2005/03/29

Bluesville Time/Ceder Walton Quartet

1017
Criss Crossレーベル順番聴き2日目。このレーベル、オランダに本拠地がありながらほとんどアメリカのミュージシャンを使っていて、録音日を見ていると、アメリカのスタジオを押さえておいて、アメリカへ飛んでまとまった日付でアルバム何枚かを一気に録音してしまう、というパターンが多いようです。各アルバム1日で録り終える日程といい、1015番と1017番では共通するミュージシャンが3人、録音日も4日間しか離れていないこと、などから、かなり予算を抑えて録音しまくっている様子がうかがえます。まだ’80年代にはこのレーベル、それほど録音・発表枚数は多くありませんでしたけれど。

それでもリーダーがかわるとアルバムの雰囲気も、共通したミュージシャンがいながらけっこう変わるものです。シダー・ウォルトンのピアノの高域を弾いている時のキラキラした感触もまた、印象に残った1枚ではありました。


Bluesville Time/Ceder Walton(P) Quartet(Criss Cross 1017)(輸入盤) - Recorded April 21, 1985. Dale Barlow(Ts), David Williams(B), Billy Higgins(Ds) - 1. Rubberman 2. Naima 3. Bluesville 4. I Remember Clifford 5. Ojos De Rojos 6. 'Round Midnight 7. Without A Song

(05/03/26)Ceder Waltonの作曲は1、5曲目。1015とメンバーを多少変えての録音。でも雰囲気はそれなりに違います。何度も繰り返すテーマのフレーズが頭に残り、それでいてスマートでお洒落なコード進行とソロのメロディが心地良い、時に倍速のリズムの1曲目、朗々と吹かれるサックスのバックにまわる、あるいはソロをとるピアノがなかなか印象深い、やや明るめの2曲目、文字通りブルース進行で楽しませてくれるタイトル曲の3曲目、メロディを奏で上げていくバラードで、やや弾んだイメージもある4曲目、ややスピーディなラテンタッチでで渋い映画音楽のようなドラマチックなメロディを持ち、盛り上がる5曲目、サックスとのデュオでしっとり加減のあるバラードの6曲目、スタンダードをアップテンポで陽気に進んでいく7曲目。

2005/03/28

Roots/Slide Hampton Quintet

1015
またCriss Crossレーベルの順番聴きを再開。トロンボーン奏者スライド・ハンプトンのリーダー作ですけれど、このメンバーだとミディアム・テンポの曲だろうがアップテンポだろうが、アドリブをやってしまうと懐かしの’50年代のように紡ぎ出てくるフレーズがとにかく分かりやすくてメロディアス。’80年代半ばというと新伝承派なんて言われた現代的な奏法の若手ミュージシャンが台頭する中、ベテラン勢はやっぱり往年のジャズをマイペースで演奏していたんだなあ、ということがうかがえます。もっとも曲のアレンジなどの語法は昔よりも多いので、ちょっとテーマでひねってあるな、と思われる部分も。でもいったん各パートのソロに入ってしまうと、とにかくマイペース。こういう演奏も聴いていてホッとする部分も多く、オーソドックスに見えるジャズも聴いてみるもんだなあ、と思いました。


Roots/Slide Hampton(Tb) Quintet(Criss Cross 1015)(輸入盤) - Recorded April 17, 1985. Clifford Jordan(Ts), Cedar Walton(P), David Williams(B), Billy Higgins(Ds) - 1. Precipice 2. Solar 3. Roots 4. Maple Street 5. My Old Flame 6. Just In Time 7. Precipice (Take 1) 8. Barbados

(05/03/25)スライド・ハンプトンの作曲は3曲目のみ。トロンボーンのフレーズもホンワカキビキビという感じ。LPの倍の曲数がCDに入っています。哀愁感覚も混ざってどこか懐かしい感触のある、クリフォード・ジョーダン作のハード・バップの1曲目(7曲目は別テイク)、アップテンポでテーマはありますがアドリブに入ると演奏者自身のペースになってしまうような2曲目、やや浮遊感を保ちつつ複雑なテーマのメロディを持っていて、アドリブは正攻法のタイトル曲の3曲目、シダー・ウォルトン作の、隙間があるテーマながら中間部はスマートに展開する4曲目、ちょっとしたほのぼの感がいい感じの5曲目、アップテンポでメロディアスに進行していくスタンダードの6曲目、チャーリー・パーカー作の少しのたくったテーマの8曲目。

2005/03/27

佐藤允彦(P)プレイズ富樫雅彦#3

Masahiko3
佐藤允彦が富樫雅彦の作曲した曲を演奏する、第3弾。曲はいかにもメロディ・メイカーといった感じの印象的な分かりやすいメロディを奏でるものから、フリーで作曲の部分はどこにあるの(おそらくモチーフなどを提示しているのだろうと思われる)と思わせるような曲に至るまで、いろいろなタイプの曲が揃っています。1枚目よりは3枚目の方がよりフリー的な要素が強まっているような気もしますが。だいぶ前の作曲で、他のアルバムに録音されているものも数曲ありますが、録音した’04年の作曲のものが大半を占めます。個人的には好きなピアニストですけれど、硬派なフリーもあるだけに、ある程度聴く人を選ぶかもしれません。


佐藤允彦(P)プレイズ富樫雅彦#3(ewe)
Masahiko Satoh(P) Plays Masahiko Togashi #3(ewe) - Recorded September 17, 2004. - 1. Contrast 2. Floating 3. Let's Hurry 4. Pot Of Desire 5. Shower 6. Bridge 7. Haze 8. Variation 9. Today's Feeling 10. I Miss You

佐藤允彦のピアノやキーボードによる、富樫雅彦の曲を演奏したアルバムの3枚目。メロディアスにテーマがはじまったと思ったら急速調のフリー的なインプロヴィゼーションが続いて緊張感をはらんで、またテーマに戻る1曲目、無機的に静かに進んでいくバラード(?)の2曲目、速いパッセージの続くやはりフリー的な曲の3曲目、スローなボッサで哀愁漂うメロディに情感がこもる4曲目、動のイメージで展開するフリーでパルス的に跳躍する5曲目、軽いブルースのようでいて16小節だというちょっと変わった6曲目、これも作曲?と言えるギャロンギャロン系のフリーの7曲目、スペイシーで一音一音が緊張しているバラードの8曲目、明るい気分のメロディがあふれる9曲目、この曲のみエレキピアノで優しい雰囲気の10曲目。(05年2月23日発売)

2005/03/26

SWING GIRLS LIVE!!/スウィングガールズ

Swinggalive
DVDでも4月6日に別編集のもの(そちらはファーストラストコンサートとなっていて、スウィングガールズ以外の演奏の映像もあるようです)が出るらしいですけれど、こちらの方は文字通りラストコンサートの2日間を収録、スウィングガールズのみの演奏を編集したCD。はっきり言って、40代前半なのに私はミーハー(笑)。堅苦しいジャズばかりではなくて、こういうアルバムも大好き。以前、映画がらみで買ったオリジナルサウンドトラックの方は、彼女たちの演奏が半分弱しか入っていない(しかも収録時間が全部で30分ほどでした)ので、ちょっと物足りなさが残りましたが、こちらの方はずっと彼女たちの演奏が続くので、満足度はアマチュアの演奏という前提では、けっこう高いでした。映画では準主役級だった本仮屋ユイカが参加していないのは、NHK連続ドラマ「ファイト」の主役なのでそちらの収録が忙しく、止むを得ないですが、1人抜けても何とかなってしまっています。エレキベースとエレキギター(それもソリッドボディ)のスウィング・ジャズのビッグバンドなので、古い’40年代全盛期のものよりは聴きやすく、今これから聴く人たちには、いいかも。上野樹里の「シング・シング・シング」での短いサックスソロ、書き譜ながらあのダーティなジャズっぽい音色を出せるところ、さすがです。

