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2004/09/30

Eternal/Branford Marsalis

Branfordeter
東芝EMIからの発売なので、どうせコピーコントロールCD(CCCD)だから買うのはパスしようと思っていたのですが、今回はなぜか通常のCDDAで発売。その結果、国内盤を買うことになりました。このアルバム自体はスゴくいいです。でも、ジャズでCCCDを乱発しているメーカーなんだよなー、と思うと複雑な気分。これからもCCCD推進メーカーからは非CCCD(CDDA)のみを、必要最小限だけ購入していく、という方針に変わりはありませんが。

今回のアルバムはどこが良いのかというと、非常に分かりやすく、聴き手の感性に訴えかけてくる部分が多いところです。バラード集とは言いながら、長めのタイトル曲の7曲目では盛り上がっていく部分もあったりしますが、いちおうバラード集というくくりで語れるアルバムだろうと思います。ボーナストラックは単曲では良いのですが、配列からするとちょっと余計だったんじゃないか、7曲目がクライマックスということで良かったんじゃないか、という気もしています。


エターナル(Eternal)/ブランフォード・マルサリス(Branford Marsalis)(Ts、Ss)(Marsalis Music) - Recorded October 7-10, 2003. Joey Calderazzo(P), Eric Revis(B), Jeff "Tain" Watts(Ds) - 1. The Ruby And The Pearl 2. Reika's Loss 3. Gloomy Sunday 4. The Lonely Swan 5. Dinner For One Please, James 6. Muldoon 7. Eternal 8. Body And Soul

ジョーイ・カルデラッツォ(P)、エリック・レヴィス(B)、ジェフ・”テイン”・ワッツ(Ds)とのクァルテット。バラード集ということで、彼のことだから小難しいジャズで勝負してくるのかと思ったら、1曲目から哀愁満載の分かりやすいメロディかつ心の琴線に触れてくるようなサウンドで、印象に残ります。各曲の時間も長め。2、4、6、7曲目とメンバーそれぞれの作曲ですが、こちらもなかなかいい感じ。ちょっと浮遊しがちなメロディだけれども、しっとりと包み込むようなサウンドは相変わらずの2曲目、本編に入るとゆったりとしたベースに切なげなフレーズとが混ざり合う3曲目、日本人好みのメロディの4曲目、はじめて出てきた長調のバラードの、ホンワカした感じがいい5曲目、現代的ながらも夢の中を漂うような6曲目、ブランフォード作品で何と17分にもなるけれど盛り上がって飽きさせない7曲目、ボーナストラックの8曲目。(04年9月8日発売)

2004/09/29

「至上のギター」ジャイアント・ステップス・イン・フュージョン・ギター

Giantsteps
私がリアルタイムでジャズを聴きはじめたのが’80年代からなので、ジョン・コルトレーンの公式アルバムはほとんど持っているにしても、過去にさかのぼって聴いている世代です。ですから当時のジャズに精神性を求められても、どちらかというと軽いノリのフュージョン世代なもので、自分自身あくまでも「音楽」としてとらえている部分があります。

さて、私のジャズ観の中での1本の柱として、ハードフュージョンがあります。そのメッカとも言えるレーベル「Tone Center」(日本ではKingの発売)からジョン・コルトレーン集が出ました。まさに正統派の往年のジャズファンからは叱られそうですけれど、ロック、フュージョン、ファンクで音のエッセンスを抽出してジョン・コルトレーンの音楽を「楽しむ」のもありかな、と個人的には思います。そちら方面が好きな方に、どうぞ。


「至上のギター」ジャイアント・ステップス・イン・フュージョン・ギター(Tone Center)
A Guitar Supreme/Giant Steps In Fusion Guitar(Tone Center) - Released 2004. Eric Johnson(G), Jeff Richman(G), Steve Lukather(G), Greg Howe(G), Mike Stern(G), Frank Gambale(G), Robben Ford(G), Larry Coryell(G), The Band: Tom Brechtlein(Ds), Larry Goldings(Org), Alphonso Johnson(B), Jeff Richman(Rhythm G) - 1. Resolution 2. Afro Blue 3. Crescent 4. Giant Steps 5. My Favorite Things 6. Naima 7. Mr. Syms 8. Central Park West/Your Lady 9. Equinox 10. Village Blues 11. Lazy Bird 12. Satellite

エリック・ジョンソン(G)、ジェフ・リッチマン(G)、スティーヴ・ルカサー(G)、グレッグ・ハウ(G)、マイク・スターン(G)、フランク・ギャンバレ(G)、ロベン・フォード(G)、ラリー・コリエル(G)、トム・ブレックライン(Ds)、ラリー・ゴールディングス(Org)、アルフォンソ・ジョンソン(B)。ジョン・コルトレーンの曲、あるいは愛奏曲をさまざまなタイプのフュージョン(ロック)のギタリストが個性的に料理してしまおうというオムニバス企画。サポートするメンバーも強力です。コルトレーンの精神性をどうこう言うよりも、扱っている題材がコルトレーンというノリで、中身はカラフルなハードフュージョンと、割り切った方が良いと思われるアルバム。そういう意味ではフュージョンのギター・キッズ必携のアルバムかも。4曲目のタイトル曲の「ジャイアント・ステップス」はグレッグ・ハウの担当で、意表をついたファンクノリですが、正攻法はなくてもこれはこれで楽しめます。マイク・スターンは5、9曲目に参加。柔らかめのギターのトーンでメロディアスに奏でる5曲目、同じ音色ながらも渋めなマイナー系のブルースの9曲目。(04年9月23日発売)

