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2004/10/31

ニューヨーク・アンカヴァード/国府弘子

Hirokony
国府弘子のアルバムは毎回楽しみにしています。そういう私はややミーハーか。今回は初のピアノ・トリオ作とのことですが、それでもミノ・シネルがドラムスよりもパーカッションで参加している曲の方が目立っているような気がしてます。結果、独特な味をもつアルバムに仕上がりました。トリオが全開の部分も一部にあるにしても、抑えているサウンドの部分が多く、印象に残ります。国府弘子のアルバムは比較的売れているので、やはり聴きやすさも追求していますけれど、もはや彼女のサウンドとも言えるべきものを持っているのはスゴいかもしれません。今回は有名な曲のオンパレードなのも嬉しいところ。

ただひとつ、これはメーカーへの意見なのですが、SACDとのハイブリッドCDでもないのに今どき税込み3,150円は高いのではないかと思いますが。


New York Uncovered/Hiroko Kokubu(P)(JVC) - Recorded June 8 and 9, 2004. Christian McBride(B), Mino Cineru(Ds, Per) - 1. Besame Mucho 2. Stella By Starlight 3. Key Largo 4. Tico Tico 5. Malaika - Safari 6. Antonio's Song 7. Ju-ge-mu 8. Three Views Of A Secret 9. Miagete Goran Yoru No Hoshi Wo 10. Only Trust Your heart

トリオでのリーダー作では初作品。国府弘子は5曲目後半、7曲目を作曲。有名な曲が多いですが、やっぱり国府サウンドのピアノトリオか。しっとり系のラテンで、彼女らしい1曲目、夢見心地にさせる有名な「星影のステラ」の2曲目、ムード音楽になりそうでならないようなギリギリの3曲目、このアルバムではけっこう元気の良いラテンの4曲目、アフリカの民謡とオリジナルを組み合わせた後半盛り上がる5曲目、マイケル・フランクスの有名曲を湿気を含んだ静けさで奏でる6曲目、童謡のようなメロディで不協和音が面白いテーマ、中盤部はファンク的な7曲目、ジャコ・パストリアス作のテーマ部はじっくり、中盤は驀進する場面もある8曲目、坂本九の歌を慈しむように歌う9曲目、軽いジャジーなボーナストラックの10曲目。(04年10月21日発売)

2004/10/28

Birdland/Manhattan Jazz Orchestra

Mjobirdland
マンハッタン・ジャズ・オーケストラ、あるいはマンハッタン・ジャズ・クインテットの演奏を評価しないジャズファン(あるいはプロのライター)って相変わらず少なくないんですが、’84年にクインテットのファーストアルバムが爆発的に売れて、来日するたびにコンサートのホール(ホールですよ!)が満員になる盛況ぶりだったことを考えると、確実にジャズファンの裾野を広げて、他のジャズのアルバムを発売しやすくなったと思うんです。シャープで分かりやすい、しかも単純でないアレンジ、けっこう好きなんですけれどね。

今回はそのMJO15周年企画とのことで、曲を公募したらしいのですが、けっこう今風ですね。7曲目はスウィングガールズの演奏と比較(にならないかも知れないですが)すると興味深いです。まさか、ワザとぶつけてきたのでは、というのは考えすぎでしょうか(笑)。アレンジもドラマチックだし、気軽にも聴けるし、と、なかなか幅広くウケそうなアルバム。


Birdland/Manhattan Jazz Orchestra(Videoarts) - Recorded June 9 and 10, 2004. David Matthews(P,Arr, Cond), Lew Soloff(Tp), Ryan Kisor(Tp), Walter White(Tp), Scott Wendholt(Tp), Earl Gardner(Tp), Jim Pugh(Tb), John Fedchock(Tb), Larry Farrell(Tb), Dave Taylor(Btb), Chris Hunter(As, Fl), Aaron Heick(Ss, Ts, Fl), Ken Hitchcock(Bcl, Bs), John Clark(French Horn), Fred Griffin(French Horn), Tony Price(Tuba), Chip Jackson(B), Terry Silverlight(Ds) - 1. Birdland 2. Take Five 3. Dania 4. The Chicken 5. Fever 6. September 7. Sing Sing Sing

ジャズメン・オリジナルを中心に、有名な曲を取り揃えたアルバム。ビッグバンドとはいっても、フレンチホルンやチューバも入ったギル・エヴァンスに近い編成ですが、重心が低めながらもジャープで現代的、分かりやすいのが特徴。1曲目から「ハードランド」で今っぽくノリの良いテーマの仕上がりで、中間部での4ビートでの演奏もなかなかいい感じ。ちなみに1、3-4曲目がウェザー・リポート(ジャコ・パストリアス)関係。2曲目「テイク・ファイヴ」もかなりの有名曲でドラマ性のあるアレンジ。スピーディな3曲目と原曲の持ち味を生かした4曲目。けっこう渋めな感じの5曲目、ポップス的なノリのアース・ウインド&ファイアーの6曲目。7曲目の「シング・シング・シング」はタイムリーで、アレンジもカッコ良く、けっこう好みの演奏。(04年10月27日発売)

2004/10/27

City Nights/Frank Morgan

Frankcity
私の場合、アメリカのミュージシャンでもヨーロッパで録音しているアルバム(EnjaやCriss Crossレーベルなど)を聴くことが多いのですが、このアルバムを聴いて、うーん、やっぱりアメリカンテイストだな、と思いました。私が普段聴いていないタイプのジャズです。最近のジャズは、変な言い方をすると演奏でも作曲でも頭でっかちになってしまうので、もっとそこから自由になって気楽に聴けるこのアルバムを、つい何回も聴いてしまいます。それにしても、メンバーもスゴいですね。


City Nights/Frank Morgan(As)(High Note)(輸入盤) - Recorded November 28-30, 2003. George Cables(P), Curtis Lundy(B), Billy Hart(Ds) - 1. Georgie On My Mind 2. Cherokee 3. Summertime 4. All Blues 5. I Mean You 6. Round Midnight 7. Equinox 8. Impressions

これぞアメリカン・ジャズといった雰囲気で全編進んでいます。オリジナルがなくて、スタンダードやジャズメン・オリジナルが中心なのもミソ。サックスはおおらかに歌っていて、現代的な頭で聴く部分がないのも、モーガンが’33年生まれで、’80年代に30年ぶりにカムバックしたという点で、納得。知っている歌を自由にアドリブフレーズが流れてくる雰囲気で、どの曲もけっこう楽しめます。それを肉体的でもあるけれども、知性も感じられるジョージ・ケイブルスのピアノでサポートしています。気を楽にして、クァルテットならではの露出度の高い、流れてくるアルトサックスに身をまかせてみるのもいいかも。