でもやっぱり言いたいことは、これは映画を観てから聴くともっといいと思うこと。DVDが発売されたしレンタルもしているし、ということで、ぜひご覧になって、笑って楽しんで、映画の世界に入り込んで下さい。なぜアマチュアなのにこの演奏が良いか、もっと分かるはずです。


SWING GIRLS LIVE!!/スウィングガールズ(Universal) - Recorded December 27 and 28, 2004. あすか(As)、中村知世(As)、根本直枝(Ts)、上野樹里(Ts)、松田まどか(Bs)、金崎睦美(Tp)、あべなぎさ(Tp)、長嶋美紗(Tp)、貫地谷しほり(Tp)、前原絵理(Tb)、中沢なつき(Tb)、辰巳奈都子(Tb)、関根香菜(G)、水田芙美子(B)、豊島由佳梨(Ds)、平岡祐太(Key) - 1. Swing Talk オープニング! 2. Take The A Train 3. Up Tight 3. In The Mood 4. Over The Rainbow 5. Arrivee Des Caminneurs 7. Swing Talk みなさまへ! 8. Moonlight Serenade 9. Mexican Flyer 10. Sing Sing Sing 11. Swing Talk アンコール! 12. Take The A Train 13. L-O-V-E

’04年27日、28日に行われたライヴ。本仮屋ユイカ(Tb)のみ他番組の収録で忙しく欠席で残念ですが、それでもなかなか楽しめる演奏。もちろんアマチュアレベルでは、という前提ですが、あえてそれを分かって聴いていると満足度は高いです。映画でおなじみ「A列車で行こう」「イン・ザ・ムード」ムーンライト・セレナーデ」「シング・シング・シング」なども入っていて映画のプラス・アルファで楽しめるほか、映画が終わってから練習を始めた「アップ・タイト」その他の曲もあり、4ビートの曲だけではないので、アルバム1枚まるまる「ライヴ」として楽しめる内容。ただ収録時間が全部で34分台と、少々短め。途中何回かアナウンスをはさんでアンコールに再度「A列車で行こう」と合唱で「L-O-V-E」がなかなか。できれば映画も観て。(05年3月23日発売)

2005/03/25

Brand New/Marc Copland, John Abercrombie, Kenny Wheeler

Brandnew
Thatssure
ピアノ、ギター、トランペットという変わった編成のトリオで、メンバーもマーク・コープランド、ジョン・アバークロンビー、ケニー・ホイーラーと、ヨーロッパの、特にECM系のジャズが好きな人にはなかなかコタエられないメンバーです。サウンドもやや盛り上がりを見せる部分でも寒色系で、サウンドも淡彩色綾織系の不思議な感触をもたらします。ベースもドラムスもいないので、オーソドックスなジャズが好きな方には敬遠されるでしょうけれど、こういうジャズ(?)が好きだという変わった層も一定数いるようですね。


Brand New/Marc Copland(P), John Abercrombie(G), Kenny Wheeler(Tp, Flh)(Challenge)(輸入盤) - Recorded October 9 and 10, 2004. - 1. Monk Spring 2. Lights Out 3. Jive Samba 4. Reach For That Other Place 5. Take Four 6. Brand New 7. Odyssey 8. Watching Simona 9. Taking A Chance On Love

(05/03/20)この変則的なメンバーでの2枚目。メンバーそれぞれのオリジナルが全9曲中7曲。温度感の低いちょっと硬質な世界が広がっています。ただ、そんな中でも、1曲目のようにギターで4ビートを出しながら部分的にスウィングを感じさせる場面もあって面白い。ドラマチックな展開。淡彩色で危ういバランスの上に成り立っている2曲目、ナット・アダレイ作で、リズムはのる方向にありながら冷たい感触の3曲目、ゆったりしっとりと進んでいく4曲目、浮遊感を伴いつつほんの少しのスウィング感覚もある5曲目、静かでひんやりとしながら徐々に坂を上っていくタイトル曲の6曲目、中間色系やや明るい基調でエキゾチックなラインもある7曲目、叙情的な風景が広がるような音の8曲目、メロディアスなスタンダードの9曲目。


ちなみに1枚目も紹介します。


That's For Sure/Marc Copland(P), John Abercrombie(G), Kenny Wheeler(Tp, Flh)(Challenge)(輸入盤) - Recorded October 28 and 29, 2000. - 1. When We Met 2. That's For Sure 3. Kind Folk 4. Soundtrack 5. Played Straight 6. Darl Territory 7. How Deep Is The Ocean 8. #114 9. Neba

(02/04/14)変則的なトリオでの演奏ですが、内容的にはけっこう素晴らしい。3人のうち2人がECMのミュージシャンという事もあって、しかもそこにマーク・コープランドが絡むとあって、興味深い演奏です。また、7曲目を除いてメンバーそれぞれのオリジナルですが、既出の曲も何曲かあり、メロディが耳になじんでいる曲もあったりします。ECMよりは温度感がやや高く、ドラムスやベースがないにもかかわらず、このフォーマットとしてはという前提ですが、2、5、7曲目のようにノリがやや良い曲も。ただ、全体的にはゆったりした、繊細で叙情的な世界が目の前にあらわれてきます。危ういバランスの上に成り立つ、研ぎ澄まされた美しいフレージングのトリオ、という感じ。3人の音のまとまりも良いと思います。

2005/03/24

Introducing Kenny Garrett/Kenny Garrett Quintet

1014
Criss Crossレーベルも初期の頃はベテラン勢の録音が多かったのですが、このアルバムを端緒に、徐々にアメリカの新人や中堅どころのミュージシャンの録音に比重を移しはじめます。やっぱりそこには’50-60年代を引きずった、ある意味大らかで、「せーの」で録音を始めてしまうラフな感覚とは違って、現代ジャズのカチッとしたもの(曲、フレーズ)がサウンドにあらわれています。ある意味そういうところが自分自身好きなのかなーと思いつつ、早めに番号の若い方を聴き倒して、だんだん好みになってくるこのレーベルの後ろの番号の方を楽しみにしたいと思います。ここでのケニー・ギャレット、まだ「ジャズ」の演奏ですが、やっぱりその後にどんどん頭角をあらわしていっただけのことはあります。


Introducing Kenny Garrett/Kenny Garrett(As) Quintet(Criss Cross 1014)(輸入盤) - Recorded December 28, 1984. Woody Shaw(Tp, Flh), Mulgrew Miller(P), Nat Reeves(B), Tony Reedus(Ds) - 1. For Openers 2. Have You Met Miss Jones 3. A Silent Prayer 4. Blues In The Afternoon 5. Oriental Tow Away Zone 6. Until Tomorrow 7. Reedus' Dance 8. Lover

(05/03/20)ケニー・ギャレットの初リーダー作で、彼の作曲は全8曲中5曲。彼のソロも非凡なフレーズ。なかなかいいメンバーが揃っています。アップテンポで硬派な雰囲気かつ今っぽいアンサンプルやソロで突き進み、後半2人のホーンが同時にぶつかり合う1曲目、一転メロディアスに朗々と歌うスタンダードの2曲目、美しいメロディで優しく語りかけてくるようなバラードの3曲目、ブルースのタイトルはついているけれど、アップテンポで現代的なテーマとフレーズの4曲目、中国的なテーマを持っていてもソロではモーダルな感じの5曲目、8分の6拍子でちょっと沈んだ哀愁感覚を持っていて、その後盛り上がっていく6曲目、アップテンポのラテンノリで気持ち良く進んでいく7曲目、スタンダードをやはりノリ良く料理する8曲目。