2004/09/28

マーク・コープランドとグレッグ・オズビーのデュオ

Marcnight
Marcround
マーク・コープランドグレッグ・オズビーのデュオのアルバムの2枚目が出てしまいました。ある意味異種格闘技戦なのですが、個性的な味わいを持っているこの2人が交わると、他では聴いたことのない、不思議なブレンドサウンドを聴くことができます。いろいろ追いかけていると、こういう楽しみも時々あったりします。


Night Call/Marc Copland(P) with Greg Osby(As)(Nagel Heyer)(輸入盤) - Recorded November 4, 2003. - 1. Autumn Wind 2. Cyrille In Motion 3. Echoes Of Another 4. Night Call 5. Cire 6. Skippin' Around 7. A Time Ago 8. Forge 9. Soul Eyes

(04/09/26)デュオの演奏で、マーク・コープランド作が5曲(1、3-4、6-7曲目)、グレッグ・オズビー作が3曲(2、5、8曲目)とマル・ウォルドロンの曲が9曲目に。コープランド作は繊細で静かな雰囲気ですが、温度感は低めで、しっとりしつつも親しみやすいメロディではなく、緊張感を保ちつつ曲が進んでいきます。1曲目からその典型的な味わいが2人の世界に引き込みます。オズビー作の方がもう少し複雑なメロディをまとっていて、より不可思議な内省的な世界へといざないます。ある意味幽玄かもしれませんが、淡い水彩画のようなピアノ、あまり激しくないフォーマットの中で縦横自在にフレーズが舞い飛ぶサックスも見事。その中でも6曲目は元気な方か。9曲目でやっと知ったメロディが聴けますが、やはり彼らのペース。


Round And Round/Marc Copland(P), Greg Osby(As)(Nagel Heyer)(輸入盤) - Recorded November 30, 2002. - 1. Silent Attitude 2. Balloonman 3. Round The Goes 4. Mentor's Praise 5. Whatever The Moon 6. The Wizard 7. Copious 8. Deed-Lee-Yah 9. Easy Living

(03/07/08)ほとんどの曲がそれぞれのオリジナル。珍しい組み合わせのデュオ。比較的淡々とした曲が多く、お互いに語り合うように演奏をしていますが、その内容はけっこう濃いです。冷めた色合いながらも、この2人でしか表せない世界があります。グレッグ・オズビーも他のアルバムよりは聴きやすい仕上がり。ただしバップ・フレーズは出てきませんが。2-3、6曲目がやや賑やかでサックスもよどみない個性的なフレーズですが、温度感はやや低めになっています。4、7曲目はオズビー作らしく浮遊感のある幽玄な音世界に迷いこんだイメージ。このアルバムでいちばん明るめで聴こえる8曲目も、盛り上がりながらも中間色の色合い。唯一スタンダードの9曲目はしっとりしながらもやっぱり個性的なメロディです。

2004/09/27

トーク・ウィズ・ザ・ウインド/鈴木重子

Shigekotalk
鈴木重子は正統派ジャズから見れば思いっきりはずれた位置にある人だけれども、曲をちょっと聴けば分かるほどの個性と、ヒーリング的に包み込むような安らぎを与えてくれるヴォーカリスト。何枚もアルバムを出しているので、けっこう売れているんじゃないかと思います。ジャズというのはよそのジャンルを巻き込みながら個性を醸成していくものであって、そういう意味では、けっこうアピールする力のある人だな、と思います。ジャズ・ヴォーカリストというと、ピアノ・トリオをバックにスタンダードばかり歌っているパターンが多いですが、今ではそういう人たちは石を投げればあちこちにいる(当たる)ので、むしろ歌と楽器編成に個性をもたらしている彼女、計算された演出だとしたらスゴいことだと思います。天然だとしたら、もっとスゴい個性ですが(笑)。

正統派ジャズファンから見ればこれまた私のコメントでお叱りを受けそうですけれども、いちおう私も過去数千枚はジャズやその周辺を聴いてきているわけで。私的に(ジャズに限らず)良いサウンドを求めようとする自分をある程度信じています(笑)。仕事に疲れて夜、横になったときにこういうサウンドが流れてきたら安らぐだろうなあ、と思います。


トーク・ウィズ・ザ・ウインド(A Talk WIth The Wind)/鈴木重子(Vo)(Novus-J) - Released 2004. 井上鑑(P、Key、G)、金子飛鳥(Vln、Viola)、中牟礼貞則(G)、古川昌義(G)、川崎巽也(G)他。 - 1. She Was Beautiful 2. Fotografia 3. On The Day 4. Melody Fair 5. Green Sleeves 6. Moon Nocturn 7. いつか 8. 椰子の実 9. Forever Green 10. Lullaby

鈴木重子独自の路線をひた走る、ヒーリング的な要素のヴォーカルアルバム。6-8曲目は日本語の歌詞。フォークソングとボーダーレスになっているような雰囲気。1曲目のみストリング・クァルテットが加わり、あとの曲はピアノやキーボード、ギター、ヴァイオリンなどのシンプルな編成。はじめから終わりまで安らぎを与えてくれる静かなサウンドに終始していて、2、9曲目のアントニオ・カルロス・ジョビンの曲も、あるべき位置よりも内側を向いていてしっとりと歌いかけてきます。彼女の曲(共作)も2曲(3、7曲目)にあって、日本的で真っ直ぐな感じが伝わってきます。選曲も印象的で4曲目に映画「小さな恋のメロディ」のテーマ、5曲目に「グリーン・スリーブス」が。端正な歌い方。8曲目の島崎藤村作詞「椰子の実」はボッサで。(04年9月8日発売)