2004/10/26

スウィング! all about BIG BAND

Swingall
コンピレーション・アルバムをポイントがたまったので衝動買いしてしまいました。実は「スウィング・ガールズ」のサウンドトラックといっしょにけっこう売れているのがこのアルバムです。60分以上収録の上に、本場の演奏が聴け、しかも「スウィング・ガールズ」での曲とけっこうかぶっている(1-3、7、17-19曲目の計7曲)ので、映画を見た人にも、スウィングジャズにこれから入っていく人にもオススメではないかと思います。サウンド的には「スウィングガールズと始めるジャズ入門」の付属CDよりは、こちらの方がだいぶイメージが近いです。ただ、古い録音も多いので、気分的には、巧拙は別にして、サウンドトラックの方がインパクトが大きかったような気もしていますが。


SWING! all about BIG BAND(BMG)

1.イン・ザ・ムード 2.ムーンライト・セレナーデ 3.L-O-V-E 4.真珠の首飾り 5.茶色の小瓶 6.オール・オブ・ミー 7.A列車で行こう 8.パパはマンボがお好き 9.マンボNo.5 10.ピンク・パンサーのテーマ 11.ピーター・ガン 12.アメリカン・パトロール 13.タキシード・ジャンクション 14.ミスティ 15.時の過ぎゆくままに 16.リル・ダーリン 17.シング・シング・シング 18.故郷の空 19.この素晴らしき世界

1-2、4-5、12-13曲目 ニュー・グレン・ミラー楽団、
3、6曲目 ジョン・ピザレリ、7曲目 ペリー・コモ、9曲目 ペレス・プラード楽団、
10-11、14-15曲目 ヘンリー・マンシーニ楽団、
16曲目 カウント・ベイシー楽団、 17曲目 ベニー・グッドマン楽団、
18曲目 トミー・ドーシー楽団、19曲目 ルイ・アームストロング、
(04年9月22日発売)

2004/10/23

Ancestry/北川潔トリオ

Kiyoshiances
ひとやすみと言った翌日にはまたアルバムコメントをアップする、という気まぐれもあるわけで、そこは自分の時間次第なのでお許し下さい。アルバムのコメントをするのに文章のイメージがわいてこない場合もあって、私の場合、異端ジャズをけっこう聴いてきたせいか、オーソドックスなものをどう表現したら良いか迷うことがあります。結果、今日はちょっと舌足らずかな、と思います。王道を行くケニー・バロンのピアノは素晴らしい、の一言。ブライアン・ブレイドはどちらかと言うと現代的なビートを叩き出すドラマーですが、3人がうまくマッチしていて、お気に入りのCDとなりました。澤野工房らしくないアメリカンなテイストも、逆にいい感じです。


Ancestry/Kiyoshi Kitagawa(B) Trio(Atelier Sawano AS042) - Recorded November 25 and 26, 2003. Kenny Barron(P), Brian Brade(Ds) - 1. Ancestry 2. Equinox 3. Time To Go 4. I Wish I Could 5. Tadd's Delight 6. Mahjong 7. Tell Me The Way 8. Hot house 9. Pinocchio 10. You've Changed

北川潔は全10曲中4曲(1、3-4、7曲目)を作曲。スゴいメンバーなので、線の太い、これぞジャズという世界も聴かせます。その力強さは1曲目の出だしから感じます。他にはジャズメンオリジナルでタッド・ダメロン作が2曲(5、8曲目)、ウェイン・ショーター作が2曲(6、9曲目)など、選曲もけっこう渋め。ジョン・コルトレーン作の2曲目もピアノのフレーズが素早く、しかも渋い曲調。アップテンポでせまる3曲目、切ないようなしっとり系のバラードの4曲目、ちょっと軽めの4ビートで、このトリオの意外な側面を見せる5曲目、比較的オーソドックスなジャズの6曲目、静かにゆったりと進んでいく7曲目、ベースとドラムスのみで曲を組み立てていく8曲目、リズミックで適度にカッコよい9曲目、唯一静かなスタンダードの10曲目。(04年9月25日発売)

また、初回限定で15分弱のDVDが付属していて、3人(特に北川潔)のインタビューと、本編には収録されていない「朝日のようにさわやかに」の録音風景を見ることができます。ただし、曲を通して、というわけではなくて、途中にインタビューがはさみこまれたりしていますけれど。ニューヨークの光景も時おり見ることができます。

2004/10/21

Man Of Many Colors/Walt Weiskopf

1219
Criss Crossレーベルでのブラッド・メルドー参加作紹介、連続4枚のうちの4回目です。ウォルト・ワイスコフというサックスのプレイヤー、はじめて聴きましたけれど、この豪華なサイドメンたちに負けず劣らず、けっこうなパワーで吹きまくっています。メロディアスな部分はあるにしても、この人、基本はメカニカルな吹きまくりではないかなあ、とCDを聴いていて感じました。曲によってはかなりの迫力のプレイ。私にとってはこういう演奏は大好きですが、やっぱり分かりやすさからいくと、ちょっと遠いのかな、という気もします。


Man Of Many Colors/Walt Weiskopf(Ts) Quartet(Criss Cross 1219)(輸入盤) - Recorded December 12, 2001. Brad Mehldau(P), John Patitucci(B), Clarence Penn(Ds) - 1. Triangle Dance 2. Haunted Heart 3. Together 4. Man Of Many Colors 5. People 6. NYC 7. Petal 8. When Your Lips Meet Me

(04/10/17)8曲中6曲がWalt Weiskopfの作曲。スゴいメンバーのクァルテット編成。メカニカルだけれどもコルトレーン的な要素もあるサックス。タイトルのように3拍子の上を、速射砲のように繰り出されるテナーサックスや、独特なピアノが迫力のある1曲目、今風なジャズですがメロディアスに進んでいくスタンダードの2曲目、ややしっとり系の都会的な雰囲気のバラードの3曲目、テーマやリズムがインパクトがあってテンションが高いままアドリブに突入するタイトル曲の4曲目、メロディアスなゆったり系、ただしサックスはメカニカルなバラードが展開する5曲目、複雑なテーマを持つアップテンポでスリルのある6曲目、現代的なバランスの上に成り立っているような7曲目、ラストはピアノとのデュオで優しいエンディングの8曲目。