2005/03/23

On Target/John Swana Quartet

1241
どうしても手持ちのCriss Crossレーベルの作品の中では、新しく制作されたものの方から聞いてしまうクセが出てきてしまったようで、1000番台の順番聴きはなぜか後回しになってしまっています。現代ジャズ好きが逆に弊害になってしまったかな(笑)。ここではギターを含むピアノレスのクァルテット。リーダーのジョン・スワナもなかなかですが、ここに出てくるジェシ・ヴァン・ルーラーのギターのソロやサイドにまわった時のサポートにまいってしまいました。やはり彼はただ者ではないような気がします。9曲目のアップテンポの曲でバリバリと弾きまくる時はもちろん、控えめな演奏の時も光っています。


On Target/John Swana(Tp, Flh) Quartet(Criss Cross 1241)(輸入盤) - Recorded December 16, 2002. Jesse Van Ruller John Patitucci(B), Eric Harland(Ds) - 1. Through My Eyes 2. Mud Puppy 3. Sweet Sadness 4. On Target 5. View From Above 6. When Love Was You And Me 7. Jitterbug Waltz 8. Suspended Sentence 9. Philly Jazz

(05/03/15)全9曲中7曲がJohn Swana作。ピアノレスでギターが加わって、ストレートなジャズながら自由度が高いような気がします。テーマのメロディが印象的で4人が有機的に前に進んでいくような1曲目、ミュート・トランペットで甘さとちょっとした懐かしさを出しているホンワカとした2曲目、哀愁漂う比較的静かなバラードの3曲目、ミディアムの4ビートながらスペースがやや広めで自由にメロディが展開していくタイトル曲の4曲目、やや憂いを帯びつつテーマのメロディの印象が強い5曲目、アビー・リンカーン作の優しくも温かい、朗々としたバラードの6曲目、ファッツ・ウォーラー作の、原曲の雰囲気を生かした演奏の7曲目、淡色系でちょっと渋めな感触のサウンドの8曲目、アップテンポのビ・バップのような展開の9曲目。

2005/03/21

Bastion Of Sanity/David Binney

1261
Criss Crossレーベルの2月に出た新譜もこれで5枚目で、とりあえずは一段落。今日のアルバムはデヴィッド・ビニーとクリス・ポッターというサックスの組み合わせ。比較的饒舌で、バリバリと吹きまくり、フリーキー、あるいはメカニカルな感じもあったりスピリチュアルな雰囲気もあったりと、アルバムが77分と長いので、とにかくお腹いっぱい、という感じになってしまうアルバム。ホント元気ですね、と思います。それでいて大部分はメロディよりはフレーズ、という感じで、あまり万人に聴きやすいサウンドとは言えないかも。まあ、メンバーがメンバーですからね。ただ、やっぱり現代ジャズのシリアスな方は、こういう方向なので、その方面が好きな人にはいいかも。


Bastion Of Sanity/David Binney(As)(Criss Cross 1261)(輸入盤) - Recorded April 28, 2004. Chris Potter(Ts), Jacob Sacks(P), Thomas Morgan(B), Dan Weiss(Ds) - 1. Lester Left Town 2. Try 3. Plan 4. Bastion Of Sanity 5. Last Minute 6. Heaven 7. Gesturecalm 8. Right Before 9. PF

(05/03/12)全9曲中7曲がDavid Binneyの作曲。全体的にホーンがスゴい。1曲目はウェイン・ショーターの作品で、サウンドは今ながらオーソドックスな4ビートの上をバリバリと舞うホーン。難しそうなリズム・フィギュアの上を飛ぶホーンで、現代ジャズの2曲目、バラードなのに一筋縄ではいかなくて緊張感の漂う3曲目、複雑なリズム、自由でフリーキー、時にスピーディーなホーンが目立つタイトル曲の4曲目、変拍子ファンクの様相を呈しているなかでのホーンのやり取りが面白い5曲目、デューク・エリントン作の比較的聴きやすいバラードの6曲目、特徴的なベースラインからドラマチックに展開し、自由に飛び回るホーンやピアノの7曲目、比較的聴きやすいメロディでややボッサの8曲目、複雑なリズムにノリながらの9曲目。

2005/03/20

Easy Now/Orrin Evans

1259
Criss Crossレーベル新譜4日目。今日のオリン・エヴァンス、かなり特徴的なピアノを弾く人で、1曲目はセロニアス・モンクのような引っ掛かりフレーズを弾いたと思ったら、フリーっぽかったり、正攻法的だったりと、いろいろな色合いを見せてくれます。9曲目のホレス・シルバー作の「ソング・フォー・マイ・ファーザー」はファンキーに演奏するのが通常ですけれど、ここではピアノとホーンだけで、しっとりと静かに演奏しているのが印象的でした。また、昨日紹介したハードバップのJohn Swanaのアルバムにも参加していたMike Boone(B), Ryron Landham(Ds)ですが、ここでも曲によって参加していて、この2人、現代ジャズにも対応できるじゃん、とも思いました。原朋直の曲が2曲あるのも面白いですけれど、フリーに近いような演奏でした。もちろん構築されるべき部分はきっちりと構築されていますけれども。


Easy Now/Orrin Evans(P)(Criss Cross 1259)(輸入盤) - Recorded April 27, 2004. Ralph Bowen(As, Ss), J.D. Allen(Ts on 9), Mike Boone(B), Eric Revis(B on 5, 7), Rodney Green(Ds on 1-3, 5), Ryron Landham(Ds) - 1. Captain Black 2. BM 3. For De 4. Don't Fall Off The L.E.J. 5. Easy Now 6. Bonus Round 7. Dance On The Moon 8. Dorm Life 9. Song For My Father 10. Don't Fall Off The L.E.J.

(05/03/12)全10曲中Orrin Evans作は5曲。原朋直の曲も2曲。リズムの交替もありますが基本的にはクァルテットの曲が多い。1曲目は自由に寄り集まって音を出したら徐々に曲になってしまった雰囲気で、ピアノがセロニアス・モンクのよう。不思議なリズムでややエキゾチック、自由な原作の2曲目、内向的で神経質な静かなバラードの3曲目、アップテンポだけれど、今特有の自由なスペースと浮遊感を持つ4曲目(と同曲小品の10曲目)、静かでスピリチュアルな展開のタイトル曲の5曲目、なかなか複雑なメロディを持ったエキゾチックな6曲目、これも原作のフリーバリバリの部分もある、かなり自由な7曲目、4ビートで比較的オーソドックスな小品の8曲目、ホレス・シルバー作の静かでしっとり感覚の、意表をついた9曲目。

2005/03/19

Philly Gumbo Vol.2/John Swana And The Philadelphians

1260
Criss Crossレーベル新作3日目。現代ジャズを聴かせてくれるアルバムが多いと思ったら、今回のようにハード・バップ色が非常に強いアルバムを出してくることもあって、なかなか中身を聴くまでは、内容が分かりません。こういう時代のサウンドもけっこういいよなあ、と思ったりもしたのですが、以前邦人ジャズのCDで、現代の録音なのにハードバップの語法バリバリのアルバムを聴いて、何で今さら、と思ったこともあったので、結局私はブラインドで聴かせると、そこらへんの価値観がけっこうアヤフヤなのかなあ、とも思ってみたり。まあ、それは置いておいて、面白かったアルバムではありました。


Philly Gumbo Vol.2/John Swana(Tp) And The Philadelphians(Criss Cross 1260)(輸入盤) - Recorded April 29, 2004. Bootsie Barnes(Ts), Larry McKenna(Ts), Sid Simmons(P), Mike Boone(B), Byron Landham(Ds) - 1. Sid's Dilemma 2. 127 W Wilt Street 3. Three Of A Kind 4. Ortlieb's 5. Quasimodo's Uncle 6. Everything Happens To Me 7. Mingus And Jaco 8. It's Over Your Head 9. Bootsie's Bolero 10. In Memory Of...