2004/09/24

Two By Four/Marc Johnson

Marctwoby
結局マーク・ジョンソンのリーダー作の手直しにかかりっきりになってしまいましたが、それは今回で終了。次はどこをやろうか思案中。今日紹介するCDは15年も前の新譜(?)なので、けっこう入手が困難なんじゃないかな、と思います。せめて私の拙い内容紹介で、どんなCDかだけでも分かっていただければ。

デュオというフォーマットはけっこうベーシストにとってきついと思います。特にヴォーカリストが相手だと間奏はベースソロになってしまいますし。でも、やはりテクニシャンなので、曲としてうまくまとめつつ、けっこう存在感のあるフレーズを紡ぎ出していきます。


Two By Four/Marc Johnson(B)(EmArcy) - Recorded April 17-18, 1989. Gary Burton(Vib), Lucy Crane(Vo), Makoto Ozone(P), Toots Thielemans(Harmonica) - 1. Killer Joe 2. Spartacus-Love Theme 3. Dinner For One Please, James 4. One Finger Snap 5. Miss Teri 6. Monk's Dream 7. Gary's Theme 8. Beautiful Love 9. Ain't Misbehaven 10. Time Remembered 11. Goobye Porkbie Hat

デュオ・アルバム。エマーシーから出ているので、オーソドックスなサウンド でスタンダードやジャズメン・オリジナルが多いです。デュオの分ベースが前面に出てしまうので、かなり考えて録音されている感じ。それにしても、テクニックのあるベーシスト。 デュオで、場合によってはベース・ソロは1人になってしまいますが退屈させません。メロディを大切にしている曲が多いのもうれしいところ。ゲイリー・バートンは6-7、10曲目に、ルーシー・クレーンは8-9曲目に、小曽根真は3-5曲目に、トゥーツ・シールマンスは1-2、11曲目に参加。しっとり系のメロディのシールマンス、ひとつひとつのメロディを大切に奏でる小曽根(ただし4曲目は全開)、繊細なバートン、情感的で美しい声のクレーンと、やや控えめな作りのアルバム。

2004/09/23

The Sound Of Summer Running/Marc Johnson

Marcthesound
ベース・ディザイアーズから10年以上が経過して、マーク・ジョンソンは少しメンバーを変えてまた録音しました。ここにはパット・メセニーとジョーイ・バロンが参加しています。ビル・フリゼールもシンセサイザーで包み込むようなサウンドがなくなり、ややゆらぎながらも割と普通のギターの音になっています。ギターがジョン・スコフィールドからパット・メセニーにかわっただけで、ずいぶん健康的で平和なアメリカーナ路線になってしまったものだなあと思いますが、これはこれでいいのかもしれません。

本当だったら未聴CDとECMを順番に直す方を先にやらなければならないのだけれど、ベース・ディザイアーズからマーク・ジョンソンのリーダー作の方になぜか流れてきてしまいました。次にどこに行くのか、未定です(笑)。


The Sound Of Summer Running/Marc Johnson(B)(Verve) - Released 1998. Bill Frisell(G), Pat Metheny(G), Joey Baron(Ds) - 1. Faith In You 2. Ghost Town 3. Summer Running 4. With My Boots On 5. Union Pacific 6. Porch Swing 7. Dingy-Dong Day 8. The Adventures Of Max And Ben 9. In A Quiet Place 10. For A Thousand Years

素晴らしいメンバー。2人のギタリストの共通する、カントリー色というかフォーク色の強い世界が広がっています。パット・メセニー色がやはり強いですが、ビル・フリゼールも負けていません。 マーク・ジョンソン作が7曲、あとは他のメンバーの作曲。ジャスというよりはノリの良いカントリーを想起させる1曲目、ビル・フリゼール作の牧歌的なロックというような2曲目、健康的ながら印象的なメロディがある、タイトル曲とも言える3曲目、16ビートのフォーク・ロック的な味わいを持つ4曲目、爽やかめのブルースのような体に良い5曲目、ゆったりとした明るい3拍子の6曲目、軽いサウンドでロックビートの7曲目、フリゼール作のスペイシーでアヤシげな8曲目、静かでメロディアスな9曲目、メセニー作の乾いた温かさのある10曲目。

2004/09/20

The Art Of War/Ralph Peterson Quintet

1206
購入してから1ヶ月以上が経ってしまって、やっとアップです。聴けば良いアルバムなんだけれども、パワフルなドラムスなので、聴くまでに心の準備が必要だったのかも(笑)、というのは冗談ですが、ラルフ・ピーターソンのドラムスは、まるでメロディ楽器のようにフロントをサポートし、あおり、ソロをとります。そういう意味ではなかなか他では聴くことのできない、というよりサウンド全体が彼のドラムスを叩く音に支配されているような(それはバラードの曲においても)カラーに包まれています。現代ジャズゆえ親しみのあるメロディの露出度は少ないですけれど、発せられる音を全身を耳にして聴くと、けっこう良かったりします。


The Art Of War/Ralph Peterson(Ds) Quintet(Criss Cross 1206)(輸入盤) - Recorded January 16, 2001. Jeremy Pelt(Tp), Jimmy Greene(Ts, Ss), Orrin Evans(P), Eric Revis(B) - 1. The Art Of War 2. Inner Sanctum 3. Freight Train 4. All My Tomorrows 5. Apocalypse 6. A Choice Not Taken 7. Smoke Rings 8. Portrait Of Jenny 9. Monief 10. Big Jimmy

