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2007年11月

2007年11月27日 (火)

力んでしまう盤11月編(bb白岩さん)を聴く

ハリケーン・カトリーナのドキュメンタリー作品に提供した曲と、その後に作った曲を合わせて、トータルアルバムに仕上げた作品とのこと。ジャズというよりは映画などのサウンドトラックに聴こえるような壮大な作品に仕上がっていて、オーケストラも加わる部分もあって、見事なアルバムだと思います。ただ、ジャズ的に見ると、ちょっと方向性は違うかな、と思います。まあ、こういうサウンドトラック的な作品は好きな方なので、あえて言うと、ドラマチックな感触を味わいたい方はいいんじゃないかな、と思います。


A Tale of God's Will ~ a Requiem for Katrina / Terence Blanchard(Tp)(2007年 USA Blue Note) - Brice Winston(Ts, Ss), Aaron Parks(P), Derrick Hodge(B), Kendrick Scott(Ds, Per)、Zach Harmon(Tabla, Happy Apple), The Northwest Sinfonia - 1. Ghost Of Congo Square 2. Levees 3. Wading Through 4. Ashe 5. In Time Of Need 6. Ghost Of Betsy 7. Water, The 8. Mantra Intro 9. Mantra 10. Over There 11. Ghost Of 1927 12. Funeral Dirge 13. Dear Mom

テレンス・ブランチャード自身のプロデュースということもあって、とうとうジャズを超えてここまで来たかな、という感じを、アルバムを聴いて思いました。ジャズにこだわってしまうと、4ビートの世界ではないので、ちょっと物足りないサウンドになってしまうかもしれませんが、映画音楽、あるいはドキュメンタリーの音楽として、映像的に聴くと、その壮大なサウンドの流れに身を任せて、70分以上にもわたる13曲を飽きさせず聴ける要素があると思います。確かに一部を除いてジャズのイディオムではなく、オーケストレーションはクラシックに近いものを持っています。そして、全編に漂う影のような、ハリケーンのもたらしたけっして明るい部分が多くない、結果として提示されるちょっと重苦しいサウンド。もちろん4曲目のような静けさを表しているような曲もありますが。そう、クラシックを聴くときの雰囲気で聴くと、意外にハマッてしまうのかな、と思いました。現地でその悲劇を目にしてなくても、まぶたの中にドラマが生まれてくるようなサウンドというのか、そういうものが確かにあると思います。そんな中でも完全なジャズの曲として6、11曲目の小品が挿入されていたりと、変化に富んでいます。9曲目もどちらかというとジャズ(ファンク)的なサウンドの要素が強いです。まさにドラマを聴く、という感じです。

ジャズCDの個人ページ(工藤)

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2007年11月25日 (日)

工藤さんの11月のオススメ盤を聴く(bb白岩)

今回の盤はこの企画を始めて以来自分なりの聞き所を見付けるのに最も苦労した一枚になりました。自分にはぴんと来ないという盤は今までもあったのですが、例えそんな時でもオススメに選んだ工藤さん自身は何処に惹かれてそれをここに持ってきたのかが判るコメントがupされていたのですが、今回は工藤さんの文章の中からそれを探ることも出来ませんでした。ということで、やや距離を置いた感想になってしまうと思いますが頑張れるだけ頑張ってみますのでよろしくお願いします。

Live At The Zinc Bar NYC/Lonnie Plaxico Group (Plaxmusic)

Jeremy Pelt(Tp)
Marcus Strickland(Ts)
George Colligan(P, Key)
Lonnie Plaxico(B)
Nathaniel Townsley(Ds)

この音盤の録音と制作に当たった人はドラムの音の処理で余ほど苦労をしたか、あるいはほとんどバランスを意に介さなかったかのどちらかも知れません。キーボードの音とスネアがこれだけ喧嘩している録音を私は余り他に聴いたことがありません。多分、それゆえ工藤さんも聴くのに体力がいると評されたのだと思います。一方、その音盤の録音状態が如何に劣悪であろとうも、そのような悪材料など何のそのという感じでグイグイ琴線に触れてくるジャズもありますが、この作品に限ってはドラマーのフィーリングが根本的に自分とは合わないせいか、多分録音バランスの善し悪し以前の部分で苦手に感じている気もします。バラードの#4.でのブラシとシンバルワークの何と直線的であることか。このドラマー、ファンクチューンでの 1+1=2的なリズムメイクと同じ感覚がそのままバラードにも現れている感じです。いわゆる私の造語でロボット・ジャズという範疇に入ってしまう音。ということで、今回は最初から最後まで自分には居心地の良くないリスニング・タイムになってしまいました。このアルバムを大好きだという人、及び特にドラムのNathaniel Townsleyが好きだという方々にはひたすらお詫び致します。自分にはこの作品の良さ自体が全く理解できなかったことを正直に申し上げたいと思います。と同時にやはり歌心の有無の大切さが身に染みた一枚でもありました。

bb白岩(appleJam)

