最初の数曲を聴いているとモロにニューオリンズジャスの要素があるのですが、数曲ごとにテーマが5つあって必ずしも懐かしい関係のサウンドではなく、聴き続けていくと最後は新しくなる幅広いサウンドであることが分かります。例えば2曲目でも、ニューオリンズ系にしては、ドラムスの音数の多い叩き方は現代風だな、とか、あまりオーセンティックなスタイルにはこだわっていないのかなと思える作りです。そこが逆に面白いと思いました。5つのテーマを持ちつつ、リーダーの好きなようにテーマに沿って演奏していく、そういうところがなかなかいいですね。
Brice Miller A Day in the Life/(2008 USA Miller Mac Media)
テーマ別に構成されたアルバム全章
New Orleans Street Beat - #1. Exactly Like You 2. Palm Court Strut 3. I'll Take You There
Rebirth of the Funky SOUL - #4. All Of Me 5. Night Train 6. Watermelon Man
Urban Swing - #7. Comin' Home 8. St. James Infirmary 9. Street Corner Blues
Gotta Be.. All That Newlins' Funk - #10. All That/Roll Wit It 11. Movin' & Groovin'
Ambient Ecstasy - #12. [Late Night]Odyssey
Brice Miller - trumpet
FEATURING:
Theryl "The Houseman" deClouet
Kevin O' Day
Ronnell Johnson
Peter Harris
Kirk Joseph
Davis Rogan
Andrew Baham
Mahogany Brass Band
1枚のアルバムの中に、ニューオリンズのスタイル、ファンキー・ソウル、アーバン(都会的な)・スウィング、ニューリンズ(?)・ファンク、アンビエント・エクスタシーと、テーマを設けて数曲ずつそのテーマに沿った演奏が繰り広げられています。ただ、歴史を正確にたどっているということではなくて、テーマに沿ってもリーダーのBrice Millerのやりたいようにやっている感じが強く、たとえニューオリンズがテーマでも、現代的なエッセンスも感じることかできます。ちなみに1-3曲目はベースパートはチューバです。
モダン・ジャズ好きにとっては4-6曲目あたりがジャズの要素が強く(アコースティック・ベース使用)、けっこううれしいところ。それでもニューオリンズの陽気さは隠せず、ヴォーカルも入ったりしていますが、懐かしさと今っぽさが入り混じった要素がまたけっこういいです。スタンダードの4曲目もビートは4ビートではなくて、弾むようなリズムだし、5曲目は8ビート、6曲目は16ビートです。7-8曲目のアーバン・スウィングの曲も’70年代のエレクトリック・ファンクを想像させるようなちょっと懐かしめのファンクのサウンド(ここはエレキ・ベース)にラップが入り、8曲目はファンクのヴォーカル曲。9曲目はベースはシンセベースでかなり今風なビート。
10-11曲目は勢いのある、または明るいニューオリンズ・ファンク、12曲目は文字通りアンビエントな世界、ただしパーカッシヴですが。このアルバム1枚で、けっこうニューオリンズの地域のジャズの歴史を追いかけた感じになります。
ジャズCDの個人ページ(工藤)
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