2004/10/20

Yam Yam/Mark Turner

1094
Criss Crossレーベルでのブラッド・メルドー参加作紹介、連続4枚のうちの3回目です。今ほど有名ではなかったにしても、ここはそのまんまブラッド・メルドーのトリオに、カート・ローゼンウィンケルのギターというスゴいメンバーで、10年前に録音したとは思えないくらい新しい音で迫ってきます。ただ、変拍子が多かったり、リズムやメロディなどけっこう難しそうなものもあったりと、悪く言えば頭でっかちのサウンドでもあります。ただ、私はこういうサウンド、好きですが。


Yam Yam/Mark Turner(Ts)(Criss Cross 1094)(輸入盤) - Recorded December 12, 1994. Kurt Rosenwinkel(G), Brad Mehldau(P), Larry Grenadier(B), Jorge Rossy(Ds), Seamus Blake(Ts)(on 7), Terence Dean(Ts)(on 7) - 1. Tune Number One 2. Cubism 3. Yam Yam 1 4. Moment's Notice 5. Isolation 6. Subtle Tragedy 7. Zurich 8. Blues 9. Yam Yam 2

(04/10/17)マーク・ターナー作曲は全9曲中6曲。メンバーにブラッド・メルドー・トリオが入っていて、豪華なクインテットです。ミディアムの4ビートなのだけれど、浮遊感もあって新しいサウンドを感じる1曲目、カート・ローゼンウィンケル作のテーマで不思議なリズムが続き、アドリブでも変拍子系と思われる2曲目、やや落ち着いた8分の6拍子で各ソロがけっこう頑張っている10分台のタイトル曲の3曲目(9曲目が別ヴァージョン)、ジョン・コルトレーン作を何と5拍子で演奏する4曲目、サックスが朗々と唄うバラードが展開する5曲目、メルドー作のテーマが個性的でアップテンポのアドリブの6曲目、この曲のみテナーが3人参加してゆっくりしたアンサンブルから中間部で自由に展開する7曲目、かなり現代的なブルースの8曲目。

2004/10/19

Downtown Sounds/Grant Stewart Quintet

1085
Criss Crossレーベルでのブラッド・メルドー参加作紹介、連続4枚のうちの2回目です。これはかなり彼の初期の方の録音で、今に比べるとオーソドックスで、右手がメロディ、左手がコンピングという感じの演奏がほとんどなのですが、8曲目の「KOKO」でのものすごく速いテンポでのピアノソロがけっこうはじけ飛んでいて、今につながる右手左手バラバラ奏法の萌芽も一部には出ています。ただ、メンバーからしても、全体としてはかなりメインストリーム系のオードックスなジャズ、という感じもしています。


Downtown Sounds/Grant Stewart(Ts) Quintet(Criss Cross 1085)(輸入盤) - Recorded December 27, 1992. Joe Magnarelli(Tp), Brad Mehldau(P), Peter Washington(B), Kenny Washington(Ds) - 1. Autobahn 2. Smada 3. Daydream 4. From This Moment On 5. A Bee Has Two Brains 6. Sweet And Lovely 7. Intimacy Of The Blues 8. Koko

(04/10/17)ジャズメン・オリジナルやスタンダード曲集。特に、ビリー・ストレイホーン作が3曲(2-3、7曲目)。ブラッド・メルドーの初期の参加作品で、今よりはオーソドックスなピアノなのがミソ。ソニー・ロリンズ作の、まさに「アウトバーン」を突っ走るような小気味良いテンポの1曲目、テーマはエキゾチックな8ビートで、そしてアドリブ部分は4ビートで進んでいく2曲目、しっとりとした切ないバラードが聴ける3曲目、アップテンポだけれども哀愁も少し引きずっている4曲目、飛び跳ねるようなちょっとユーモラスなテーマを持ち、中間部はオーソドックスな5曲目、ちょっとゆったりとメロディアスに進行する6曲目、ブルース進行で明快なテーマを持っている7曲目、チャーリー・パーカー作のアップテンポで目まぐるしい世界が圧巻の8曲目。

2004/10/18

Heart's Content/Peter Bernstein

1233
最近、Criss Crossレーベルでブラッド・メルドーの参加作品で持っていないものを4枚探し出して、つい先日届きました。今日はその1枚目です。メンバーを見ただけで、スゴいと思いませんか。ピアノ・トリオとギターのクァルテットなので、サイドにまわったブラッド・メルドーもけっこう露出度が高く、しかも比較的新しい録音なので、いろいろと興味深いです。

なぜかこのCD、私のメインで使っているCDプレイヤーではかからず、家族用のポータブル・ステレオではかかるという状態でした。輸入盤ではこういう経験は2枚目です。そこでパソコンでCD-Rに落としてみたら、そのCD-RはメインのCDプレイヤーでかかったので、それをもとに聴いています。たぶん、プレイヤーとCDのプレスとの相性なので、CDの不良品、ということはないとは思います。


Heart's Content/Peter Bernstein(G) +3(Criss Cross 1233)(輸入盤) - Recorded December 14, 2002. Brad Mehldau(P), Larry Grenadier(B), Bill Stewart(Ds) - 1. Little Green Men 2. Heart's Content 3. Relativity 4. Constant Conversation 5. Dedicated To You 6. Simple As That 7. Public Domain 8. Blood Count

(04/10/16)全8曲中6曲がPeter Bernsteinの作曲。このアルバムはメンバーがスゴいです。ギターもピアノも聴きどころが多いので、これだけでも買いか。意外にもメリハリの効いたオーソドックスなジャズで攻めてくる1曲目、拍子がはっきり分からないけれども一部は5拍子と思われる、やや控えめな演奏のタイトル曲の2曲目、浮遊感覚のあるテーマと、4ビートで展開していくアドリブが鋭いながらやや淡色系のサウンドの3曲目、シンプルなマイナー系のボッサ(っぽく)語りかけてくるような4曲目、チャップリン作のバラードで味わいのある5曲目、しっくりと渋めにせまってくる6曲目、アップテンポの4ビートで目まぐるしくてメロディアスなフレーズが飛び交う7曲目、ジャズメン・オリジナルをソロ・ギターでしっとりと演奏する8曲目。