(04/09/19)1曲を除きラルフ・ピーターソンかメンバーの作曲。相変わらずドラムスのパワーとインパクトはスゴい。1曲目のタイトル曲からパワフルで現代的なジャズでせまります。都会的で内省的なバラードがゆったりと展開している2曲目、9拍子系のテーマでズンズンと前進していくようなリズムとフレーズの3曲目、やや温度感が低いけれども浮遊感としっとり感の間で漂うバラードの4曲目、アップテンポでこれぞ現代的な乾いたジャズの5曲目、淡く柔らかめのアンサンブルのテーマが印象的な6曲目、オーソドックスな4ビートにもかかわらずドラムスが飽きさせない7曲目、唯一彼らの曲でない、静かなバラードの8曲目、これでもか的な攻撃性を見せてくれる9曲目、テーマがちょっと冷めた感じで中間部はアツい10曲目。

2004/09/19

Dream Keeper/Charlie Haden And The Liberation Music Orchestra

Charliedream
たまたまリべレーション・ミュージック・オーケストラに引っかかったので、連続して3部作全部を取り上げることとなってしまいました。このアルバムもそれなりに哀愁度が高く、反戦的な感じがひしひしと伝わってきます。コーラスの出番がちょっと目立つかな、というところと、全体的には端正な感じが強くなっている感じがします。ただ、このアルバムもそれなりに印象は強いのですが、個人的に好きなのはやっぱりECMの2作目です。


Dream Keeper/Charlie Haden(B) And The Liberation Music Orchestra(DIW) - Recorded April 4-5, 1990. Carla Bley(Cond), Dewey Redman(Ts), Joe Lovano(Ts), Branford Marsalis(Ts), Ken McIntyre(As), Tom Harrell(Tp, Flh), Earl Gardner(Tp), Sharon Freeman(French Horn), Ray Anderson(Tb), Joe Daley(Tuba), Amina Claudine Myers(P), Mick Goodrick(G), Paul Motian(Ds), Don Allias(Per), Juan Lazzaro Mendolas(Pan Pipes, Wood Fl) - 1. Dream Keeper 2. Rabo De Nube 3. Nkosi Sikelel'i Africa 4. Sandino 5. Spiritual

リベレーション・ミュージック・オーケストラ第3作目 。かなり間隔を置いての登場 。再びカーラ・ブレイのアレンジ。参加したメンバーも興味深い人たちが多いです。この独特なサウンドは、ブレイによるところが大きいかも。哀愁度は高めで、アンサンブル重視、しかもコーラスが入っています。クライマックスは8つの部分からなる16分台の組曲の1曲目か。カーラ・ブレイの作曲とトラディショナルが交互にあらわれてきます。この曲のみカレン・マントラーの編曲でキューバの作曲家のやや哀愁もあり大らかさのある2曲目、アフリカの党歌だというテーマが明るさがあって、中間部はアップテンポのジャズになる10分台の3曲目、ヘイデン作のマイナー系のメロディが強い4曲目、やはり彼の作曲の明るいメロディが印象的な5曲目。

2004/09/18

Liberation Music Orchestra/Charlie Haden

Charlielibe
チャーリー・ヘイデンのリべレーション・ミュージック・オーケストラの第1弾。やはり’69年という録音年なので、哀愁満点のメロディもちりばめられていますけれど、そしてアンサンブルの部分もある程度多いですが、フリーの要素がこの時代を反映してかけっこう目立っています。

アルバムから受けるインパクトは私の場合、’82年録音の2枚目の「The Ballad Of The Fallen」(ECM)の方が大きかったし、曲のメロディも2枚目の方が頭に入ってきたのですが、やはり1枚目も聴いてみて全体像が分かってくる、という感じがします。’69年当時としてはメッセージ性が強かったと思いますが、今聴いてみるとそれを抜きにしても聴ける音楽だと思います。


Liberation Music Orchestra/Charlie Haden(B)(Impulse) - Recorded 1969. Perry Robinson(Cl), Gato Barbieri(Ts, Cl), Dewey Redman(As, Ts), Don Cherry(Cor, Fl), Mike Mantler(Tp), Roswell Rudd(Tb), Bob Morthern(Flh, Per), Howard Johnson(Tuba), Paul Motian(Per), Andrew Cyrille(Per), Sam Brown(G), Carla Bley(P, Per, Arr) - 1. The Introduction/Song Of the United Front 2. El Quinto Regimiento/Los Cuatro Generales/Viva La Quinte Brigada 3. The Ending To The First Side 4. Song For Che 5. War Orphans 6. The Interlude 7. Circus '68 '69 8. We Shall Overcome

政治的なことを音楽の世界に持ち込むことの是非はともかく、普通のビッグ・バンドでは成し得ないようなサウンドがそこにはあります。アンサンブルとフリーの妙味。普通~長い曲と短めの曲がだいたい交互に配置。哀愁満載でマーチ風の後半を持つ1曲目、トラディショナルを組み合わせた何と21分にも及ぶクライマックスとも思える、スペインの空気感とフリーが場面によって漂っている2曲目、幻想的でややアヴァンギャルドな小品の3曲目、チャーリー・ヘイデン作の悲しみ満点のベースが中心の4曲目、しっとりしたメロディが漂いながら混沌と盛り上がるオーネット・コールマン作の5曲目、ヘイデン作のやはりベースの出だしでフリーキーなアンサンブルがまとわりついていく7曲目。6、8曲目は印象に残る小品。

2004/09/15

Como La Vida Puede Ser/George Colligan

Georgecomo
このところ、けっこうマイナーどころばかり取り上げていますが、ここのジョージ・コリガン、私的にはアタリのアルバムでした。現代的で複雑な構成、テーマ、ソロなどが、時にシャープに、時にソフトに迫ってきます。1-6曲目のようなオリジナルだけで構成した方が良かったかなあ、とも思えるのですが、7-8曲目のスタンダードとジャズメン・オリジナルはちょっと他の曲に比べて安定していて雰囲気が異なっている感じです。