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2007年11月 6日 (火)

力んでしまう盤11月編(bb白岩)

テレンスはアート・ブレイキーと組んでいた頃から最も好きなタイプのトランペット奏者の一人です。今作で初めて自分のお店で扱ったので今月は迷わずこの作品にすることにしました。特別な切り口から仕上げた大作で、それゆえ全体が交響詩のようにも映画音楽のようにも聞こえます。作りも特にジャズという枠にこだわらず、まるでスパニッシュなギターの小品かと思うような楽曲さえ登場します。


神の意志として星になる運命を与えられた人々のために捧げる鎮魂歌
Terence Blanchard / A Tale of God's Will ~ a Requiem for Katrina
(2007年 USA Blue Note)
Terence Blanchard - trumpet
Brice Winston - tenor/soprano saxophones
Aaron Parks - piano
Derrick Hodge - acoustic/electric basses
Kendrick Scott - tabla and the happy apple

全編が交響詩のような拡がりを持つ大作で、まさに一大叙情詩といえる内容をしています。ジャズという枠を超えて作られたこの作品は、スパイク・リー監督による、ハリケーン・カトリーナ被災後のニューオリンズを題材にしたドキュメンタリー作品に寄せるサントラかイメージ・アルバム的位置づけにある模様です。ハリケーンにより脆くも壊れてしまった街、そこで悲しくも天空に旅立ってしまったいくつもの魂に、永遠の安らぎを与えたもうと神に祈るかのような旋律が拡がっていきます。楽曲毎に様々な情景がまぶたに浮かんでくるのですが、それは聞き手一人一人で見えるものが異なりそう。でも言えるのはこれが明日に繋がる種類の鎮魂歌であるこは確かです。#7.the Waterは特に感動的。悲哀の中にも確かに一種の勇気のような感情がわき上がるのが不思議です。鎮魂歌とは生存者が起きてしまったことを受け入れるためにどうしても必要な精神的儀式なのかも知れません。作品全体を包む、思い入れたっぷりの叙情感はあたかも天空の魂と心を交わす詩人がしたためた叙情詩のようにも感じます。テレンスのこの徹底した美意識には間違いなく近代のフランス音楽がそのルーツにあるように感じます。最近の他のアメリカ映画でも音楽監督として彼の名を見る機会がありましたので、ひとつのコンセプトを持つ作品を総監督として仕上げる作業にも充分にこなれた技術を今は持っているように感じます。何度も何度も、終日聞き惚れていたい秀逸でかつ感動的な作品。

bb白岩(appleJam)

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2007年11月 5日 (月)

11月のおススメ盤(工藤)

今回も自主制作盤をあげてみたいと思います。’02年録音でちょっと古いですが、内容は現代的です。7月上旬に注文していて、抱き合わせの関係で9月末にやっと届き、1回は聴こうとしたものの、このアルバムのパワーについていけず、今日は体調が良いので改めて聴きなおしたアルバムです。2曲スタンダードのバラードがあるものの、他の曲は比較的パワー全開のファンクの曲が多く、一部に4ビートの曲もありますけど、とにかく聴くにも体力勝負かな、と思わせる影響。自主制作レーベルで、ライヴということもあってやや録音は荒い(それが体力を要するサウンドになっているのかも)ですが、サウンドの方向性自体は大好きな方向性です。ほとんどの曲はアコースティックベースだけど、エレキベースの曲も。これぞ現代ジャズ(ファンク)といったところ。


Live At The Zinc Bar NYC/Lonnie Plaxico(B) Group(Plaxmusic)(輸入盤) - Recorded April 23 nad 24, 2002. George Colligan(P, Key), Jeremy Pelt(Tp), Marcus Strickland(Ts), Nathaniel Townsley(Ds) - 1.Red Light District 2. Emergence 3. Delusion 4. Too Young To Go Steady 5. Emancipation 6. Inner Voice 7. Old Folks 8. Matrix 9. Squib Cakes

(07/11/03)Lonnie Plaxico作は5曲(1-3、5-6曲目)。メンバーも良いし、なかなか勢いのあるライヴです。聴く方も元気が必要。メカニカルな緩急自在のファンクのテーマで、これでもかとせまってくるアップテンポの4ビートがメインの1曲目、やはりメカニカルなファンクで力強く進んでいく2曲目、これまたトンガリ系のファンクでけっこうカッコ良い3曲目、スタンダードのバラードをオーソドックスに美しく演奏する4曲目、パワーで押しまくるややアップテンポのファンクの5曲目、エレキベースでこれでもかと続くハードなトンガリ・ファンクの6曲目、ゆったりとメロディアスにスタンダードのバラードがくる7曲目、チック・コリア作の有名曲を変わったアレンジで聴かせるファンクの8曲目、ドラムソロからはじまる豪快ファンクの9曲目。

ジャズCDの個人ページ(工藤)

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