2004/10/14

Tests Of Time/Ralph Peterson Quintet

1240
2ヶ月以上前に買ったラルフ・ピーターソンのアルバム、やっとアップができました。この人はドラマーで、個性的な目立つドラミングを特徴としながらも、実は作曲もけっこう良くて、印象深い様々なタイプの曲を書いています。ただ、現代ジャズってそのサウンドが綾織的というか、はっきりとした分かりやすいメロディよりも、メロディの流れとサウンド全体で聴かせる方向に持っていく曲が多いので、慣れた人でないととっつきにくい、という面もあったりします。けっこういろんなサウンドが詰まっていて面白いアルバムだと思うのですが。

彼のアルバムはCriss Crossからは4枚出ていて、これで2枚聴きました。あと2枚のうち、最新作は手元にあるので、そう遠くないうちにアップできると思います。

Tests Of Time/Ralph Peterson(Ds) Quintet(Criss Cross 1240)(輸入盤) - Recorded December 10, 2002. Jeremy Pelt(Tp), Jimmy Greene(Ts, Ss), Orrin Evans(P), Eric Revis(B) - 1. Respect For Truth 2. tests Of Time 3. I Love You 4. Telepathy 5. Neo Terra 6. Ballad For Queen Tiye 7. Prayer For Columbine 8. When I Fall In Love 9. Question 10. Cheryl 11. Dark Prince

(04/10/12)ラルフ・ピーターソンの作曲は11曲中4曲ですが、メンバーの作曲が4曲あり、他の3曲はスタンダードなど。前回と同じメンバーでの録音。ドラムス度も高いです。都会的でカッコ良いメロディとサウンドでせまる1曲目、意外にも薄暮のようでスマートなゆったりしたメロディの、タイトル曲の2曲目、スタンダードだけれどもオリジナルのように響く3曲目、渋めのジャズですが浮遊感のあるテーマの4曲目、フレディー・ハバード作のアップテンポで10分を超える5曲目、フルート中心でやはり都会的なバラードの6曲目、緩急が繰り返しくる7曲目、静かに語りかけてくるスタンダードの8曲目、ユニゾンのテーマとアドリブのコントラストがある9曲目、クールなメロディのワルツの10曲目、アップテンポで破天荒ぎみな11曲目。

2004/10/13

Unspeakable/Bill Frisell

Billunspeak
ビル・フリゼールの最新アルバム、と言っても輸入盤が出てからしばらく経ってしまいましたが。国内盤がなぜか今回はまだ出るという情報がありません。やはり今までの牧歌的アメリカーナの世界からはちょっと違うところを歩んでいるからかも。今回はハル・ウィルナーのターンテーブルやサンプリングがあまり目立たないにしろ前面に出ていて、そういう意味からもだいぶ今までのアルバムとは毛色が違っています。ちょっと要注意ですけれど、ビル・フリゼールを追いかけている人から見れば、こういったサウンドも、彼のひとつの側面だということが分かります。やっぱりこれもジャズと言うよりは「ギターミュージック」なんだろうなあ、と思います。


Unspeakable/Bill Frisell(G)(Nonesuch)(輸入盤) - Released 2004. Hal Willner(Turntables, Samples), Tony Scherr(B), Kenny Wollesen(Ds), Don Alias(Per), The 858 Strings: Jenny Scheinman(Vln), Eyvund Kang(Viola), Hank Roberts(Cello), Steven Bernstein(Tp), Briggen Krauss(Bs), Curtis Fowlkes(Tb), Adam Dorn(Synth, Additional Editing) - 1. 1968 2. White Fang 3. Sundust 4. Del Close 5. Gregory C. 6. Stringbean 7. Hymn For Ginsberg 8. Alias 9. Who Was That Girl? 10. D. Sharpe 11. Fields Of Alfalfa 12. Tony 13. Old Sugar Bear 14. Goodbye Goodbye Goodbye

(04/10/12)今までと趣向を変えて、Hal Willnerのキャラクターが前面に出てきたサウンドだと思います。Hal Willnerの曲や彼との共作も多く、曲によってはストリングス(ビル・フリゼールのアレンジ、なかなか面白い)やブラスが加わります。のどかな感じは奥へ引っ込み、リズムのはっきりしたサウンドで、ちょっととらえどころのないエキゾチックさの曲も。1、4、8曲目のリズムやサウンドは何となく懐かしい。ただ、ギターもロックのギターのような弾き方が目立つので、基調はロックの方に求めた方がいいのかも。そのギターは2、6、9、12曲目などに顕著。5曲目はHal Willnerとのデュオ、10曲目はプラス・ストリングス。13曲目は前半はフリーに近いアヴァンギャルドで、後半はロックビート。14曲目は のどかさと浮遊感が同居。

2004/10/12

Sonny 2/Noel Akchote

Noelsonny
久しぶりのWinter & Winterレーベルの紹介です。ジャズの中でもギターとヴォーカルは、ジャズというよりも「ギター・ミュージック」「ヴォーカル・ミュージック」というくくりで説明した方が良いアルバムが多く、今日紹介するアルバムもやっぱりジャズというよりはギター・ミュージックなんだろうなあ、と思います。フリージャズの部分もあるにしても、底辺を流れる基調として、アコースティック・ギターによるのんびりとした牧歌的な雰囲気が印象的です。確かにインプロヴィゼーションでしょうが、ドイツのレーベルにしてはアメリカの田舎を思わせるような曲が多く、もっとのんびりしたところにビル・フリゼールがいるような、そんな感じです。

とは言うものの、やはりあまり聴きやすくない場面もあり、マニアックな路線でもあるので、ある程度聴く人を選んでしまうだろうなあ、という気がしています。ただし、ノエル・アクショテのアルバムの中では聴きやすいほうではないかな、と思いますが。


Sonny 2/Noel Akchote(G)(Winter & Winter 910 108-2 Music Edition) - Recorded May 23, June 30 and July 3, 2003. - 1. Blind Willie 2. Sonny 3. Melvins 4. Gary's Step 5. Peanut 6. She's Only Fourteen 7. Number One Free 8. Marapassa Dawn 9. There Is A Mountain 10. Joe 11. Dance With Me Montana 12. Soon 13. Dick Dogs 14. Portrait Of Lynda In Three Colors, All Black 15. Black Woman 16. Terry 17. Bialero 18. Young And Foolish 19. Long Tale