クァルテット(曲によってはゲスト参加あり)という編成もこういう曲調だから成功したのだとも思えます。タイトルからも想像できるように、現代フュージョン的スパニッシュの速いパッセージがなかなか印象的な曲もあったりするので、今後、私のCDプレイヤーでよくかかるアルバムになる予感。


Como La Vida Puede Ser/George Colligan(P, Tp, Synth, Per) Quartet(Fresh Sound New Talent)(輸入盤) - Recorded May 24-26, 2000. Perico Sambeat(As, Ss, Ts, Per), Mario Rossy(B), Marc Miralta(Ds, Per), Guest: GuillermoMcGill(Cajon), Antonio Serrano(Harmonica), Tom Guarna(G) - 1. El Gitano De Nueva York 2. Underdog 3. Piedra Solar 4. Sobre Como La Vida Puede Ser 5. Happiness Was... 6. First Kiss Goodbye 7. I Fall In Love Too Easily 8. Conseption

(04/09/14)全8曲中6曲がGeorge Colliganの作曲。スペイン語の曲もあり、スペインを意識していて印象的。1曲目は複雑で素早いテーマを持つラテン進行の曲で、適度にヘヴィーでかっこ良い11分台の曲。やや軽めの変拍子ボッサといった雰囲気の、そして中間部が盛り上がる2曲目、ちょっとタイトでどっしり足が地に付いたような渋い進行の上をアドリブが展開する3曲目、 ゲストが3人加わり、やはりテーマのユニゾンが複雑で、スパニッシュ系ハードボイルドでシャープな印象を持つタイトル曲の4曲目、テーマは浮遊系速いテンポから自由度の高いソロが展開する6曲目、綾織り系のゆったりと包み込むような6曲目、トランペットに持ち替えてスタンダードを吹く7曲目、ジョージ・シアリング作をテンポ良く展開していく8曲目。

2004/09/13

Alternate Side/Tim Ries

1199
サイドマンの参加で、つい購入してしまうCDというのがあって、ここでは、ラリー・ゴールディングス、ベン・モンダー、ジョン・パティトゥッチなどの名前が出ていたので、中身は分からないけど買ってみました。オルガンサウンド(ピアノの演奏の曲もあり)と、曲によって3管フロントの厚みのあるサウンド、現代的なサウンドとフレーズのギターということで、個性的なアルバムに仕上がっています。

2曲目のスタンダードはかなり斬新。そしてロックの8曲目は作曲がミック・ジャガーとキース・リチャーズなので、ローリング・ストーンズの曲。こんな取り上げ方をしているのもやはり現代ジャズ、という感じで面白い。しっとり系の映画音楽のような曲もあるのでバラエティに富んでいます。


Alternate Side/Tim Ries(Ts, Ss)(Criss Cross 1199)(輸入盤) - Recorded June 3, 2000. Greg Gisbert(Tp, Flh), Michael Davis(Tb), Ben Monder(G), Stacey Shames(Harp), Larry Goldings(P, Org), John Patitucci(B), Billy Drummond(Ds) - 1. The Sinner And The Saint 2. What Is This Thing Called Love 3. Copake 4. 4637 5. A Simpler Time 6. Hart's Beat 7. Alternate Blues 8. Moonlight Mile

(04/09/11)Tim Riesのオリジナルは8曲中6曲。最大オルガンなども加わったセプテットなので、曲によって音は厚めです。ハープは3、6曲目に参加。1曲目はスタンダードかトラディショナルのようにメロディがはっきりしていて、大らかにサックスやオルガンが唄っています。3管を中心としたテーマのアンサンブルのリハーモナイズが斬新で、スタンダードには聴こえない、しかもシリアスな2曲目、映画音楽のようなしっとり哀愁系のバラードの3曲目、無機的なテーマからやはりやや無機的なアドリブに入っていく4曲目、現代的で中間色的なワルツの5曲目、浮遊感漂うフリー色も強い出だしから淡いメロディが紡ぎ出される6曲目、ブルースというよりはアップテンポなジャズの7曲目、ロックの曲のバラードで大らかな8曲目。

2004/09/12

ムック「スウィングガールズと始めるジャズ入門」と付属CD

ムック「スウィングガールズと始めるジャズ入門」を書店で見つけ、買いました。私もミーハーですね(笑)。帰りの電車の中でパラパラと読んでみたけれど、40代のオヂサンが制服姿の女子高校生の写真が満載のムックを眺めるには少々勇気がいりました(笑)。制服姿のピンナップつきです。いえ、私はそちらには興味はないんですが(笑)。制服のピンナップを電車の中でうっかり広げてしまい、後になって周りの人の視線が気になってしまいました(笑)。内容的には映画制作の裏話的なものとか、ジャズとは何かを入門的に、しかもやわらかく解説しています。

税込み1,400円のムックで、40分強のCDがついていて、CDがあるだけでもだいぶお得感がありますが、内容的にはオリジナルサウンドトラックと比べて、映画の内容の雰囲気とはちょっと遠いかな、という気もしています。ただ、どの曲も個性的で変化に富んでいて、また他の人はCDの中身の説明まではやらないだろうと思うので、ここでやってしまいます。


付属CD内容
「JAZZ STANDARD BEST」 - 1. In The Mood (横内章次) 2. Strike Up The Band (前田憲男) 3. Oh, Lady Be Good (秋光義孝) 4. Summer Time (前田憲男) 5. Somebody Loves Me (エディ・ヒギンズ) 6. I Got Rhythm (前田憲男) 7. The Man I Love (原信夫とシャープス・アンド・フラッツ) 8. Fascinating Rhythm (前田憲男) 9. Moonlight Serenade (世良譲) 10. Comin' Through The Rye(故郷の空)(ジュリー・ロンドン)