(05/03/12)全10曲中6曲がJohn Swanaの作曲。他のメンバーの曲もあり、スタンダードは1曲のみ。3管がテーマの厚みを出しています。1曲目から’50年代後半から’60年代初頭あたりのハード・バップが漂ってきます。ややアップ・テンポの渋い4ビート・ジャズ。ミディアムで心軽やかなサウンドの2曲目、8分の6拍子で哀愁系のマイナーなサウンドを持ちながら後半盛り上がる3曲目、オーソドックスで懐かしいサウンドの4曲目、渋い絡みを持つテーマのブルースの5曲目、唯一のスタンダードで優しく奏で上げていく6曲目、タイトルに比してオーソドックスな感じの7曲目、ややアップテンポで各ソロもなかなか快調な8曲目、懐かしいサウンドの味わいの9曲目、Swanaのトランペットがミュートで囁きかけるトリオでの10曲目。

2005/03/18

Wailin'/Reeds And Deeds

1258
Criss Crossレーベル、新譜の2日目です。今回はエリック・アレキサンダーとグラント・スチュワートという2人のテナー・サックスのユニット。どちらもこのレーベルでは何枚かアルバムを出している、いわゆる看板スターの競演ということになるのでしょうか。ただ、最近のサックスって、基礎練習をつんでいたり正式にジャズを習っていることが多いので、テクニック的にはうまくなったかわりに、強烈な個性というものが出にくくなっています。「アレキサンダーの方がほんの少しメカニカルで派手な感じ。」と書きましたけれど、実際には英文ライナーでソロの順番が書いてあるものもあって、それを頼りにしている部分もあって、違いがはっきりと分かる、というほどではないです。まだまだ聴き込み不足かも(笑)。


Wailin'/Reeds And Deeds(Criss Cross 1258)(輸入盤) - Recorded April 20, 2004. Eric Alexander(Ts), Grant Stewart(Ts), David Hazeltine(P), Peter Washington(B), Kenny Washington(Ds) - 1. Somewhere In The Night 2. Stand Pat 3. Big RC 4. Born To Be Blue 5. That's Earl, Brother 6. Russian Lullaby 7. The Shadow Of Your Smile 8. Scotch Thing

(05/03/12)テナー2人のグループ。それぞれの作曲は計3曲で、他はスタンダードやジャズメン・オリジナル。1曲目からバトルかと思いきや、ミディアムの優しい曲ではじまります。テナーの強烈な個性の違いはないものの、何となく聴き分けられる感じ。アレキサンダーの方がほんの少しメカニカルで派手な感じ。テーマがやや無機的なアップテンポの4ビートで、フレーズも鋭くせまる2曲目、今っぽいミディアムのブルースで渋くせまる3曲目、美しくメロディアスなバラードはスチュワートの演奏での4曲目、ディジー・ガレスピー作を陽気なミディアムで進行する5曲目、「ララバイ」にしてはアップテンポでスピーディーな展開の6曲目、アレキサンダーのバラードで切ない演奏の7曲目、ちょっと渋めで抑制の効いたミディアムの8曲目。

2005/03/17

Past - Present - Future/George Colligan Trio

1262
Criss Crossから先月5枚新譜が出たので、紹介していくことにします。今回は私の好きなジョージ・コリガンです。やはりフレーズがメカニカルだったり、温度感がやや低めだったりといろいろありますけれど、なぜかひきつけられるものがあります。今回はピアノ・トリオなので、ピアノの露出度も満点。ただ、サウンドが今のピアノ・トリオブームのピアニストたちとは一線を画すので、やっぱり彼ならではの路線が好きな方向け、ということになるのでしょうか。スタンダードやジャズメン・オリジナルが多いのに、なぜかあまりそういう気がしないのも、このアルバムの特徴です。


Past - Present - Future/George Colligan(P) Trio(Criss Cross 1262)(輸入盤) - Recorded October 31, 2003. Vincente Archer(B), Bill Stewart(Ds) - 1. Sophisticated Lady 2. Akatumbo 3. East Of The Sun 4. This Nearly Was Mine 5. Past Present Future 6. Three Views Of A Secret 7. Cinema Paradiso 8. Holiday For Strings 9. Body And Soul 10. Invitation

(05/03/12)George Colligan作は5曲目のみで、スタンダードやジャスメン・オリジナル等が中心。大部分のサウンドは現代っぽいメカニカル系のサウンド。オリジナルのようなサウンドとリズム・アレンジの、途中に4ビートもあるエリントン作の1曲目、日本の「赤とんぼ」をリハーモナイズしていてスマートなジャズ・ボッサの2曲目、ワルツで聞かせながらもフレーズはウネウネとしている部分もある3曲目、乾いた優しさのあるバラードの4曲目、ちょっとひねくれた進行で彼らしいオリジナルのタイトル曲の5曲目、ジャコ・パストリアス作を重くジャジーに演奏する6曲目、モリコーネ作をしっとり聴かせる7曲目、アップテンポでスピーディな8曲目、ソロピアノで丁寧に奏でられる9曲目、曲の雰囲気のある、アップテンポでモーダルな10曲目。

2005/03/16

Brazilian Like/セルジュ・デラート・トリオ

Sergebrazil
澤野工房は、分かりやすいピアニストを多く出してくれていて、それがヒットにつながっているのではないかと思います。同時発売でフランスのSketchレーベルも販売していて、そちらの方がマニアックな内容のものも含まれていて、硬軟取り混ぜてうまくバランスが取れているような気がします。

今日のセルジュ・デラートは、陽性で分かりやすいピアニストの方になります。ふだん現代的で一般受けしないようなジャズを多く聴いている私には、こういうサウンドが清涼飲料水のように、聴いていてホッとして、しかも元気が出てくる感じです。分かりやすいものを否定することはないし、男っぽいたくましさだけではなく、ヨーロッパ特有の繊細さも持ち合わせていて、これはこれで面白いんじゃないかと思いました。タイトルはボッサを連想しますが、1曲目をタイトル曲にしただけで、あとはボッサではありません。


Brazilian Like/セルジュ・デラート(P)・トリオ(澤野工房
Brazilian Like/Serge Delaite(P) Trio(Atelier Sawano AS045) - Recorded November 26 and 27, 2003. Michel Gaudry(B), Jean-Marc Lajudie(Ds) - 1. Brazilian Like 2. Funji Mama 3. Skating In Central Park 4. Secret Love 5. A Nice Day 6. There Is No Greater Love 7. Just In Time 8. For Heaven's Sake 9. Prelude To A Kiss 10. Willow Weep For Me

セルジュ・デラートの澤野での2作目で、彼の曲は5曲目のみ。あとはスタンダードやジャズメン・オリジナル。相変わらず陽気で分かりやすいピアノ・トリオを聴かせてくれますがたくましいだけではなく、それなりに繊細な部分もあります。1曲目はまたもやミシェル・ペトルチアーニ作のちょっと哀愁を感じるボッサの曲、カラッとした陽気さのカリプソっぽい2曲目、大らかに包み込むようなワルツの3曲目、これまた明るく流れていくようなノリの良い4曲目、繊細に、しかも優しいバラードのオリジナルの5曲目、メロディアスでややアップテンポがスリリングな6曲目、本人の性格か、これまたやや陽性にせまる7曲目、しっとりとメロディを奏で上げる8曲目、ヨーロピアンなピアノが美しく楽しい9曲目、ベースが主役の感じの10曲目。(05年2月23日発売)