ギターのソロアルバムで、多重録音での演奏もあります。ギタリストのソニー・シャーロック集となっていて、大半はその曲。アコースティック・ギターの使用度が高いです。ノエル・アクショテ自身の曲も5曲(2、7、10、16、19曲目)。1、13曲目あたりはエレキギターでアヴァンギャルドな曲をさらにアヴァンギャルドに仕上げてみた雰囲気がムンムンしていますが、3曲目のダニエル・ユメール作の曲のように明るく牧歌的なアメリカンテイストの曲も。その後もアコースティックな4曲目のように、シャーロックらしくないような曲もありますがメロディなどの素材としてみるとけっこうイケます。時間的には短めの曲が多く続きますが、フォーク的な中にアヴァンギャルドさが出てくる場面も。18曲目はユニークでマイペースなスタンダード。(04年9月26日発売)

2004/10/11

Angel Eyes/Stefanie Schlesinger

Stefanies
ステファニー・シュレジンガーというものものしい名前からするとフリー系か?と思わせそうな(そんなことないか(笑))感じですが、ドイツのヴォーカリストのアルバムです。しかも、サウンドはポップス系。Enjaでもこういうものを出すんだねー、と思いましたが、例えばピアノトリオをバックにスタンダードばかりを歌うような、いかにもジャズというアルバムは市場が狭くなって売れないんじゃないでしょうか。

参加メンバーのオリジナルが多いのですが、意外にポップスやスタンダードの有名な曲を集めたような、メロディアスで印象に残る曲が多いのが特徴です。アレンジもおとなしめで、BGMにもいいのでは。4ビートジャズではないので、そこが好みの分かれ目かも。


Angel Eyes/Stefanie Schlesinger(Vo)(Enja) - Recorded 2004. Wolfgang Lackerschmid(Vib, Gramorimba), Bob Degen(P), John Lee(B), Karl Latham(Ds), Roger Squitero(Per), Guest: Slide Hampton(Tb), Hendrick Meurkens(Harmonica), Johannes Faber(Tp) - 1.Say That You Love Me 2. Stay 3. Welcome Back 4. The Way He Makes Me Feel 5. When Sunny Gets Blue 6. Four Sweet Words 7. Angel Eyes 8. L'amore Che Non C'e 9. No Reason For Spring 10. Hoffnung 11. Close Your Eyes

クラシック畑出身の女声ヴォーカリスト。参加メンバーのウォルフガング・ラッカーシュミットの曲が半分ほどを占め、スタンダードもあるにしても、ベースはエレキベースだし4ビートもほとんどないしで、内容はジャズというよりはポップス色がけっこう強いアルバム。1曲目ではボッサ風味もある聴き心地の良いポップスとして、その後の曲も、やはりラッカーシュミットのヴァイブラホンがサウンドの要になっていて、ソフトな肌触りのサウンドに耳に響いてきます。3曲目もジャジーながらラッカーシュミット作。ミッシェル・ルグラン作の4曲目はメロディが印象に残るしっとり哀愁系の曲。スタンダードなのに現代ポップスの感じのする5曲目。タイトル曲の7曲目はポップスにしてはなかなか渋めに仕上がっています。割と気楽に聴けます。(04年9月22日発売)

2004/10/10

私の海/ロザンナ・&ゼリア

Rosannaag
Enjaレーベルも好きなレーベルのひとつ。ECMレーベルと並んで、非ジャズ的な、民族音楽などの要素を持つアルバムも多く手がけています。それがジャズでなくても自分の興味にヒットする場合もあれば、そうでない場合もあるのですが、今日のアルバムはちょうどその真ん中辺かな、といったところ。ブラジル系の音楽にもいろいろあるようですが、自分の好みはメリハリが効いてスマートな音楽の方が、どちらかというと好みかも。


Aguas=Iguais/Rosanna & Zeria(Enja) - Recorded November 2003 - April 2004. Rosanna Tavares(Vo, G, Per), Zelia Fonseca(G, Vo), Marcio Tubino(As, Fl), Angela Frontera(Ds, Per), Davide Petrocca(B), Rosanna Levebtal(Cello), Paulinho Santos(Per), Tonihnho Ferraguti(Accordion), Joao Fonseca(G), Marlon Klein(Per), G-Strings - 1. Azulamento 2. Aguas-Iguias 3. Luarmina E O Mar 4. Os Amantes Da Ponte 5. Areal 6. So Joao 7. Mar De Mim 8. Ninho 9. O Jardim E A Fera 10. Elia 11. No Ar 12. Devocao

邦題「私の海」。Enjaのワールド・ミュージック系統のアルバム。ジャズ色はなく、ブラジル出身のシンガー・ソングライターで、ヨーロッパで活躍していてポップス的なエッセンスも少しあるという2人組の女性ユニット。やはりブラジルのサウンドを中心として、いろいろな要素が少しずつ混ざっている上でのフォークソング風のアプローチが郷愁を誘うこともあります。ボサノヴァ(の曲もありますが)ほどにはスマートではなく、もっと原初的なサウンドに近いものを持っているのですが、メロディ的にはある程度ひかれるものもあったりします。バックミュージシャンも都会的な面が少しと民族的な面が大半のような気がします。ヨーロッパではこういうニーズが高いようですが、日本ではやはり聴く人をある程度選ぶかもしれません。(04年9月22日発売)

2004/10/09

Vibrate/The Manhattan Transfer

Mantravib
マンハッタン・トランスファーのテラークへの移籍第2弾。第1弾が日本でのライヴ盤だったので、スタジオ録音では久しぶりのアルバム。いわゆるモダンジャズとは別な路線を行っていますが、ヴォーカルもコーラスもうまいしポップだし、エンターテイメント性もたっぷりなので、アルバムが出るたびに、つい買ってしまいます。今回もポップスやロックの曲も多めに取り入れていて、曲ごとに変化に富んでいて聴きやすいアルバムに仕上がっています。