1曲目はエレキギターを中心にエレキベースとコーラスのちょっと変わった演奏。2曲目になってくると、アップテンポでかなりハードなモダンジャズが展開していて、ちょっと初心者にはキツイかもしれないなあ、と思ってみたり。3曲目はコンボでのスウィングジャズ。4曲目はややヘヴィーなサウンドでピアノとスキャットのユニゾンが印象的。5曲目は体が揺れてくるようなソロピアノで、さすがエディ・ヒギンズ。6曲目もバリバリの、でも陽性なモダンジャズか。7曲目のみ古い音源で、モノラルですが、本編に近いビッグ・バンド・ジャズのサウンドを出しています。8曲目はテンポの良いゴキゲンなピアノ・トリオ。やはりおなじみの曲を落ち着いたピアノ・トリオで仕上げている9曲目。この曲も古く(詳細は書いてませんけれど)、女性ヴォーカルの演奏。

2004/09/09

Universal Spirits/Tim Ries

1144
久しぶりに、あと4枚たまっているCriss Crossレーベルのうち、1枚を聴いてみました。’97年のアルバムとはいえ、この時代になってくるとキーワードは「現代ジャズ」で、曲やサウンドがやや複雑になってくるので、とっつきにくいかもしれません。なぜこのアルバムを買ったかと言うと、ギタリストでベン・モンダーが参加しているからで、ジャズと言うよりはギター・ミュージックを奏でるこの現代型のギタリストが、クインテットの中でどういう音を出すか楽しみだった、ということもあります。

Criss Crossレーベルも、参加ミュージシャンで探すと気になるアルバムが多く、あと10数枚は聴いてみたいな、と思わせるアルバムがあるので、当分はCD漁りの旅は続きそうです。


Universal Spirits/Tim Ries(Ts, Ss)(Criss Cross 1144)(輸入盤) - Recorded October 12, 1997. Scott Wendholt(Tp), Ben Monder(G), Scott Colley(B), Billy Drummond(Ds) - 1. Indeed 2. St. Michel 3. Free Three 4. Guardian Angel 5. Some Other Time 6. Sonata Nr.2 Siciliano 7. Jayne 8. When I'm Through

(04/09/07)Tim Riesのオリジナルは8曲中5曲。やはり現代的なジャズで、Ben Monderのギターが個性的で今っぽく光ります。のっけから複雑なテーマで、ややハードでテンションが高めのアップテンポの演奏が続く1曲目、ややエキゾチックに浮遊感をたたえつつ、ゆったりと渋めに進行していく2曲目、内省的な感じで前半のギターがなかなか印象的、かつ微妙なバランスで進んでいく3曲目、哀愁の響きを持ちつつもやはり今っぽいエッジの効き加減で、やっぱりジャズの4曲目、スタンダードでこの曲になるとなぜかほのぼのとしてホッとする5曲目、J.S.バッハの作品をあくまでもバロック的に演奏する6曲目、オーネット・コールマン作の、やっぱりコールマンらしい曲調の7曲目、ややしっとり感のあるラストにふさわしい8曲目。

2004/09/07

Desire/George Colligan Quartet

Georgedesi
ジョージ・コリガンというピアニスト、私は好きで現在リーダー作を集めているところです。今日紹介するCDは’99年の作品。でも、最近の白人ピアニストのひとつの例にもれず、オリジナルばかりを取り上げ、その曲も複雑かつ、盛り上がる場面もどことなくエネルギー的には冷めていて、温度感が高くない、というような特徴があります。つまり取っ掛かりがつきにくい、という部分も持っています。中間色的なカラーに私は魅力を感じているのですが。

現在注文中のものを含めて、知る限りはCriss Crossに1枚、そしてこのFresh Sound New Talentに3枚リーダー作があって、それはそのうちの2枚目になります。


Desire/George Colligan(P, Tp) Quartet(Fresh Sound New Talent)(輸入盤) - Recorded February 1 and 2, 1999. Perico Sambeat(As, Ss, Fl), Mario Rossy(B), Marc Miralta(Ds) - 1. Battle City 2. Darkness Rising 3. Ancestral Wisdom 4. Desire 5. Last November 6. Colors Of Love 7. Open 8. Epilogue 9. Upper Manhattan Medical Group

(04/09/05)全曲George Colliganの作曲。やはり中間色的でメカニカルなメロディラインが特徴の現代ジャズという感じ。複雑なラインを持ちながらも、何となく叙情的な雰囲気や盛り上がってラテンっぽく自在に変わるジャズの1曲目、内省的なテーマで、フレーズは速い部分はあってもあまり発散しないタイプの2曲目、 中間色的な綾織りジャズの傾向が分かりやすい、盛り上がる部分もどこか冷めている10分台の3曲目、複雑系のテーマがあってアドリブになだれ込む彼らしいタイトル曲の4曲目、秋の静けさを思い浮かべる都会的な5曲目、パステルカラーのノリの良いサンバと言うべき6曲目、陰影を帯びた出だしからややハードに進む7曲目、最後でないのに静かに語りかける8曲目、アップテンポでジャズしている9曲目。

2004/09/06

The Life Of A Song/Geri Allen

Gerithelife
ジェリ・アレンは’80年代はM-BASEのスティーヴ・コールマンらと活動を共にしていて、いつの間にか独自路線を行くようになりました。チャーリー・ヘイデン、ポール・モチアンらともトリオで何枚かアルバムを出していて、こちらの方でご存知の方も多いでしょう。しかし、最近全然リーダー作を発表しなくなってしまって、どうしていたか少々心配でした。