2005/03/15

ディープ・ソング/カート・ローゼンウィンケル

Kurtdeep
最近のギタリストのジャズの世界観というか、サウンド観は、いわゆるジャズ観というよりも1ギタリスト1ジャンルというような気がしています。ここ天下のVerveレーベルで、ブラッド・メルドーやジョシュア・レッドマンなど、スゴいメンバーをそろえた録音になっていますけれど、表現されているのはやっぱりジャズというよりはカート・ローゼンウィンケルの世界。サウンドは現代的で、私なんかはこういうサウンドは好きなんですけれども、大手レコード会社が売れセンを狙っている、というよりはやっぱりマニアックなサウンドになっているんですね。レコード会社の懐が深いと言うか何と言うか。メインストリーム系が好きな人はハズしそうですね。だからたぶん新しい物好きか、参加メンバーで手に取る人が多いのではないのでしょうか。


ディープ・ソング/カート・ローゼンウィンケル(G、Voice)(Verve)
Deep Song/Kurt Rosenwinkel(G, Voice)(Verve) - Recorded 2004. Joshua Redman(Ts), Brad Mehldau(P), Larry Grenadier(B), Jeff Ballard(Ds), Ali Jackson(Ds) - 1. The Cloister 2. Brooklyn Sometimes 3. The Cross 4. If I Should Lose You 5. Synthetics 6. Use Of Light 7. Cake 8. Deep Song 9. Gesture 10. The Next Step

カート・ローゼンウィンケル作が全10曲中8曲。スゴいメンバーですが、基本的には彼の現代的なギターの世界。1曲目の内向的で息がちょっと詰まりながらも時々やや盛り上がるところなど個性的。哀愁のギターのメロディと、ちょっと渋めで抑え気味のラテンタッチとでもいうのか、不思議感覚の2曲目、けっこう豪快に盛り上がるサウンドを持っている3曲目、キューバサウンドのようなバラードのスタンダードの4曲目、ウネウネしたテーマを持ちながらアップテンポな4ビートを繰り広げる5曲目、出だしのソロピアノが印象的で幽玄なサウンドを持つ6曲目、8分の6拍子系で流れるように、また盛り上がる7曲目、しっとり哀愁系のバラードのタイトル曲の8曲目、浮遊感覚満点の9曲目、ドッシリしつつ基本的に4ビートの10曲目。(05年2月23日発売)

2005/03/13

Allegory/Adam Rogers Quintet

1242
Criss Crossレーベルはオーソドックスなジャズがメインですけれど、このアルバムのように現代的な、ある意味においてはトンガッているアルバムも出しています。アダム・ロジャースにクリス・ポッター、エドワード・サイモンのラインナップですと、バップフレーズは出てこないです。9曲目のようにアップテンポの4ビートでバリバリと盛り上がっても、その温度感が極めて低く、その感覚はアルバム全体を通して感じます。あるいは無機的、あるいは浮遊感覚。それでもこれが彼らのジャズなんですね。現代的。サウンドを例えていうならば、夜プールの上に木を渡して、その上を目隠ししながら歩いていく感覚、とでも言うのでしょうか(笑)。好みが分かれそうなアルバムですが、私は好き。


Allegory/Adam Rogers(G) Quintet(Criss Cross 1242)(輸入盤) - Recorded December 21, 2002. Chris Potter(Ts), Edward Simon(P), Scott Colley(B), Clarence Penn(Ds) - 1. Confluence 2. Phyrigia 3. Was 4. Genghis 5. Abgle Of Repose 6. Orpheus 7. Red Leaves 8. Cleveland 9. Purpose 10. Angle Of Ropose - Reprise

(05/03/08)全曲Adam Rogersの作曲。ギターのトーンはオーソドックスですが、フレーズは現代っぽいトンガリ系。けっこうバリバリくる場面も。ちょっと無機的なテーマで、途中からアップテンポでハードにせまってくる1曲目、モーダルな感じでエキゾチックな香りもして盛り上がる2曲目、ゆったりした浮遊感のあるメロディにまとわりつくギターの3曲目、ゆっくりしたテンポながらも妖しげな浮遊感のまま中盤にクライマックスがくる4曲目、インタールード的で静かなバラードの5曲目(リプライズで10曲目)、寒色系の情緒を持ちつつ不思議空間へと誘う6曲目、アコースティックギターでしっとり哀愁系バラードの7曲目、やや寒色系のサウンドとエキゾチックさが同居する8曲目、アップテンポの4ビートでも冷たくて彼ららしい9曲目。

2005/03/12

Mind Over Matter/Mark Shim

Markmind
デヴィッド・フュージンスキーの最近購入したCDが4枚あって、それらは紹介したのですが、ついでに寄り道をして、デヴィッド・フュージンスキーのページのアルバムコメントの5行化への修正をしてしまいました。その時のラストに残っていたのがこのアルバム。Blue Noteのジャズ作品なのに彼が参加しているのが不思議だったのですが、それもお互いにライヴやスタジオで交流があったということで数日前に氷解しました。それだけではなくてこのアルバム、ジェリ・アレンやラルフ・ピーターソンまで参加しているんですね。さすが、Blue Note。


Mind Over Matter/Mark Shim(Ts)(Blue Note) - Recorded February 19-20, 1997. Geri Allen(P), David Fiuczynski(G), Curtis Lundy(B), Eric Harland(Ds), Ralph Peterson(Ds, Tp) - 1. Arrival(Intro) 2. Mind Over Matter 3. Snake Eyes 4. Dumplin' 5. The Dungeon(Interlude) 6. Oveida 7. Crazy 8. The Chosen Ones 9. Remember Rockefeller At Attica 10. Mass Exodus (Outro)

24歳マーク・シムの初リーダー作で、全10曲中7曲が彼の作曲。人選もあって聴きごたえのあるアルバム。イントロの1曲目とアウトロの10曲目は小品。王道を行くややアップテンポのタイトル曲の2曲目は、いかにも現代ジャズらしい香りに満ちています。8分の6拍子でダイナミックに盛り上がっていく3曲目、ラルフ・ピーターソン作で、彼がトランペットも吹いているミディアムの4曲目、フリーの雰囲気の小品の5曲目、しっとりとしたスローなバラードの6曲目、やや複雑なテーマでアップテンポの7曲目、クァルテットの演奏の8曲目、チャールズ・ミンガス作のアップテンポの9曲目。ジェリ・アレンは1-8、10曲目に、デヴィッド・フュージンスキーは1-2、5-7、9-10曲目に、ラルフ・ピーターソンは4、6、8曲目に参加。

2005/03/11

GENTLE HEARTS TOUR 2004/櫻井哲夫

Gentlehearts
櫻井哲夫、グレッグ・ハウ、デニス・チェンバースらのロック・ファンク系の超人たちが集まるとどんなことになるか、購入を予定してなかったんだけれども急に買おうと決めたアルバム。いやー、スゴいです。場面によっては聴いている部屋の音響のせいか、スピードが速すぎて何が何だか分からないという(笑)。でも、冗談ではなく、ライヴに行った人たちはノックアウトされて帰ってきたことでしょうね。ちなみに映像作品として同じライヴがDVDとして発売されていて、CDとはテイクが全て違うそうです。つまり、両方買えと言うことね(笑)。2、6曲目に比較的静かな曲を配しながらも、アルバム全体は体力勝負で聴くべきかも、ですね。


GENTLE HEARTS TOUR 2004/櫻井哲夫(B)(JVC)
Gentle Hearts Tour 2004/Tetsuo Sakurai(B)(JVC) - Recorded September 4 and 6, 2004. Greg Howe(G), Dennis Chambers(Ds), Akira Onozuka(Key) - 1. Samurai Faith 2. The Invisible Way 3. Pavane Pour Une Infante Defunte 4. Punk Jazz 5. Extraction 6. Gentle Hearts 7. Brain Strom 8. Wonderland In The Sky