ヴァイブレート(Vibrate)/マンハッタン・トランスファー(The Manhattan Transfer)(Telarc) - Released 2004. Member: Cheryl Bentyne(Vo), Alan Paul(Vo), Tim Hauser(Vo), Janis Siegel(Vo), Musician: Yaron Gershovsky(P), Will Lee(B), Steve Hass(Ds), Lew Soloff(Tp), Frank Colon(Per), "Fats" Kaplin(Mandolin, G), Doug Lvingston(Pedal Steel), Ramesh Misra(Sarangi), Joyce Hammannn(Vln), Laura Seaton(Vln), Lois Martin(Viola), Dave Eggar(Cello), Richie Goods(B), Hecter Del Curto(Bandoneon), Gil Goldstein(P), JOhn Yano(G, Prog), Billy Hulting(Marimba, Vib, Per), Svet Stoyanov(Bass Marimba), John Pizzarelli(G), Baraka(G) - 1. Walkin' In N.Y. 2. Greek Song 3. Vibrate 4. The New JuJu Man (Tutu) 5. Doodlin' 6. The Twelfth 7. First Ascent 8. Core Of Sound (Modinha) 9. Feel Flows 10. Embraceable You 11. Come Softly To Me/I Met Him On A Sunday

ティム・ハウザー(Vo)、アラン・ポール(Vo)、ジャニス・シーゲル(Vo)、シェリル・ベンティーン(Vo)の4人のメンバーに、ギル・ゴールドスタイン(Key)、ジョン・ピザレリ(G)、ルー・ソロフ(Tp)他。豪華なバック・ミュージシャン。前半は近年のポップスからの題材が多めですが、例えば4曲目はマイルス・デイヴィスの「TUTU」(ここでは「ザ・ニュー・ジュジュ・マン」というタイトルです)を取り上げたり、ボサノヴァ、グループの過去のレバートリー、スタンダードなども取り上げていて変化に富んでいます。どんな題材でも「マン・トラ」の曲に仕上がっていますが、ジャズファンにはやっぱり4曲目のダークな原曲っぽいサウンドにかぶせたコーラスがインパクトがあります。他はあまりマニアックなヴォーカリーズにはしらずに、安定した聴きやすい曲とヴォーカル、コーラスのオンパレードなのは見事。2曲目出だしのギリシャのギター(?)や7曲目出だしのアフリカンなパーカッションなど個性的な部分も。8曲目はしっとり哀愁系。(04年9月22日発売)

2004/10/08

Saxophone Summit: Gathering Of Spirits

Saxophone
マイケル・ブレッカーデイヴ・リーブマン、ジョー・ロヴァーノという現代で最高峰のサックスプレイヤーが集まって、しかもどの曲も3人が参加して演奏しているアルバム。雰囲気としては’60年代のジョン・コルトレーンのスピリチュアルな雰囲気を出しているような曲が多めで、聴きやすさからするとちょっと遠い場面もありますが、個人的にはけっこうそういう雰囲気も好みではあります。

コルトレーン研究家でもあり直系のようなサウンドのリーブマン、メカニカルでシャープな感じのあるブレッカー、どちらかというとホンワカしたサウンドのロヴァーノと、個性的な3人の集まりなので、そのサウンドの違いを比べるのも面白いかも。リーブマンはソプラノサックスを持つことが多いのですが、4-6曲目は全員テナーサックスなのがうれしいところ。


Saxophone Summit: Gathering Of Spirits/Michael Brecker(Ts, Kaval), Dave Liebman(Ts, Ss, Indian Fl), Joe Lovano(Ts, Acl, Tarogato, African Blackwood Fl)(Telarc) - Recorded January 12 and 13, 2004. Phil Markowitz(P), Cecil McBee(B), Billy Hart(Ds) - 1. Alexander The Great 2. The 12th Man 3. India 4. Peace On Earth 5. Tricycle 6. A Gathering Of Spirits

ジョン・コルトレーンの曲が3-4曲目、あとの4曲はサックスの3人とピアノのフィル・マコーウィッツがそれぞれ作曲。スゴいメンバーです。もちろん個々のサックス・ソロが白眉ですが、アンサンブルの場面も見事。ジョー・ロヴァーノ作で比較的オーソドックスな4ビートの中に3人の個性的なソロが舞い飛ぶ1曲目、マコーウィッツ作のゆっくりめながらも緊張感の漂いまくっているソロとサウンドの2曲目、サックス以外の楽器の出だしでプリミディヴな感じから、本編に突入して原曲風テーマを経て自由に飛翔する3曲目、5分ほどだけれどもスピリチュアルな4曲目、デイヴ・リーブマン作の静かでドラマチック、しかも17分もある5曲目、マイケル・ブレッカー作の、3人の自由(フリー)な合奏でさすがにタイトル曲らしい6曲目。(04年9月22日発売)

2004/10/07

Land Of The Sun/Charlie Haden

Charlieland
たとえ休日や夜などに書き溜めてあって、毎日1回、自動で更新をするここのアルバム紹介方法にしても、このところ新譜を聴き続けての紹介なので、さすがにきついです。でも、お宝の音源がまだゾロゾロ出てくるかもしれないと思うと、それを短い人生でどれだけ聴けるかと思うと、やっぱり追いかけてしまいますね。特に9月発売のCDにはいいものがいっぱい。このアルバムもそのひとつです。

チャーリー・ヘイデンはオーネット・コールマンのバックで演奏していたこともあり、フリー度が高いミュージシャンとして知られていますが、「クァルテット・ウエスト」名義の古きよき時代を懐かしむようなジャズサウンドのアルバムや、哀愁度の高いアルバムもあったりします。今回も比較的安らげるアルバムの登場。4ビートではありませんが、メロディもきれいなものが多く、売れそうな感じです。


Land Of The Sun/Charlie Haden(B) with Gonzalo Rubalcaba(P, Per)(Verve) - Recorded December 19-22, 2003. Ignacio Berroa(Ds, Per), Joe Lovano(Ts), Miguel Rodriguez(Tp, Flh), Oriente Lopez(Fl), Larry Koonse(G), Lionel Loueke(G), Juan De La Cruz(Bongo) - 1. Fuiste Tu (It Was You) 2. Sueno Solo Con Tu Amor (I Only Dream Of Your Life) 3. Cancion De Cuna A Patricia (Lullaby For Patricia) 4. Solamente Una Vez (You Belong To My Heart) 5. Nostargia 6. De Siempre (Forever) 7. Anoranza (Longing) 8. Cuando Te Podre Olvidar (When Will I Forget You) 9. Esta Tarde Vi Llover (Yesterday I Heard The Rain) 10. Cancion A Paola (Paola's Song)