久しぶりのリーダー作も、ややフリーがかった独特なピアノは健在だし、個性的な作曲のセンスも相変わらずで、安心しました。実力はかなりある人なんですが、やはり強力な個性からか、聴く人をある程度限定するのは止むを得ないことかもしれません。ただ、メンバーは強力で、ここまで自在にサウンドを作り上げていくのは、なかなか素晴らしいです。


The Life Of A Song/Geri Allen(P)(Telarc) - Recorded January 16 and 17, 2004. Dave Holland(B), Jack DeJohnette(Ds), Marcus Belgrave(Flh), Dwight Andrews(Sax), Clifton Anderson(Tb) - 1. LWB's House (The Remix), 2. Mounts And Mountains 3. Lush Life 4. In Appreciation: A Celebration Song 5. The Experimental Movement 6. Holdin' Court 7. Dance Of The Infidels 8. Unconditional Love 9. The Life Of A Song 10. Black Bottom 11. Soul Eyes

強力なピアノ・トリオ。マル・ウォルドロン作の有名なラスト11曲目はホーン入りのセクステット。3、7、11曲目を除く8曲目がジェリ・アレンの作曲。相変わらず個性的なピアノ。浮遊感のあるジャズらしからぬテーマで、最初から勝負していく1曲目、思索的なテーマと叙情的な感触をたたえながらも自由で存在感のあるソロの2曲目、独特なカラーながらもスタンダードのバラードをじっくりと聴かせる3曲目、ジャズロックでけっこうノリの良い4曲目、綾織りのような曲調を危なげなく盛り上がる5曲目、メリハリがあってけっこう自由な6曲目、バド・パウエル作の曲を独特なサウンドで表現する7曲目、切なげなメロディでちょっとエキゾチックな8曲目、ジャズながらどこか抽象的な味もあるタイトル曲の9曲目、8ビートのノリの10曲目。(04年8月25日発売)

2004/09/04

One To Get Her/Arnold Klos Trio

Arnoldone
澤野工房のアルバムはとにかくよく売れているらしいです。あれだけ売れるためには、ジャズのコアなファンだけではだめで、ジャズは良く分からないけれど、オシャレな雰囲気のものを聴いてみよう、というような人もけっこう買っているんではないでしょうか。今日のアーノルド・クロスですが、彼の澤野工房3枚目のCD。今まで出たどのアルバムもビル・エヴァンスゆかりの曲も多く、彼からの濃い影響を隠そうとはしません。言わば、亜流だ、ということになるんですけれども、今さら「原典を聴け」でもないでしょう、と思います。

変にビル・エヴァンスのことを意識しなければ、オシャレで繊細なヨーロピアン・サウンドのピアノ・トリオということで、人気が高そうなアルバムではあります。実際に雰囲気もいいですし、アルバムとして聴きやすく、何度も聴いてしまいます。


One To Get Her/Arnold Klos(P) Trio(Atelier Sawano AS041) - Recorded March 25, 2003. Jos Machtel(B), Eric Ineke(Ds) - 1. One To Get Her 2. How Insensitive 3. How My Heart Sings 4. Oh Mathilda 5. The Two Lonely People 6. Peri's Scope 7. B Minor Waltz 8. Walkin' Up 9. Windows 10. We'll Be Together Again 11. Solar 12. I Thought About You

アーノルド・クロスのオリジナルは全12曲中1、4曲目の2曲。前2作ではいかにもビル・エヴァンスという感じもありましたが、今回も曲によってはよりたくましい感じながら、エヴァンスゆかりの曲は多めなので、やっぱり影響は多いかも。1曲目ではなかなか飛ばしていてゴキゲン。そしてジョビン作の2曲目では、しっとり感の高いボッサを奏でています。メロディアスながらやはり影響を感じさせる3曲目、哀愁のメロディをミディアムのテンポで示してくれる4曲目。そして、何と5-8曲目はビル・エヴァンス作曲の曲が並んでいます。ここまでリスペクトしていると、逆にすがすがしいかも。アレンジは自分流という部分も。チック・コリア作の9曲目もやはりエヴァンス流か。マイルス・デイヴィス作のアップテンポで勢いがある11曲目。(04年8月25日発売)

2004/09/03

ライブ/沖至ユニット

Itarulive
最近のフリージャズも私の好きな部類なのですが、特にこのアルバムは、藤井郷子田村夏樹両氏の参加があるので買ってしまいました。ドシャメシャでハードなフリーもありますけれど、ここでは意外にホーン3人のアンサンブルを聴かせる場面があったり、静かで空間を生かした表現があったり、4ビートの部分もあったりと変化に富んでいて、やっぱり意外に聴きやすい部分もあったことも、聴いた後の印象が残った理由です。

沖至は’00年には同じメンバーで、「いろはうた」「同Vol.2」を自主制作盤(インディーズ)で録音していますが、このバンドでの入手しやすいアルバムとしては初めての登場かと思います。ただ、やはりフリーにはかわりはないので、その方面が好きな人向け、ということになると思いますが。


Live/Itaru Oki(Tp, Flh, etc) Unit(P.J.L.) - Recorded May 24, 2002 and October 10, 2003. 田村夏樹(Tp, Flh, etc)、登敬三(Ts)、藤井郷子(P)、船戸博史(B)、光田臣(Ds)、白石かずこ(Poetry Reading) - 1. Bye Bye Blackbird 2. オンタケサン 3. ハイク 4. L For B 5. Like Someone In Love