全8曲中5曲が櫻井哲夫作曲。ライヴ。強力なメンバーでサウンド的にはファンクやロックのノリが強い。超絶技巧で、キメも入念。1曲目からそれこそロック的に飛ばしまくる、という感じで、ノリノリのフレーズを見せてくれます。憂いを帯びたメロディをチョッパーのベースとタイトなドラムスが支える2曲目、珍しく「亡き王女のためのパヴァーヌ」というクラシック曲を優しくバラードで奏で上げる3曲目、ジャコ・パストリアスの曲をフレットレス・ベースで、超絶ユニゾンもある変幻自在の4曲目、ギターのソロがこれまたタダ者ではないロック・ファンク系の5曲目、ポップスのような分かりやすいメロディのバラードのタイトル曲の6曲目、超速と言ってもいいくらい速い7曲目、タイトなリズムの上を走っていくギター、各ソロもスゴい8曲目。(05年2月23日発売)

2005/03/10

Two Tenor Winner/Clifford Jordan Quintet

1011
アルバムタイトルにもあるように、クリフォード・ジョーダンとジュニア・クックのテナー・サックス2人によるクインテットの録音です。同じ楽器だと、対照的なサウンドだといいのですが、どちらもこの音はこっちだ、という強烈な違いというのが見分けにくく(私がこの2人の他の演奏をほとんど聴いていないという要因が大きいです)、幸い英文の解説にソロの順番などが載っていて、それを見ながらアルバムを聴いていた状況です。せーの、という感じのセッション的な荒さはあまりなく、2テナーにしては割ときっちりとした演奏をしています。2曲目のような静かな、フュージョンなどの現代の曲に影響を受けた曲があるので、やっぱり’50-60年代と’80年代とは違うんだという印象はあります。


Two Tenor Winner/Clifford Jordan(Ts) Quintet(Criss Cross 1011)(輸入盤) - Recorded October 1, 1984. Junior Cook(Ts), Kirk Lightsey(P), Cecil McBee(B), Eddie Gladden(Ds) - 1. Half And Half 2. Song Of Her 3. Groovin' High 4. The Water Beater 6. Two Tennor Winner 7. Doug's Prelude

(05/03/06)メンバーのオリジナルとスタンダードやジャズメン・オリジナルが約半々。2テナーによるクインテットで、2人の対比も面白い。両方とも音域は高めですが、クリフォード・ジョーダンの方が低音の使い方が多いかな、という感じ。テーマが8分の6、アドリブは4分の4でジョーダンからジュニア・クックへと続いていく、テーマが印象的なミディアムの1曲目、しっとりとしていて抑制された、高音域を使ったメロディが美しいバラードの2曲目、ディジー・ガレスピー作の陽気で楽しいテーマ、アドリブの3曲目、アップテンポで現代的な雰囲気、ソロの交換が後半にある4曲目、優しいメロディで奏でられるバラードの5曲目、いかにもという感じの元気なホーンが聴けるタイトル曲の6曲目、2テナーとピアノのバラードの7曲目。

2005/03/09

Kif/デヴィッド・フュージンスキー

Davidkif
デヴィッド・フュージンスキーもこれで手持ちは一段落。中近東音楽への接近を見せたアルバムで5弦のチェロ(中近東系バリバリの音使いで、ベースの音域に近いところまでカヴァー)のミュージシャンとのコラボレーション作品です。本格的なワールドというほどでもないけれども、けっこう近いものがあります。これにロックやファンクを混ぜたらどうなるか、という答えがここにあります。ギターも時々フレットレスのものを使用しているようで、より異国情緒が出てくる感じ。ただ、彼の他のアルバムに比べてアクが強いので、やっぱりここら辺で好き嫌いが分かれるだろうなあ、と思いつつ。


Kif/デヴィッド・フュージンスキー(FuzeLicious Morsels)
Kif/David Fiuczynski(G) & Rufus Cappadocia(Cello)(FuzeLicoius Morsels) - Recorded 2000. Daniel Sadownick(Per), Gene Lake(Ds), Tobias Ralph(Ds), Lian Amber(Vo), Matt Darriau(Kaval, Cl), Mett Henderson(Prog) - 1. Mektoub 2. Phrygianade 3. Chinese Go Go 4. Prayer For My Father 5. Roxy Migraine 6. Purple Vishnu 7. Slap Bow 8. Gaida 9. V'smachte 10. Lullaby Foe Che

ルーファス・カッパドシアとの2人の共作と、それぞれの曲が中心。中近東音楽とロック・ジャズ・ファンクを融合。基本的にベースをチェロが補うので、よりエキゾチックかも。出だしが異国的な、中途からファンクの1曲目、アップテンポのリズムの中にギターでの中近東方面のメロディも満載の2曲目、不思議感覚の中国(中近東)的メロディのミディアムの3曲目、しっとりと哀愁を帯びているメロディのバラードの4曲目、せわしいドラムスの上を舞うチープなギターの音、時々広大な世界が広がる5曲目、中近東的なメロディで盛り上がる6曲目、ちょっと重めなロック・ファンクの7曲目、流れる異国情緒ではじまって変幻自在のファンクの8曲目、プログラミングで雰囲気が出ている9曲目、哀愁漂うメロディが印象に残る10曲目。(03年4月15日発売)

2005/03/08

ジャズ・レーベル完全入門/後藤雅洋著

「ジャズ・レーベル完全入門/後藤雅洋著」(河出書房新社)税込み1,785円

ジャズのレーベル別ガイドブックであり、各レーベルの説明のほか、各レーベルでオススメのアルバムをリストアップして、それぞれのアルバムにレビューが付けられています。私なんかもアルバムコメントという形ではけっこうな枚数をホームページ上で紹介していますが、プロである後藤さんと、アマチュアである私との間には決定的な差があります。

それは何かというと、私はあくまでもアルバム1枚としての内容紹介、時には各曲がこんな感じだった、という紹介程度のもので、それを寄せ集めてくればある程度の形にはなるにしても、Web上で目的のアルバムの内容を拾い読みする程度の内容の濃さしか持ち合わせていません。

それに対して後藤さんは、アルバムごとに、各レーベルにおける紹介するアルバムの位置付け、その演奏するミュージシャンにおけるアルバムの位置付けをはっきりと書きつつ、読み物として、つまり魅力的な面白い文章でレビューをされている、という点に違いが出てきます。通常は自分の興味あるアルバムのレビューしか読まないのに、この本のアルバム(実に27レーベル、511アルバムとのこと)を順を追って読んでいこうとさせる、文章力がありました。本を読んでいて知らないうちにモダンジャズの主要な部分を俯瞰することさえできます。だからプロは大変なのだし、スゴイのだな、と思わせます。

現在進行形のレーベルでもたいていが’70年代のアルバムまでで(たまに’80年代や最新で’90年代初頭までは紹介されていますが)、ある程度評価の定まっているアルバムの紹介です。個人的にはブルーノート、プレステッジ、リヴァーサイドなど、掲載されているジャズ全盛期の有名レーベルは、紹介されているアルバムの半分以上は聴いているので、全部読もうという気にさせたし、知っているアルバムが多いことで親しみを持てました。

定番作品が多く紹介されているので、これからジャズを聴こうとする人にもある程度ジャズを聴いている人にもこの本はオススメなんじゃないかと思います。

2005/03/07

ローランド・カーク伝/ジョン・クルース著/林建紀訳

「ローランド・カーク伝/ジョン・クルース著/林建紀訳」(河出書房新社)

5年ぐらい前になるでしょうか、割とベテランとおぼしき翻訳者の方から、ジャズ特有の用語の訳が分からない、という内容のメールをいただいたことがあります。私も20代の時に貿易業務を3年半ほど仕事でやっているので、英語は全く経験がないわけではないですが、商業英語って定型的なものが多く、最近ではその英語もほとんど忘れていて、私もお手上げでした。ジャズ本の翻訳というのは、そういうジャズ特有の用語がぼんぼん出てくるし、黒人の、あるいは地方の口語、スラング、地名などがけっこう出てくることもあって、翻訳は英語とジャズの両方の知識がないと、難しいと言われています。