オリジナルはなく、メキシコの作曲家ホセ・サブレ・マロキンの曲がほとんど。激しい曲は姿を見せず、しっとりとしたゆったりめのラテンの曲が多く登場します。キューバ人ピアニストのゴンサロ・ルバルカバのアレンジ。不思議な異国情緒をたたえつつも、哀愁感覚はやや少なめ。その中でも6、8、10曲目は哀愁が強いメロディ。各楽器のソロの場面もメロディと違和感なく登場させていて、4ビートはないにしてもジャズのアイデンティティをさりげなく織り込んでいます。1曲目からその優しいメロディに心を奪われ、温かい空気を感じることができます。バラード、素朴、温かみ、ラテン。居心地の良い空間にいかに各楽器がソロをどう展開していくかが楽しみでもあるし、BGMとしてかけても違和感がないようなアルバムです。(04年9月22日発売)

2004/10/05

Take The A Train/Manhattan Jazz Quintet

Mjqtakethe
マンハッタン・ジャズ・クインテットも結成20周年だそうです。実は彼らのファーストアルバムは、私が4ビートジャズに入り込むきっかけとなったアルバムのうちの1枚。今でも彼らの演奏は商業主義だ、邪道だという意見もあるようですけれど、80年代に4ビートジャズが復権した原動力にもなっていると思うので、それにこういうサウンドは好みなので、私はほぼこのグループの演奏を追いかけてきました。

相変わらずの演奏ではありますが、分かりやすいことも大切なんだな、と思います。映画「スウィングガールズ」のサウンドトラックと3曲目、5曲目が同じ曲。まさかそれを意識した選曲、ということはないでしょうけれど、おなじみの曲が並んでいます。


Take The A Train/Manhattan Jazz Quintet(Videoarts) - Recorded June 15 and 16, 2004. David Matthews(P), Lew Soloff(Tp), Andy Snitzer(Ts), Charnett Moffett(B), Victor Lewis(Ds) - 1. The Theme 2. Blue Minor 3. Take The A Train 4. A Hard Days Night 5. What A Wonderful World 6. Cabo Frio 7. Besame Mucho 8. Summertime

スピーディでカッコ良い展開の1曲目「ザ・テーマ」のみデヴィッド・マシューズ作で、他はスタンダード、ポップスかジャズメン・オリジナル。相変わらずシャープなアレンジ、分かりやすいテーマとポップ性があります。原曲のやや気だるい雰囲気をうまくつかんだ2曲目、ホーンのユニゾンのテーマと意表をついたアレンジで特急列車のようなタイトル曲の3曲目、ビートルズの曲をうまくミディアムの4ビートにしたなかなか雰囲気のある4曲目、静かにしっとりゆったりと奏で上げていくバラードの5曲目、アール・クルー作のゴキゲンなメロディとリズムのラテンナンバーの6曲目、いかにも「ベサメ・ムーチョ」らしくベタな感じが逆にいい感じの7曲目、ファーストアルバムの1曲目と同じ曲を演奏して、やはり時代と成長を感じる8曲目。(04年9月22日発売)

2004/10/04

So Alive/The Ronnie Plaxico Group

Lonniesoal
今までEighty-Eight'sというレーベルはメインストリーム系のミュージシャンのアルバムが多かったのではないかと思いますが、ここでは数曲を除いて、けっこうトンガリ系の現代ジャズしています。血気盛んな若武者たちの戦いといったような曲が多く登場します。好き嫌いは分かれるでしょうけれど、私はこういう系統のジャズ(あるいはファンク)が好きなのです。でも、よくここから出したなーというのが実感。

個人的には無機的なアドリブフレーズをつむぎだしていくゲイリー・トーマス(Ts)のファンで、ここでもやっぱり、という演奏をしています。ただ、その個性が強すぎるせいか、最近は参加作があまり多くなくなってしまったのが少々残念。このアルバム、果たしてどれだけのジャズファンに受け入れられるでしょうか。


So Alive/The Ronnie Plaxico(B) Group(Eighty-Eight's) - Recorded March 23, 2004. Gary Thomas(Ts), Alexander Norris(Tp, Flh), Sam Bar-Sheshet(P, Key, Org), Kenny Grohowski(Ds), Eric Mendez(Per) - 1. So Alive 2. Maiden Voyage 3. Juke Joint 4. I Second That Emotion 5. DeJohnette 6. My Funny Valentine 7. Symphony 5 8. Twilight 9. Lover Man

このレーベルにしてはトンガリ系のアルバム。ロニー・プラキシコは9曲中5曲作曲。エレキベースとアコースティックベースを使い分けています。1曲目から現代ファンクでノリノリに迫ってくるところなど、ゴキゲンですが聴く人を選ぶかも。「処女航海」は一度解体されて再構築された中に漂うテーマという感じのやはり自由な展開の2曲目、幾何学的なフレーズのテーマが続きそのままアドリブになだれ込む3曲目、ソウルやポップス的なテーマで8ビート的なノリの4曲目、ジャック・ディジョネットに捧げたと思われるリズムもメロディも緻密で個性的な5曲目、情感が出ているスタンダードのバラードの6曲目、複雑にキメまくるテーマがカッコよい7曲目、M-BASE的なファンクの色合いを持つ8曲目、しっとり系のバラードの9曲目。(04年9月23日発売)

2004/10/03

Mo'Bop2/渡辺香津美 New Electric Trio

Mobop2
今月は買ったCDやいただきものCDが大量にあって、まだ聴いていないものが20枚以上あります。そんな中で今月のベストに近い作品に出会いました。それがこの「Mo'Bop2」です。これもジャンルとしてはハード・フュージョンの部類に属するのでしょうが、これだけのテクニシャンがトリオを組むことってめったにないわけで、びっくりするほどの音が詰まっています。同じメンバーで2枚目の作品。

だんだん紹介するものがメインストリートのジャズから離れていくような気もしていますが、広義のジャズという点からすればその範囲の中に入っていると思うし、私と同世代(40代)以下の方ってかなりロックやフュージョンの洗礼を受けているわけで、抵抗感なくこのカッコよいハードなサウンドを受け入れることができるのではないかな、と思います。


Mo'Bop2/渡辺香津美(G、Synth) New Electric Trio(ewe) - Recorded May 12-15, 2004. Richard Bona(B), Horacio "El Negro" Hernandez(Ds) - 1. Cleopatra's Dream 2. Blue Spiral 3. Mystic Sand 4. Mosaic Stone 5. Dante's Point 6. Cry Me A River 7. Death Valley 8. Havana 9. Favor Return Of Enshu Swallow