やはり、フリーの部類に入ると思う、ハードな演奏が繰り広げられています。16分台の1曲目は有名な「Bye Bye Blackbird」ですが、聴いていると自由な空間を駆使して、中ほどピアノが入って盛り上がり、今度はホーンのアンサンブルになる、全くのオリジナルの演奏に聴こえます。「オンタケサン」というタイトルとは無関係にハードなフリー、合間にホーンのアンサンブルがあって、後半静かになる11分台の2曲目、白石かずこの俳句(ポエトリーリーディング)が入りつつも日本情緒のあるフリージャズが進んでいく、異色な3曲目、テーマの絡みが面白く、アップテンポのフリー、4ビート、スローなR&B風の部分もある11分台の4曲目、スタンダードを珍しくオーソドックスな4ビートを基調にして進んでいく12分台の5曲目。(04年8月25日発売)

2004/09/02

Soul Shadows/Joe Sample

Joesoul
ジョー・サンプルというと、初期の方のソロ・アルバム「虹の楽園(Rainbow Seeker)」とか「渚にて(Carmel)」を思い出して、非常にメロディアスながらもフュージョン的なアルバムを思い出します。今回のアルバムはソロ・ピアノなのでどんなサウンドに仕上がっているのだろうと楽しみにしていたら、意外なサウンドでした。ラグタイムなどのオールド・スタイルで、しかも陽気なジャズピアノの曲が多く、今までのジョー・サンプル・ファンの評価が分かれるところではないかな、と思います。もちろん、しっとりした曲もありましたが、全体的に男性的で、元気。


ソウル・シャドウズ(Soul Shadows)/ジョー・サンプル(Joe Sample)(P)(Verve) - Recorded February 2004. - 1. How You Gonna Keep 'Em Down On The Farm? 2. Ain't Misbehavin' 3. Avalon 4. Soul Shadows 5. I Got Rhythm 6. I Got It Bad And That Ain't Good 7. Spellbound 8. It's A Sin To Tell A Lie 9. The Entertainer 10. Shreveport Stomp 11. Embraceable You 12. Jitterbug Waltz

ソロ・ピアノでのアルバム。オリジナルは12曲中2曲のみ。しっとり系のメロディアスなフュージョン・ジャズかと思ったら、伝統的な奏法を多用した伝統的で男性的な、ゴキゲンなジャズ・ピアノが多いのが特徴。1曲目はゴキゲンなラグタイム・ピアノではじまります。逆にしっとりとしていて静かなバラードの2、11曲目、やはりオールドスタイルで陽気に歌い上げている3、5、8曲目、タイトル曲でオリジナルの再演曲で、いつものジョー・サンプルらしいフレーズの4曲目、淡い感じながらも少しキラキラしている6曲目、オリジナルのこれまた再演曲を余裕を持って弾きこなす7曲目、スコット・ジョップリン作の曲を情感込めて弾く9曲目、ジェリー・ロール・モートン作の軽快な10曲目。12曲目のみ横浜のモーション・ブルーでのライヴ録音。(8月25日発売)

2004/09/01

ブロンボ2!!/JB Project

Brombo2
とにかくウッドベースとドラムスを堪能したければ、このアルバム。昨年出た1枚目よりは少々おとなしくなった感じもありますが、それでも神保彰とブライアン・ブロンバーグのやりたい放題のところもけっこうあります。例えば’50-60年代の昔のジャズでは、曲自体のまとまりは良くても、ベースやドラムスの語法は今よりずっと少なくて、録音も今より悪く、少々欲求不満気味の方もいらっしゃったかと思います。確かにファーストCDのキャッチコピー「スカッとしまくり!!」とか、このCDの「超・リズム隊!!」にあらわすようなサウンド、そう、このサウンドを待っていた人って多いんじゃないでしょうか。

新譜を追いかけるのはリスクが多いのですが、時々こういう(私に)とってアタリのアルバムが出てくるので、やっぱり病みつきになってしまいます。まだみてませんけれど、CDエクストラが付いていて、11曲目の映像版だそうです。何だか楽しみ。


ブロンボ2!!(Brombo 2!!)/JB Project(Seven Seas) - Recorded March 8-10, 2004. Akira Jimbo(Ds), Brian Bromberg(B), Featuring: Otmaro Ruiz(P) - 1. Action Figure 2. Tell Me A Bed Time Story 3. The Sound Of Music 4. You & I 5. Steppin' Out 6. Fields Of Gold 7. Daisy Bloom 8. Nardis 9. Towed 10. Going Home Bonus Track: 11. I Got Rhythm

神保彰(Ds)、ブライアン・ブロンバーグ(B)、ゲストでオトマロ・フイーズ(P、Key)。オリジナルは11曲中4曲。相変わらずのペースとドラムスの強力さ。1曲目は、そのデュオの小品インプロヴィゼーションですが、やはり彼ららしくスルドい。しっとりと聴かせてくれるハービー・ハンコック作の2曲目もソロはそれなりにスゴイかも。ラテン風でメロディアスに「攻めまくる」3曲目、オリジナルのしっとり系バラードでベースが前面に出るエレキピアノの4曲目、8ビートでロックナンバーのようなノリの良さのある5曲目、スティング作の落ち着いた雰囲気の6曲目、オリジナルのラテンで明るい7曲目、有名な「ナーディス」を彼ら流に演奏する8曲目、やはりデュオで聴いててスカッとする9曲目、ドヴォルザークの曲を優しく歌い上げ、時にスリルのある10曲目、ボーナス・トラックでガーシュイン・ナンパーのゴキゲンな11曲目。(04年8月25日発売)

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