翻訳者の林建紀さんは’02年頃まで「JAZZ DISC SELECTION」というホームページを持っていて、ジャズアルバムのレビューを日本語と英語両方でやっていたということもあり、英語とジャズの両方に精通している方です。今回が本の翻訳は初めてということですが、300ページほどもある本を、私はほとんど一気に読了してしまいました。時系列的ではなく項目別に、しかも様々な人のインタビューの断片をつなぎ合わせてローランド・カークを浮き上がらせていく、という気の遠くなるような伝記の表現の手法、おそらくその原文の文章の煩雑さ、インタビューの口語やスラングの翻訳に苦労されたのではないかと思います。こういう翻訳本って、レビューを書くのと違って、どこまで原文に忠実に訳すか、あるいは意訳をしていくのか、のバランスが難しいと思うのですが、うまくこなされていると思いました。

本の値段は税込み4,410円で、ある程度値段は張りますが、それだけの値打ちのある本だと思います。何たってローランド・カークの「初にして唯一の伝記」(本のオビより)なのですから。不幸にして、私はローランド・カークのアルバムをあまり聴いたことがありませんが、この本を一気に読んで、聴いてみたいなあ、と思うようになりました。内容については、先ほどのような執筆者の複雑な手法をとっているため、まず読んでみてください、としか言えませんが。それでものめりこんでしまいます。

(本のオビにある「訳者あとがき」より)
本書は、ラサーニアンにとっては彼の音楽への理解を深める格好のガイドで、ラサーン研究家と新たな伝記作者にとっては避けて通れない第一級の資料だ。

2005/03/06

Lunar Crush/David Fiuczynski/John Medeski

Davidlunar
あのメデスキー・マーチン&ウッドのジョン・メデスキーとデヴィッド・フュージンスキーの双頭アルバム。名前が似ているから、というわけではないのでしょうが、2人とも場面によってはアブナいフレーズを連発します。その連発具合が2人とも似ているような気がして、しかも重めのファンク、となれば、私なんかは小躍りして聴いてしまいました。曲によってはヴォーカルも入っていて、路線としてはデヴィッド・フュージンスキー側に寄っている感じ。こういう元気なアルバムを出してくれていたから、当時のGramavisionは好きでした。ジョン・スコフィールドやスコット・ヘンダーソンあたりを好きな人にはいいかもしれないですね。今日は新譜ではなくて、コメント修正編です。


Lunar Crush/David Fiuczynski(G)/John Medeski(Key)(Gramavision) - Recorded January 5-7, 1994. Fima Ephron(B), Jojo Mayer(Ds), Gene Lake(Ds), Michelle Johnson(Vo), Gloria Tropp(Vo) - 1. Vog 2. Pacifica 3. Gloria Ascending 4. Pineapple 5. Quest 6. Freelance Brown 7. Slow Blues For Fuzy's Mama 8. Lillies That Fester... 9. 122 St. Marks 10. Fima's Subrise 11. Spirit Of The World(Bonus Track)

ジョン・メデスキーとの双頭アルバムで、個性的な2人のぶつかりあい。 それぞれのキレ具合がいい。メンバーは主にデヴィッド・フュージンスキー側から。スピーディーな重量級ファンクでせまってくる1曲目、浮遊感の漂うようなヴォーカルのメロディが逆に頭に入りこむファンクなリズムの2曲目、やや不気味系とも言える重心の低めな3曲目、4つファンク時々キメ系のカッコ良い4曲目、ややゆったり系で妖しげなフレーズも心地良い5曲目、やはりスピーディー、重め、しかもヴォーカルまである6曲目、ロック的なブルースでちょっとルーズな7曲目、ハードで緩急自在なヴォーカル曲の8曲目、ややハードなロックの9曲目、ミディアムのリズムの上をゆらゆら漂って中盤盛り上がる10曲目、5拍子系の重くないファンクの11曲目。

2005/03/05

アマンダラ/デヴィッド・フュージンスキー&ヘッドレス・トーソズ

Davidamand
デヴィッド・フュージンスキーの追っかけ3日目です。「スクリーミング・ヘッドレス・トーソズ」名義の他のアルバムは全部ヴォーカル入りのファンク系のアルバムですが、このアルバムだけはギターがメインのインストルメンタルになっています。これがなかなか面白い。ジョン・スコフィールドやスコット・ヘンダーソン系列が好きな人は、それをさらに変態系にしたようなギターで、ロック色が濃い、というとご理解いただけるかも。こういうハードでヘヴィーなフュージョン(ファンク)は、久しぶりに聴いた感じで、やっぱり私はこういう系統が好きなんだなあ、と改めて思いました。基本の「ジャズ」からちょっと離れていてすいません(笑)。


アマンダラ/デヴィッド・フュージンスキー(G)&ヘッドレス・トーソズ(FuzeLicious Morsels)
Amandala/David Fiuczynski(G)'s Headless Torsos(FuzeLicoius Morsels) - Recorded 2000. Fima Ephron(B), Daniel Sadownick(Per), Gene Lake(Ds) - 1. Amandala 2. Torsos Jungle 3. Shannon's Kitchen 4. Leftowers 5. My Heavy Heart 6. Fallout Shelter 7. Cherry Red 8. Pattern 178 9. Kiss That Whisper 10. Purple

グループ名義の他のアルバムはヴォーカル入りの曲ばかりですが、今回は4人編成のインストルメンタル。これがなかなかカッコ良いロック・ファンク。1曲目のタイトル曲は重量級ながらもハード・フュージョンの趣きで、ある程度メロディアスにせまってきます。アシッドジャズのようなビートの上をスペイシーにギターが漂った後に盛り上がる2曲目、ギターの浮遊感やアブナさが漂うファンクの3曲目、7拍子で斬り込んでくる4曲目、前半ややおとなしくてメロディアス、でも後半重い5曲目、ハードロックのようなノリの6曲目、ギターがしゃべるような時もある、これまたハードなファンクの7曲目、変幻自在のミディアムな重いペースの8曲目、比較的静かなリズムの上を不気味に漂う9曲目、変拍子なのかリズムが変化する10曲目。(01年2月18日発売)

2005/03/04

ブラック・チェリー・アシッド・ラボ/デヴィッド・フュージンスキー

Davidblack
先日、このところ追いかけていなかったギタリスト、デヴィッド・フュージンスキーを久しぶりに聴いた2日目です。このアルバムは、’96年から’98年にかけてバラバラに録音していたものを集めてCD化したので、私が今まで聴いてきたものの空白を埋めるような、新たな発見もありました。’97年にこのアルバムに参加しているテナー・サックスのマーク・シムが、Blue Noteからデビュー・アルバム「マインド・オーヴァー・マター」を出しているのですが、そこに何とデヴィッド・フュージンスキーが参加。当時は不思議だったのですが、お互いに交流があったわけね、と、今日ひとりで納得。ただ、このアルバムもマーク・シムが参加しているとはいえ、やっぱりラップやロック・ファンクのアルバムで、ジャズとは接点が少ないかもしれません。私はこういうサウンド、好きなのですけど。


ブラック・チェリー・アシッド・ラボ/デヴィッド・フュージンスキー(G、Vo)(FuzeLicious Morsels)
Black Cherry Acid Lab/David Fiuczynski(G, Vo)(FuzeLicious Morsels) - Recorded 1996 - 1998. Ahmed Best(Vo, Raps), Dean Bowman(Vo), Sophia Ramos(Vo), Patrice Blanchard(B), Mark Shim(Sax), Gene Lake(Ds), Tobias Ralph(Ds), Adrian Harpham(Ds) - 1. Step On My Shoes A 2. Llessurgy 3. Radio In The Enemy (Song 1A) 4. Bollocks 5. Bad Boy 6. Shafta 7. Scrapecheese 8. Golden Rule 9. Step On My Shoes B