オラシオ・”エル・ネグロ”・エルナンデス(Ds)、リチャード・ボナ(B)とのトリオ。このメンバーの2枚目で、渡辺香津美は9曲中5曲作曲。相変わらず強力なメンバーの、ハードなフュージョンタッチ。特に、1曲目のけっこうハードな「クレオパトラの夢」、6曲目の「クライ・ミー・ア・リヴァー」はおなじみのメロディなので、こんなサウンドもあったのかと、驚きと納得の曲に仕上がっています。テーマがちょっと浮遊感を伴うコード進行で、ロック的でもあるファンクの2曲目、テーマのメロディが優しく、目まぐるしく変化するやはり硬派の3曲目、最初ややソフト路線でせまりつつけっこう盛り上がる4曲目、ミステリアスな雰囲気をたたえたテーマとファンクのアドリブの5曲目、何となくエスニックな雰囲気のある7曲目、スピード感があって明るめな8曲目、メカニカルで目まぐるしい曲調とアップテンポの4ビートもある9曲目。(04年9月21日発売)

2004/10/02

Donna Lee Live At Budokan '82/Jaco Pastorius

Jacodonna
ジャコ・パストリアスは、けっこう集めた(ブート以外)方なのですが、意外にアルバムコメントしづらいミュージシャンのひとりでもあります。今回もコメントのようでいてそこまでいかなかった感じなのですが、このアルバムを細かくコメントするとなると「Twins1&2」と詳細に比較検討しなければならないわけで(笑)。このアルバムから受けた感じだけで書いてみましたけれど、やはりもう一息か。

下記のアルバムはキング・インターナショナルからの発売で、NHKの音源だそうです。価格も国内盤でありながらオープン価格なので、お店によって値段が違うかもしれません。世間ではジャコファンが多いので、完成度やジャコの調子の良さからいくと、けっこう売れるのではないでしょうか。


Donna Lee Live At Budokan '82/Jaco Pastorius(B) Big Band(Altus) - Recorded September 1, 1982. Don Allias(Per), Randy Brecker(Tp), Peter Erskine(Ds), Bobby Mintzer(Ts, Ss), Othello Molineaux(Steel Dr), Toots Thielemans(Harmonica), Elmer Brown(Tp), Forrest Buchtel(Tp), Jon Faddis(Tp), Ron Tooley(Tp), Wayne Andre(Tb), David Bargeron(Tb, Tuba), Peter Graves(Btb), Bill Reichenbach(Btb), Mario Cruz(Sax, Cl, Fl), Randy Emerick(Sax), Alex Foster(Sax, Cl, Piccolo), Paul McCandliss(Sax, Oboe, English Horn), Peter Gordon(French Horn), Brad Warnaar(French Horn) - 1. Donna Lee 2. Liverty City 3. Invotation 4. Soul Intro/The Chicken 5. Sophisticated Lady 6. Elegant People 7. Reza/Giant Steps/Reza

NHKで収録された音源を発売にこぎつけた、貴重なライヴ。来日していた同時期に録音された「Twins1&2」とは別ヴァージョンとのこと。やっぱりここの目玉は1曲目のタイトル曲「ドナ・リー」があること。大勢のメンバーで何と11分以上にわたって演奏されています。その分ベースが奥に引っ込んでいる感じがなきにしもあらずですけれど、アップテンポでそれぞれミュージシャンのソロもスリルのある、4ビートがメインの演奏。この曲に関してはアンサンブルよりは各ソロが目立っています。2曲目以降は他のアルバムでもおなじみの曲ですが、個々のパートのアドリブが違っているので、やっぱり細部までこだわって追いかけたいファン向けかも。おなじみでも3曲目のアップテンポな「インヴィテーション」をはじめ、良い曲がいっぱい。(04年9月21日発売)

2004/10/01

Live In Tokyo/Brad Mehldau

Bradtokyo
私は本来コンサートにはあまり行かないのですが、実はこのCDになったブラッド・メルドーのコンサートは、ある方からチケットをいただいてしまいまして、観ています。今回発売された国内盤は何曲かカットされている(と思う)ものの、ほぼコンサートでの曲順どおりで1部、2部、アンコールと入った15曲入りCD2枚組、輸入盤は8曲入りのCD1枚組で曲順も編集されています。どちらが好みかは悩むところです。輸入盤の方は良い曲を効果的な曲順でと、練られているだろうし。両者の値段もかなりの開きがあります。私の場合、現場を体験してしまっているので多くの音を聴きたくて国内盤を選びましたが、2枚組で発売されることが決まったのも国内盤発売1ヶ月ほど前と、かなり急だったようです。

ソロ・ピアノなのでかなり好みが分かれると思いますが、私にとっては非常に素晴らしいコンサートでした。いわゆるジャズ・ピアノらしさは少ないですけれど、後半に行くにしたがって情念がふつふつと燃え上がって盛り上がっていく感じでした。じっくり聴くことをオススメします。


Live In Tokyo/Brad Mehldau(P)(Nonesuch) - Recorded February 15, 2003. - 1. Intro 2. 50 Ways To Leave Your Lover 3. My Heart Stood Still 4. Roses Blue 5. Intro 2 6. Someone To Watch Over Me 7. Things Behind The Sun 8. C Tune 9. Waltz Tune 10. From This Moment On 11. Alfie 12. Monk's Dream 13. Paranoid Android 14. How Long Has This Been Going on? 15. River Man

東京のすみだトリフォニーホールでのライヴ録音でソロ・ピアノ。日本盤のみ2枚組でコンサートに近い構成。雰囲気としてはジャズピアノの部分もあったにしても、クラシックに近い感触が多いピアノ。ソロというフォーマットでキース・ジャレットに匹敵する演奏かもしれません。適度な長さの、親しみやすそうな曲、繊細そうな曲の演奏が多い。スタンダードやポップス、オリジナルなどをとりまぜて、2部構成で演奏。前半の1枚目はゆったりめにスタートしつつ、後半の2枚目は集中力があるような気がしました。12曲目のセロニアス・モンクの「モンクス・ドリーム」の盛り上がりが強力、そして19分にも及ぶ13曲目で、ウネウネ動く左手が右手をプッシュして、これまた壮大な曲。メロディもハーモニーも、けっこう感動もののアルバム。(04年9月23日発売)

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