30分のアルバムで9曲入っています。3曲目がジョージ・ラッセルの曲を使っている以外はデヴィッド・フュージンスキーの作曲。’96年から’98年にかけての録音を集めたもので、曲によってメンバーが入れ替わっています。ただ、全曲ヴォーカルやラップが入っているので、’95年からのスクリーミング・ヘッドレス・トーソズのファンク・ロックサウンドと似通っている部分は多いです。3曲目も通常のラップ・ファンクに聴こえてしまいますが。でも、こちらのアルバムは3曲目のように鋭いキメや4、7曲目のような変化のあるスピード感もあってフュージョン的にはなかなか興味深いサウンド。この重さがけっこうたまらない。テナー・サックスのマーク・シムが1-2、5、9曲目に参加しているのも面白く、フレーズはジャズの場合も。(02年12月9日発売)

2005/03/03

2005/Screaming Headless Torsos

Scream2005
スクリーミング・ヘッドレス・トーソズはデヴィッド・フュージンスキーがやっているバンドのひとつですが、最新盤を買ってみました。相変わらずいろいろと好きな方面に足を伸ばしているなあ、と思ったら、案の定でした。このアルバム、全曲ヴォーカル入りのロック・ファンク系のアルバムで、ジャズ色はきわめて薄いです。でもなぜか曲がいいせいか、何度も聴いてしまうんですよね。ジャズファンからは怪訝な目で見られそうですが、私はこういうのも聴くと楽しい、ということで、今日はちょっと変わっていますが、紹介させていただきました。


2005/Screaming Headless Torsos(FuzeLicious Morsels)(輸入盤) - Released 2005. David "Fuze" Fiuczynski(G), Dean Bowman(Vo), Fima Ephron(B), Daniel Sadownick(Per), Gene Lake(Ds), Special Guest: Freedom Bremner(Vo) - 1. Mind Is A River 2. Woe To The Conquered 3. SUV SOB 4. No Suvivors 5. Faith In The Free 6. Mr. Softee's Nightmare 7. Fuel Farms 8. Zoom Zoroc 9. Just For Now 10. Smile At Me 11. Faith In The Free (Fima Remix)

(05/02/27)グループでは4枚目ぐらいのアルバムになるのでは。全曲ヴォーカル入りのファンク・ロック・アルバムで、ジャズ・フュージョン色はほとんどないです。ただ、リーダー兼プロデューサーのデヴィッド・フュージンスキーが曲作りにけっこう関わっていることで、そのサウンドはけっこう現代的、時にエキゾチック、時にロック的と、曲ごとに変化に富んでいて、カッコ良いサウンドがつまっています。そのロック的なギターの場面や、ヴォーカリストの歌い方などは、どちらかと言うとロック・ファンクサイドのファンの方からウケるのでは。ややハードな曲たちの中でもメロウでメロディアスな4、7曲目あたりが逆にアクセントになっていて、耳をそば立てます。5曲目はスキャットがジャズのアドリブっぽいかも。でも基本はファンクやロック。


先にこのアルバムをレビューしているところがありまして、
440@Web
そこのサイトのRecently Vol.5というところです。

2005/03/02

ワン・イヤー・アフター/ポール・ブレイ

Pauloneyear
久しぶりにポール・ブレイの再発盤が出た気がします。しかもイタリアのリズムを使っての録音というのも珍しい。1曲目で、ちょっと毛色は違うとはいってもブルースが出てきたのにはびっくりしました。ただ、全9曲中にはそれぞれのソロの曲も入っているので、録音としては案外手っ取り早く済ませてしまったのかもな、と思わせる部分があります。そんな中でソロ・ピアノの2曲目が哀愁感覚満点で、気に入ってしまいましたが。9曲目もソロ・ピアノで、こちらはジャジーな展開。結局彼って、フリー方面だけではなくて、いろんな表現方法を持っているのだな、と思いました。ただ、このアルバム、ちょっと地味かな、と思わせる面もありますが。


ワン・イヤー・アフター/ポール・ブレイ(P)(P.J.L.)
One Year After/Paul Bley(P)(P.J.L.) - Recorded 1992. Giko Pavan(B), Mauro Beggio(Ds) - 1. Blues 2. Italian Song 3. Latin Delay 4. Contrast 5. Ojos De Gato 6. Human Touch 7. Delays 8. Fig Foot 9. Blue Black

大半がメンバーそれぞれの曲。イタリア勢2人とのトリオ。1曲目が3人のインプロヴィゼーションで、「ブルース」ですが引っ掛かりがあって硬質な感じ。ポール・ブレイ作のイタリアの哀愁をあらわすようなメロディアスなソロ・ピアノでの2曲目、ドラマー作曲の、出だしでリズムが鼓舞して他の楽器を煽り立て、静かになったり変幻自在の3曲目、アルコ弾きのベースで始まり、ピチカートになってやや暗い浮遊感のあるベース・ソロの4曲目、唯一カーラ・ブレイ作の、何度も再演している薄暮の中を漂うような5曲目、最初は淡々と、そしてビート的なドラム・ソロを演ずる6曲目、重々しい感じのベース・ソロの7曲目、ブレイ作のテーマがはっきりしていて自由だけど4ビート色の強い8曲目、ソロ・ピアノでゆったりとジャジーな9曲目。(05年2月23日発売)

2005/03/01

フロム・レフト・トゥ・ライト/ビル・エヴァンス

Billfromleft
ビル・エヴァンスの正規盤でのリーダー作のCDはもう出尽くしていただろうと思っていたら、’05年の2月になってやっと日本初CD化されたのが下記のアルバムです。もっともアメリカでは’98年にCD化されていたらしいし、’97年に出た「コンプリート・ビル・エヴァンス・オン・ヴァーヴ」(18枚組のBOXセットで、鉄の錆びるデザインのBOXですね)の中には収録されていましたけれども。いきなり「ジャズ・ザ・ベスト」(税込み1,995円)に組み込まれるとは。エレキ・ピアノをジャズで使用したのは彼がはじめてではないと思いますが、使用していても彼のサウンドのペースが崩れない、というのも彼らしい気がします。


フロム・レフト・トゥ・ライト/ビル・エヴァンス(P)(MGM Records)
From Left To Right/Bill Evans(P)(MGM Records) - Recorded 1969-70. Mickey Leonarl(Arr, Cond), Sam Brown(G), Eddie Gomez(B), John Beal(B), Marty Morell(Ds), etc. - 1. What Are You Doing The Rest Of Your Life? 2. I'm All Smiles 3. Why Did I Choose You? 4. Soiree 5. The Dolphin - Before 6. The Dolphin - After 7. Lullaby Foe Felene 8. Like Someone In Love 9. Children's Play Song 10. What Are You Doing The Rest Of Your Life? (Quartet) 11. Why Did I Choose You? (Quartet) 12. Soiree (Alternate Take) 13. Lullaby For Helene (Quartet)

ビル・エヴァンスの作曲はかわいい雰囲気の9曲目のみ。彼がはじめてエレキ・ピアノ(フェンダー・ローズ)を取り入れたアルバムで、オーケストラが入ったり、多重録音をしたアルバムで、画期的なアルバム。そのため’05年の今、日本初CD化。別テイク4曲収録。通常のジャズ色は薄いにしても、彼自身のペースは変わっていないようです。ちょっと甘めかなと思いますが、彼のピアノのファンは多いはず。1曲目のように彼の他のアルバムでも聴ける曲もありますが、このアルバムだけで聴ける曲も多いとのこと。5、6曲目はそれぞれオーケストラなどのオーヴァーダビングをかぶせる前と後のヴァージョンだそう。爽やかなサンバ調の曲で、珍しいかも。しっとり系では7曲目も良く、おなじみの8曲目もゆったりと演奏します。(05年2月23日発売)

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